- ホーム
- 中国
- 中国の海外進出事例集
- 中国EC「天猫国際(Tmall Global)」での「独身の日」において、日本製の枕・寝具の売上6,000万円超を達成!
“まくら”に特化した事業概要
枕を始めとする、寝具・睡眠グッズの企画開発および、インターネット販売を行っていますが、私自身、自他共に認める「枕バカ」として通っています(笑)。
具体的には、オリジナル枕の企画開発、卸売り販売、OEM受託開発、睡眠情報データベースの解析・サービス開発などの事業を行っています。主力であるインターネット販売では、寝具通販サイト「枕と眠りのおやすみショップ」を筆頭に、枕800点と寝具35,000点を取り扱う計18店舗のECショップ、さらにECとは別に、枕ショップの検索や枕をマッチングする枕関連の4つのメディアも運営しています。
企業使命は「人と枕の出会いをプロデュース」。“枕との出会いは一期一会である”をモットーに、全世界の方々に安眠と安心をお届けすることを目指しているんです。
「天猫国際(Tmall Global)」での売上が6,000万円を超える快挙
2017年の7月に中国の大手ECモール「天猫国際(Tmall Global)」にて、日本で人気の「王様の夢枕」や「王様の抱き枕」を中国国内で販売する「王様OSAMASERIES 海外旗艦店」をオープンしました。
近年、中国国内では日本製枕の需要が高まっていますが、「王様シリーズ」は、株式会社ビーチ様と共に弊社が企画・開発・販売を行っている、日本国内累積100万個以上の販売実績を持つ枕ブランドです。
さる11月11日には、中国のECサイトが一斉にセールを行うことで知られる「独身の日」(双11・ダブルイレブン)を迎えましたが、おかげさまで中国での売上が6,000万円を超える程の盛況ぶりでした。
中国EC市場への進出の背景
海外と比較した場合は、日本のまくら市場は非常に成熟しており、オーダメイド枕の需要も高いのですが、日本から世界へ進出している枕ブランドの数は限られているのが現状です。
中国のEC市場ですと、それこそ商材ランキングで枕が上位表示されるのですが、当時からタイ企業のNittaya様の枕が大きな人気を博していたんですね。そういった状況を顧みても、これだけ枕に注力している日系企業であるウチが進出しない手はないだろうと(笑)。
正式に出店をする以前から、「天猫国際(Tmall Global)」を運営するアリババグループさんから情報をいただくことで、中国における枕の市場規模が非常に大きく、さらに価格面などを考慮しても、すでに弊社で開発している日本製の安心な枕を中国で販売すれば、その需要は取り込めるはずだと考えていました。安易なマーケティングかもしれませんが、ちょうど中国人スタッフも新卒で入社してくれたので、もうやるしかないだろうと(笑)。
中国・越境EC成功へのアドバイス
ただ「天猫国際(Tmall Global)」というECモールで、何の前知識もない日本企業が、日本のECサイトと同じ感覚のまま自力で出店することは決して簡単ではありません。
弊社が今年の「独身の日」のような業績を上げることができた理由としては、アリババさんに懇意にしていただけたことが挙げられます。先ほどもお話しましたが、事前に中国EC市場ならではの特殊かつ有益な情報を得られたことはとても重要な要因です。
さらに重要なポイントは、パートナー企業である中国の販売会社さんの存在ですね。「天猫国際(Tmall Global)」だと、TPさん…Tモールパートナーの略なのですが、基本的にはそのTPさんに自社商品をあずけることになりますから。
一部の企業様を除いては、それこそ9割近くが、TPさんに販売戦略から実際の展開までお願いするのがセオリーだと思います。そもそも成功している多くの企業がTPさんと密接なタッグを組んでいますからね。
そのTPさんもアリババさんからのご紹介でした。具体的には3社ほど候補を挙げていただいて、ありがたいことに、いずれの現地企業様からも熱心なアプローチをいただきまして。ただ、他の企業様がオンラインでの商談だけだったにも関わらず、今回提携を組ませていただいた中国企業の「碧捷潔浄科技有限公司」さんは、コンタクトをとった後すぐに、日本まで直接会いにきてくださって。そんな行動力と機動力の強さに加えて、その誠意と情熱に心を揺れ動かされて…もうお見合いみたいなものですよね(笑)。
同じ商品でも日本と全く異なるニーズが求められる
当然ですが、リアルな市場と同様に、中国のEC市場は日本と全く異なります。弊社の越境EC事業でも、当初の予定から変更したことはたくさんありますよ。ただ、問題は起こるのが当たり前で、大切なのは問題が発生してから、それをいかに素早く改善するかというスピードだと思っています。
先述のTPさんにしても、おっしゃることがコロコロ変わりますけど、もう慣れたというか(苦笑)。もちろん無意味に変えてるわけではなくて、様々な情報を元に、こちらに変更の提案や要望を伝えてきていることは充分に理解しています。それこそECショップの名前から、商品のラインナップなど、そのほとんどが当初の予定から変更していますからね(笑)。
ひとつ例を挙げるなら、商品のパッケージですね。同じ商品であっても、日本向けと中国向けでは、まったく異なるパッケージングに変更しました。日本では商品を普通のビニール袋に入れていても、中国ではコストをかけて密封パッケージにしているんです。理由としては、常に顔や肌に触れる枕は衛生品としてとらえられており、より高付加価値な商品が求められている。さらに日本製ならではの品質と安心感への高いニーズもある。そもそも日本と違って、中国だと返品商品をそのまま販売してしまうケースも多く、一度開封したらそれが分かるようにする必要があるんですね。
後は“箱”も重要だと指摘されました。それこそiPhoneと同じように、商品を購入して初めて箱を開ける瞬間の楽しみがないとダメだと…。枕という商品ひとつとっても、そこまでの日本と異なるニーズが求められているのだと改めて実感しましたね。
今後の海外進出への展望

よく「枕というひとつの市場だけでは狭いのでは?」と言われるのですが、私自身は「それでも広すぎる」と感じています(笑)。枕の可能性はとても大きくて、古代エジプト時代や縄文時代から存在していて、恐らく22世紀になっても、地球に重力があって、人類が直立歩行を続けて、睡眠欲がなくならない限り、枕もなくならない。
それこそスマートフォンと同じように、毎日の生活の中に存在していて、ある意味スマホよりも、顔と頭に近いユーザーの一等地に長く滞在し続ける。いわば究極のウェアラブルアイテムでもあり、IOTとの相性の面でも、枕以上のアイテムはないと思ってます。枕について知れば知るほど、枕という商品を売れば売るほど、枕の持つ可能性に魅了されているんです(笑)。
現在は中国に加えて、台湾でも現地のパートナー企業様と協力してオンライン販売を行っています。台湾の場合は中国とは違って、主にSNSを中心とした販売戦略を採っています。今後は、中国、台湾に加えて、日本製の高品質な“おもてなしの心”がある枕を、世界中に拡げていきたいですね(笑)。
企業名 | まくら株式会社 |
---|---|
業種・業態 | 卸売・小売業 |
進出国 | |
事業内容 | 枕を中心とした寝具のインターネット販売 |
法人設立年 | 2004年4月 |
海外進出時期 | 2017年7月 |
日本法人所在地 | 千葉県柏市柏 4-8-14 柏染谷ビル4F |
代表者 | 代表取締役 河元智行 |
資本金 | 1,000万円 |
電話番号 | 04-7167-3007(代表) |
URL | http://www.pillow.co.jp |
依頼したサポート内容 |