海外進出事例集

zangi

飲食業

日式のから揚げ専門店「ZAN-GI」のインドネシア進出事例

株式会社JAPASIAN

2016年4月21日

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

事業概要

株式会社JAPASIANは2014年の5月に創業し、現在は3つの事業を展開しています。
1つめはインドネシアへ進出をお考えの事業社に対する進出支援事業。2つめはインドネシア国内におけるマーケティング支援事業。そして3つめがインドネシア国内における飲食事業です。

海外ビジネスの概要

飲食事業については、インドネシアのパートナー企業から当社が運営委託される形で現地にて企画・運営を担っています。約1年間の準備期間を経て、2015年11月に“JAPANESE KARAAGE STAND ZAN-GI(以下、ザンギ)”として、ジャカルタの中心地であるスディルマンエリアに第一号店をオープンしました。
 
ザンギでは日本で日常的に食されている「鶏の唐揚げ」を、気軽に食べられるテイクアウェイ形式で現地販売しています。また、インドネシア人が大好きな「ソース」と併せてご提供しています。インドネシアで今後増えていく中流階級に広げていきたいので、富裕層をターゲットとすることが多い通常の日系飲食店よりも価格を抑えています。
 
アイデア段階ではいくつかの日本食が商材候補として出ていました。最終的に“唐揚げ”を選んだのは、インドネシアでは鶏肉が頻繁に食されており、受け入れられやすいと考えたからです。現地にも“アヤムゴレン”と呼ばれる鶏肉を揚げた近しい料理がありますが、テストマーケティングの段階で“アヤムゴレンと唐揚げの差異は伝わる”と判断して唐揚げを選択しました。また、鶏肉は素材調達の安定性が高い、という理由もあります。インドネシアでは政策が変わることも多く、食材の価格や供給量が大きく変動することが多々あります。

進出理由と背景

創業前に東南アジア数か国を視察し、これからの日本はより積極的に外へ出ていかなければならない、と肌で感じました。そして“日本を最適化して伝える”というミッションの基にJAPASIANを創業しました。フィールドとしてインドネシアを選んだのは、①成長する東南アジアの中でも人口が多く潜在的な市場規模が大きいこと、②世界最大のムスリム国家でありムスリムマーケットに展開するためのノウハウが得られること、③日本ブランドに対する信頼性が高く、今後の日本にとって重要なマーケットとなること、という3つの理由がありました。
 
日本が世界で戦っていける武器はいくつかありますが、“食文化”はその中でも強烈な武器になると感じていました。B2B事業で進出企業を支援するだけではなく、自ら現地での実業を展開することで得る知見も多いと考え、3つめの現地飲食事業展開に踏み切りました。

進出までにやったこと

我々自身が進出支援事業も展開していますので、進出に必要なほとんどのことは自前でやってきました。今回の飲食事業で特に注力したのはテストマーケティングです。メイン商材確定前、確定後含めて、実際のお客様となるジャカルタのオフィスワーカーを対象に何度も実食テストを行いました。商材確定後、出店までに時間がかかることは想定していたため、とにかく仮説立案、検証、改善をスピーディーに繰り返して商品をブラッシュアップしました。その甲斐あり、日本人・インドネシア人の双方に美味しいと言っていただける商品が開発できました。

苦労したこと

細かい苦労話を挙げるとキリがないのですが、一言にすると「ビジネス感覚の理解」でしょうか。アポイントに対する考え方、スケジュール管理、納品物のクオリティ、契約書の解釈まで、あらゆる感覚が日本の常識とは異なります。予定通りに進まないことを前提に計画を立てること、さらに不測の事態が起きた時のためにプランBを用意しておくことが重要だと感じています。ただ、現地の感覚を理解しつつも相手に自分を合わせ過ぎてしまうのは問題だと思います。仕事のクオリティが現地のレベルに合わせて下がってしまうからです。相手の感覚を理解しつつも、こちらの要望をできるだけ実現してもらう。今でも日々勉強中です。

今後の展開

飲食事業としては、まずは“ZAN-GI”及び日本の“karaage”の浸透に努め、来年度2016年12月期において直営店舗を数店舗出店したいと考えています。また、現地の実業を通じて得る人脈や知見をB2Bの進出支援事業でも活用していきます。

海外展開成功のためのアドバイス

まだ我々も実業としては開始したばかりですが、
・余裕を持った計画を立て、計画修正の柔軟性を持つこと
・現地で相談できるパートナー(企業でも個人でも)を見つけ出すこと
・相手の話を鵜呑みにしない、また日本の常識で判断しないこと
・現地スタッフを巻き込み、日本人と現地人のチームプレーで進めること
が重要になってくるかと感じています。

企業名株式会社JAPASIAN
業種・業態飲食業
進出国
事業内容

B2Bでは、日系法人に対する進出前の調査支援や、進出後の事業運営支援を行っています。B2Cではインドネシア国内で唐揚げ専門店「ZAN-GI」を運営しています。

法人設立年2014年5月
海外進出時期2014年8月
日本法人所在地東京都豊島区上池袋2-31-8
海外所在地

Sampoerna Strategic Square, South Tower Level 30,Jl. Jend. Sudirman Kav

代表者代表取締役 小林健太郎
資本金800万円
URLwww.japasian.com
依頼したサポート内容

この事例が役に立つ!と思った方はシェア

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
海外進出無料相談サービス
開国縁人〜縁人〜