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- 世界の富の再分配を実現する「越境型応援プラットフォーム COW(カウ)」
越境型応援プラットフォーム「COW(カウ)」とは?

世界の若者たちを応援するスマートフォンアプリ『COW(カウ)』を運営しております。
『COW』とは、“写真の売買で世界から貧困をなくそう”というコンセプトを掲げた、越境型応援プラットフォームです。
世界には開発途上国を中心にBOP(Base of the Economic Pyramid)層と呼ばれる、年間所得が3,000USドル以下の低所得層の人々が40億人以上存在し、世界人口の七割を占めていると言われています。
そんな開発途上国のBOP層において、急速な普及を続けているのが、携帯電話やスマートフォンです。
私たちは、それらを媒体とする移動通信に注目し、写真データの売買を通じた収入機会を得てもらうためのプラットフォームアプリケーションとして、『COW』を開発およびローンチしました。
具体的には『COW』を通して、「途上国」と「先進国」のユーザーを、それぞれ写真データの「売り手」と「買い手」として繋ぎます。途上国ユーザーは、彼らが普段から慣れ親しんでいるオンライン上への写真投稿を通じて、自らが見たこと感じたことを『COW』を通じて世界へと発信することができます。先進国ユーザーは、途上国ユーザーが投稿した写真を購入することで、そのユーザーを応援することができます。
つまり、途上国ユーザーは、写真データの売り手としての収入機会を得ることが可能になるのです。
もちろん、買い手となる先進国ユーザーに課金してもらうためには、画像を売るための試行錯誤を含めたマーケティング力が必要されます。またプラットフォーム上には、自分と同じ立場の他の売り手も存在し、絶えず競争が存在するマーケットでもあるのです。
それに対して、先進国ユーザーは、写真データの買い手として途上国のBOP層の支援をすることで、彼らの生活を楽しくカジュアルにサポートすることができます。それと同時に、普段の生活では直接関係性を持つことが難しい途上国ユーザーの生活を垣間見ることで、自らの見聞が広がり、これまでとは異なる世界への新しい視点を得ることもできると思っています。
ITを駆使して世界の所得格差をなくす
「COW(カウ)」というネーミングの由来は、牛のように人々の生活をサポートする存在になりたいという意図があります。古代より牛は人間の生活になくてはならない存在であり、人々と共に暮らしてきたからです。
「カウ株式会社」を設立する以前、私はIT企業の企画や営業として働いていました。特に国際関係の業務に就いていたわけではないのですが、たまたま目に留まったのが世界の所得格差という問題でした。世界中に様々な社会問題がある中で、国ごとに大きな所得格差があることに衝撃を受けたのです。
自分で色々調べる前は、BOP層と呼ばれる人々は、それこそ衣食住に困っているんじゃないかと、ステレオタイプなイメージを持っていました。しかし、実際に調べてみると、開発途上国と言っても、貧富の差が国によって違っていたり、ましてやその国内においても格差が激しかったりする。
さらに調べてみると、彼らが住む国は、先進国と比較して所得が低い地域であっても、特に都市部における経済成長率は右肩上がりで、多くの都市では移動通信が発達していることも珍しくなく、スマートフォンの普及率も非常に高いことが分かったんです。
先述のように私はIT業界に長年携わってきましたので、自分が得意とする分野であるインターネットを使って、世界の所得格差をなくすために何かができるのではないかと思いました。それが弊社を設立することになったきっかけのひとつです。
カンボジア3都市で総勢600名以上を動員したイベントを開催

