海外進出事例集

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IT・通信業

自社倉庫とNaver活用がカギ! 韓国でのニーズに応える「越境EC」事業

IT&BASIC Japan株式会社

今回は、2020年に医薬品事業部を設立し、韓国にて自社越境ECサイト「nikoniko mall(ニコニコモール)」の運営を開始した『IT&BASIC Japan株式会社』の海外進出事例について紹介します。海外事業の担当者である小川様に話を聞きました。

2022年7月14日

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今回は、2020年に医薬品事業部を設立し、韓国にて自社越境ECサイト「nikoniko mall(ニコニコモール)」の運営を開始した『IT&BASIC Japan株式会社』の海外進出事例について紹介します。海外事業の担当者である小川様に話を聞きました。

越境EC事業を始めた理由と背景などをお聞かせください。

まず、弊社では2012年より韓国にてライブQ&Aサービス「SYMFLOW」のサービスを開発し、販売していました。2017年に立ち上げた日本法人でも、基本的にはそれを売っていました。こちらは、セミナーや大講義室で行われる講義向けのサービスで、「受講者」と「講師・発表者」が、スマホやPCで意見交換できたり、アンケートを取って、その場でグラフを出せるようなサービスです。

ところが、2019年の終わりごろからコロナウイルスの影響で、オフラインでの活動が減少します。それをきっかけに、以前から関わりのあった韓国の企業と協業して、日本の医薬品を韓国の個人の客に販売する医薬品事業部を立ち上げ、自社越境ECサイト「nikoniko mall(ニコニコモール)」をローンチしました。コロナ禍において、事業転換が必要になったということです。

そして、なぜ医薬品だったかといいますと、まず韓国ではネット通販が非常に盛んでした。そして、コロナ禍以前には、韓国の方々が日本に観光に来たときに、おみやげとして、薬局で買える薬や化粧品を大量に買って帰るということがブームになっていました。しかし、コロナ禍では観光が難しい。一方で、薬や化粧品のニーズはある。そこにチャンスを見出しました。

海外に展開している商品についてご教示ください。

まず取り扱ったのは、日本のドラッグストアで買える「胃腸薬」や「二日酔いの薬」「化粧品」といったものでした。ただ、韓国の方々が日本において購入ニーズのある商品はそれだけではありませんでした。たとえば、コロナで外遊びができない中で、ベランダやキャンプ場で楽しむというニーズが生まれ、海外に行けない分の費用をそういうところに投資するようになりました。そうした「アウトドア用品」も日本で買えるものとしての需要が高かったんです。またプラレールやたまごっちのような「おもちゃ」も需要がありました。そうしたニーズを拾う形で取扱商品を増やしていっています。

そもそも私達の強みは日本に法人を設立していることです。インターネット上の販売は、信頼が重要です。「偽物が届くのではないか?」といった不安を払拭しなくてはいけません。その点、日本法人があることが、大きなアドバンテージとなっています。他社も何らかの形で日本人スタッフを活用していますが、日本法人があり、仕入れの現状や価格など、きちんと現地調査ができるという点が有利です。

海外展開に向けて、どのようなことを実施していったのでしょうか?

サンプルとなる事例がなかったので、越境ECでの販売や輸出入に関してリサーチすることが第一歩でした。その結果、まず自社倉庫を持つことに決めました。よくある「注文受付から決済、在庫管理、梱包、配送などをまとめて対応してくれるフルフィルメントサービス」は割高ですし、検品の品質管理も難しくなります。そのため、オフィスを大田区に構えて、倉庫を作りました。これにより、コストを削減した運営が可能になりました。また、日本のドラッグストアから直接、商品を卸してもらうための営業活動を実施しました。

そして、実際に販売するためのECサイト作成は自社で行いました。プロモーション活動は、「Naver」でのマーケティングが中心です。韓国ではGoogleはほとんど使われず、「Naver」がインターネットの玄関口となっています。Naverブログにて、レビュー記事や買い方を伝える記事などを発信することが、マーケティング活動として効果的です。また、Naverショッピングサイトで上位表示されるように、SNSでの活動も強化しています。また、レビューや買い方だけでなく、日本人の生活をリアルに発信するブログも運営しています。

サポート企業(物流会社)を選定する際のポイントはどのようなものでしょうか?

まず、物流における課題は、「燃油代の高騰」と「小規模の荷物量で対応してもらうこと」でした。そのため、選定するポイントとしてはまずはコストが予算の範囲内であるかどうかでした。そして、小規模でも対応してもらえること。その上でサービス面、たとえば荷物が遅延する場合にどうやってレスキューするのか、といったことを丁寧に導いてくれる業者であるかどうか。これらを選定基準としていました。

今後の展開についても教えてください。

越境EC事業としては、やはり価格競争力が重要ですので、取扱量を増やし、卸企業と交渉し、仕入れ価格を下げ、ユーザーに還元していくことを考えています。

その他、大田区の倉庫を利用した「海外発送の代行」も事業として考えています。海外への検品、梱包、発送などを代行するサービスです。食品や医薬品、おもちゃなどは特にノウハウが必要であり、私たちはそれを熟知していますので、海外への展開を考える企業のお役に立てるのではないかと考えています。

弊社では、現在アパレルショップを運営されるクライアント様の日本→韓国間でのEMS発送代行などを行なっております。又、輸出入におけるコストカット等のご相談や日韓での事業を御考えの事業者様は是非ご相談ください。

企業名IT&BASIC Japan株式会社
業種・業態IT・通信業
進出国
事業内容

2017年設立。ライブQ&Aサービス「SYMFLOW」、企業向け業務性向診断ツール「SYMOFFICE」サービスを展開。2020年に医薬品事業部を設立し、韓国にて自社越境ECサイト「nikoniko mall(ニコニコモール)」の運営を開始。

依頼したサポート内容

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