海外進出事例集

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飲食業

日本酒も提供するラーメンBAR! ハワイで話題の豚骨ラーメン「GOLDEN PORK」 の成功秘話

株式会社 一家ダイニングプロジェクト

2017年4月7日

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事業概要

外食事業とブライダル事業で年間54億円を売り上げる、創業20年の「日本一のおもてなしプロデュース集団」です。リピーター率が60%を超える「こだわりもん一家」「博多劇場」の居酒屋ダイニング等のほか、東京タワーに隣接した結婚式場「The Place of Tokyo」を運営しています。2012年に、外食事業で培った「おもてなし力」を武器にブライダル事業へ進出し、設立5年で、年間550式を挙げる人気式場(1チャペル3バンケット)を作り上げました。

海外ビジネス概要

2014年4月に米国現地法人「Ikka Dining International,Inc」を設立し、2015年3月にハワイのホノルルにラーメンBar「GOLDEN PORK(黄金の豚)」を出店しました。当時ハワイでは一般的でなかった豚骨ベーススープのラーメンのほか、日本酒、アペタイザーを種類豊富に用意しています。ラーメンは日本では500~1000円の日常食ですが、アメリカではチップを含めて1500円以上で、しかも1時間以上並んで食べる方が多くいたのです。ここにビジネスチャンスを感じました。しかし、ただ単に利鞘を稼ぐのではなく、その分、「おもてなし」による付加価値をつけるため、“日本酒やアペタイザーも提供するラーメンBar“という新しい業態で出店したのです。立地については、中心地のワイキキではなく、あえてサウスキングストリートというローカル地区に出店し、観光客だけでなく現地の方にも支持されるお店になることを目指しました。

その結果、出店から現在に至る約2年間で、「イリマアワード(現地紙主催のグルメ賞)」「ハレアイナアワード(現地誌主催の口コミグルメ賞)」でナンバーワンの評価を頂くほどになりました。おかげさまで現在GOLDEN PORKは、現地の方にも観光客の方にも受け入れられ、売上も安定するようになったのです。

進出理由とその背景

我々は、2020年以降に『日本のおもてなしを世界に発信するリーディングカンパニー』となることを目指しています。そして、世界に進出するために、2012年頃よりアメリカを中心に視察しました。主要都市である、ニューヨーク・ロサンゼルス・サンフランシスコや、発展見込みのダラス・アトランタにおいて、居酒屋、寿司、ラーメン、焼き鳥、蕎麦、炉端など日本食のキラーコンテンツとなっている業態を中心に回りました。

その結果、どこを見ても日本食のお店は大盛況。海外に日本食のニーズはあると確信しました。また、海外の日本食店では9割は外国人が運営しており、日本食ならではの味、見た目、サービスなどが伝わっていないと感じました。だからこそ日本人が海外へ進出し、本当の日本の良さを伝えればもっと良い店を作れると思い、日本の食文化・おもてなしは、今後重要な輸出産業の一つになると考えたのです。

また、観光客が多く訪れるハワイではブライダルのニーズが高いため、ハワイに拠点を持つことで、ブライダルの事業領域を広げるチャンスに繋げることも考えました。

進出までにやったこと

まず、どの業種でも必要となる現地マーケティング調査から各プロフェッショナルの採用(弁護士、会計士、不動産エージェント、コンストラクター等)を行いました。そして、現地でも受け入れられるラーメンの味を実現させるためにラーメン店の視察から始め、実際に展開するための工程表・組織図を作成して、会社登記、資本金送金、物件開発などを行っていきました。

苦労したこと

ハワイではヒト・モノ・カネの全ての面でハードルが高かったことです。レイバーコストは年々上昇するほか、コンストラクター(建築)に関しては、一坪あたり180万~270万円と、日本では考えられない水準まで上昇しています。物価・レントは日々上昇し、建築資材や食材もほとんど輸入に頼るため、その分のコストアップは避けられません。

また、ハワイ特有の時間感覚があります。良く言うと、ゆったりとしていますが、悪く言うと何をするにも遅く、ビジネス面では大きなマイナス要因です。例えば、役所への簡単な申請でも認可が下りるまで大きく時間がかかり、その影響で、その後の工程が全て遅れる例は多々あります。当社の場合はビルディングパーミットがなかなか下りず、工期が3か月伸びてしまい、その分の空家賃が発生してしまいました。また、オープン時には40名以上の応募がありましたが、面接に来てくれた方はほんの一握りで、しかも時間通りに来る方はほとんどいませんでした。そのような、日本とは異なる文化・商習慣への適応には苦労しました。

海外進出成功のためのアドバイス

ハワイで事業をする際はもちろん、海外現地に進出するにあたり、現地の文化や商習慣を受け入れる必要があると思います。例えば、役所の手続きや工事に掛かる時間については、どうしようもありませんので、時間や資金繰りに余裕を持ってスタートするしかありません。しかし一方で、自分たちの力で何とかできることもあります。例えば、現地で雇う従業員については、最初は時間通りに出勤しない方ばかりでしたが、なぜ時間を守る必要があるのかという意味をきちんと教え、5分前に来て準備をすることをハウスルールとした結果、今では、店舗スタッフで遅刻する者は一人もいなくなりました。このように、「受け入れざるを得ない点」「現地で浸透させなければいけない点」を見極めて取り組むことが必要だと思います。

今後の展開

ここから3年間はアメリカの各主要都市へ展開します。ニューヨーク、ロサンゼルス、サンフランシスコなど感度の高い街で基幹店を出店し、ブランディングを行った後、各都市へ展開させていきます。アメリカの次は、アジア、ヨーロッパを予定しています。

事業内容については、外食を本軸としながら、ブライダルやリゾートなど、あらゆる事業に弊社の「おもてなし」をインストールしていくつもりです。旅館再生やホテルなどの宿泊ビジネス、更には積極的な海外展開を視野に入れ、“日本のおもてなしを世界に発信するリーディングカンパニー”を目指して参ります。

企業名株式会社 一家ダイニングプロジェクト
業種・業態飲食業
進出国
事業内容

多業種飲食店の経営 / ブライダル事業 / 社内FC制度による独立支援

法人設立年1997年
海外進出時期2014年4月
日本法人所在地東京本社:東京都港区芝公園3-5-12 長谷川グリーンビル3F  千葉本社:千葉県市川市八幡2-5-6 糸信ビル3F
海外所在地

1279 South King Street Honolulu Hawaii 96814

代表者代表取締役・武長 太郎
資本金9,950万円
電話番号047-302-5115
URLhttp://www.ikkadining.co.jp/
依頼したサポート内容

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