発展途上国ときくと、先進国に住む多くの人が、衣食住にも困っているような貧困層をイメージされると思います。しかし経済発展の最中にある国々では、いわゆる中間層と呼ばれる人口も増えているのです。
そんな途上国のひとつがカンボジアでした。カンボジアを最初のサービス展開国とした理由は、現地の日系企業とのコネクションを紹介していただいたことが大きいですね。
カンボジアは、人口の7割が30歳未満という、非常に若者の多い国情ですが、スマートフォンの普及率は非常に高く、首都プノンペンなどの都市部では9割以上と見込まれます。
進出にあたっては、事業の適法性、法的リスクについての調査も行いました。さらに現地のプノンペンに住む若者たちへのインタビューを実施。私たちのサービスを使用した様子や感想をYouTube動画としてアップすることもできました。
また、カンボジアでのユーザーを獲得するため、現地で注目されているスクールである「LSI」(※1)と提携し、2017年12月と2018年6月の2期で、若者向けのアプリ説明イベントを行いました。
2018年6月のイベントでは、プノンペン(首都)、コンポンチャム(東部主要都市)、シアヌークビル(南部主要都市)の大学などをお借りして、おかげさまで総勢600名超のイベントとして開催することができました。
※1…LSI=Learning for Success Institute。カンボジア国内において、注目されているスクールのひとつ。現在カンボジアでは、ソフトスキル(いわゆる道徳倫理や人間力といったもの)の重要性が叫ばれており、同スクールでは若者への教育のほか、企業研修なども行っている
言語だけでなくその国の生活習慣に合わせたローカライズを

私たちの事業の場合、まだまだ成功段階と言える状況にはなく、チャレンジのステージにあります。しかしながら、現在までカンボジアにおいてコンテンツ展開をしてきた中で、申し上げられることがあるとすれば、しっかりと現地の実情をつかむのが大切であるということです。
当然ながら日本にいるだけでは、現地の実情はつかむことはできません。だからこそ現地パートナーの存在がもっとも重要になります。
私も含めて弊社のメンバーは海外事業の経験者ではありませんでした。そもそも日本国内には、完成度の高いマーケットがあり、そのビジネスに慣れてしまうと、日本の価値観やルールで物事を考えてしまいがちです。
しかし、それぞれの国や地域には、現在までに辿ってきた歴史や文化があります。その国や地域のユーザーの方々に喜んで使っていただけるための「ローカライズ」とは、一体何なのか…? と日々考えております。
例えばカンボジアの場合だと、日本語とクメール語(カンボジア語)には、語彙数に違いがあり、日本語から直訳しても全く通じなかったり、大抵の日本人が理解しているアイコンデザインが、実は日本人にしか理解できないドメスティックなものであったりと、日本で生活していると気がつかないことが多々あります。
結局のところ、「ローカライズ」とは、言語翻訳だけではなくて、展開国の生活習慣にどのように合わせていくか…ということなのだと考えます。特に先進国と時代背景がリンクしていないような、開発途上国への進出の場合は、なおさらだと思います。
日本人の支援や寄付のカタチを変えたい

今後のビジョンとしましては、「世界の若者たちを応援するアプリ」である『COW』を着実に広めていきたいと思っています。
さる7月末には、アプリのバージョンアップを行い、「新規ユーザーとしてアプリを登録するだけ」または「写真を投稿するだけ」で、ユーザーがお金を得ることができる新機能を追加いたしました。新規ユーザー様のさらなるご利用を促進すると同時に、このモデルへのスポンサー様も募集しております。
さらには、日本人の支援や寄付のカタチを変えたいとも思っています。こちらにつきましては、とある公益法人様などとお話をさせていただきながら、新しい寄付サービスを2018年中に開始する計画です。
私たちにとって、海外事業とはもっとも注力すべき事業であり、この度のカンボジア進出においては、幸いなことに下地もあり、現地パートナーにも恵まれました。また「COW事業」によって、カンボジアの若者カルチャーにも触れることができ、現地パートナーとの関係構築も促進されました。この経験を活かして、今後は他の企業様のカンボジア進出のお手伝いをさせていただけたらとも思っております。
いずれにせよ、この度の前向きな経験をもとに、カンボジアはもちろん他の周辺国にも、自社の海外事業を展開していきたいと思っております。
企業名 | カウ株式会社 |
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業種・業態 | IT・通信業 |
進出国 | |
事業内容 | スマートフォンアプリの開発運営 |
法人設立年 | 2016年 |
海外進出時期 | 2017年7月 |
日本法人所在地 | 東京都中野区弥生町2-41-17 東京コンテンツインキュベーションセンター |
海外所在地 | カンボジア・プノンペン |
代表者 | 大木 大地 |
資本金 | 30,000,000円 |
電話番号 | 050-5316-9428 |
URL | http://cow.tokyo/ |
依頼したサポート内容 |