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- 創業1890年の貿易会社が、欧州に”和酒”を輸出する理由とは?
事業概要
小林順蔵商店は、創業1890年の歴史ある貿易会社です。羊毛の輸入を中心に事業を展開していましたが、数年前に業態を転換しました。現在は日本酒や焼酎など”和酒”の輸出を中心に事業を展開し、”日本酒を海外に輸出したいと考える酒蔵”と”欧州でSAKEを販売したいと思っているインポーター”をつなぐ役割を担っています。
海外ではSAKEへの関心が年々高まっており、国税庁の発表によると、平成27年度における日本酒の海外輸出は、輸出量・金額ともに6年連続で過去最高値を記録しました。そんな中、SAKEを自国に輸入したいと考える方が増えています。それは日本酒の輸出を検討している酒蔵にとっても、絶好のチャンスなのですが、言語的・地理的・心理的な壁が原因で商談がスムーズに進まないケースが多いのも事実です。こうしたチャンスをビジネスに繋げるためのお手伝いをしています。
海外事業概要
単純な商品の輸送を行うだけではなく、インポーターに商品情報や日本の飲酒文化、蔵元の思いなどをしっかりと伝えることで、現地の人々に対するインフルエンサーになってもらえるような工夫をしています。定期的な情報共有や、蔵元が現地視察をする際のサポート、インポーターが来日したときのアテンドなど、双方のサポート体制を整えながら日本酒の市場拡大を目指すのが弊社の特徴です。
また、弊社は決まった商品ラインナップを持たず、その国の文化・食・デザインなどインポーターに合わせた商品のご提案を行っています。現在最前線で働いている社員全員がホテル勤務経験者ということもあり、ホテルコンシェルジュのような相手に寄り添う細やかなサービスを心掛けています。
進出理由と背景
きっかけは、知人の紹介でスイス人のMarcさん(現・Shizuku GmbHの代表)と出会ったことです。Marcさんは日本での留学経験を通じて、日本酒の素晴らしさに魅了され、「スイスで日本酒の普及に携わりたい」という願いを実現するために、貿易を営む弊社に声をかけてくれました。
当初は軽い気持ちでお手伝いしていましたが、Marcさんのサポートをしている中で彼の熱意に、また、蔵元と関わり日本酒への想いに触れることで、我々も日本酒の魅力に引き込まれていきました。そこで、新たに日本酒の輸出事業を立ち上げることになり、現在ではスイスだけでなく、ヨーロッパやアジアなどのさまざまな国で、日本酒の素晴らしさを伝えるために奮闘しています。
また、現地インポーターだからこその感性によるおもしろい発想で食材や料理とのペアリングを提案してくれることも日本酒の大きな可能性を感じる一つの要因です。海外展開をする中で、飲み方など、日本における日本酒のあり方を無理やり押し付けるのではなく、インポーター自身の感性を大切にするよう心掛けています。実は我々日本人は、固定観念に縛られた「この日本酒は冷やで、刺身と合わせる…」といったようなワンパターンな飲み方を提案しがちなんです。大切なのは、そうした意見を取り入れながら、新しい日本酒文化を現地で普及させることだと思っています。
進出までに行ったこと・苦労したこと
日本酒・焼酎などの和酒輸出に関してはすでに展開されている様々な企業さまがおりましたので、他社との差別化を行うために日系ではなく現地系のビジネスパートナーと出会うことに注力しました。最初はどのようにターゲットを見つけるかが全く分からず、欧州の業者へ1社1社個別に連絡をし、実際に現地へ行き飛び込み営業のようなことをしていました。
また、既にある海外日本人マーケットではなく、現地人マーケットを新たに開拓することは非常に手間と労力がかかりますが、”ビジネスのやり方・進め方”を日本流ではなく現地流に合わせることを意識して交渉を続けました。
結果として、徐々に皆様から認知していただきはじめましたが、日本酒という商材自体の知識が不足していたり、日本の商習慣を全く分からない業者とのスムーズな商談・交渉にはまだまだ課題が残るところです。
今後の展開
今後は積極的に現地出身のインポーターの方々と協力をして、その土地に合わせた日本酒・食事とのペアリングや楽しみ方などを提案していきたいと考えています。そして、現在まで受け継がれてきた“日本酒”という伝統文化の革新を促します。
ワインは世界各国で楽しまれ、日本国内でもワインの消費量は増え続けており、日本酒の消費量に追いつかんばかりの勢いです。欧州でも、ほとんどの日本食レストランが日本酒と一緒にワインを提供しているのが現状ですが、私たちは「ワインのおいしさを理解できる人は、日本酒のおいしさも理解できる」と確信しています。
近い将来、日本酒を"和食の飾り"としてではなく、ワインやビールのようにどんなシーンでも気軽に楽しむことのできる存在にします!
海外展開成功のためのアドバイス
海外展開成功のために必要なことは、やはり「海外現地企業のニーズ・商習慣・常識」に寄り添いながらビジネスを進めていくということだと感じています。日本の中ですでに有名であったり当たり前であったりする事が、海外現地企業の方にとっては大きな驚きや理解に苦しむポイントであることは少なくありません。
特に、メーカーの方だと「自社の商品は素晴らしいから説明がなくても理解してもらえる」と考えてしまうケースも多々見受けられます。もちろん、商品の素晴らしさに疑う余地はありませんが、そういった素晴らしさを海外で理解してもらい、楽しんでもらうには両国の文化・常識の違いに気づき、寄り添いながらビジネスを進めていかなければならないと考えています。
弊社も、商品だけでなく文化や常識の橋渡しをできるよう、これからも精進していきます。
企業名 | 株式会社小林順蔵商店 |
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業種・業態 | 卸売・小売業 |
進出国 | |
事業内容 | 日本酒を中心とした、焼酎・梅酒など“和酒”の輸出 |
法人設立年 | 1949年 6月 |
海外進出時期 | 2013年5月 |
日本法人所在地 | 大阪府大阪市西区新町1-4-26 ニッケ四ツ橋ビル 9階 |
代表者 | 代表取締役 小林 佑太朗 |
資本金 | 1,000万円 |
電話番号 | 06-6531-6080 |
URL | http://j-kobayashi.com/ |
依頼したサポート内容 |