海外進出事例集

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「あそびの文化」を通じて世界に夢を与え続ける【株式会社アンビション】

株式会社アンビション

今回は、ソーシャル・WEB・モバイル系ゲームコンテンツの開発・制作・運営を手がける『株式会社アンビション』の海外進出成功事例をご紹介します。

2013年より国内タイトルを海外向けにカルチャライズしたコンテンツ配信をスタート。2015年には初の海外拠点となる子会社をベトナムに設立。2018年には成長著しい現地ゲーム市場へのコンテンツ展開を目的とした現地法人を中国に立ち上げ、いまや海外売り上げ比率が20%を超えるまでになった同社。

中国現地法人である「Ambition China」の代表を務める大和拓矢さんにお話をうかがいました。

2019年2月12日

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今回は、ソーシャル・WEB・モバイル系ゲームコンテンツの開発・制作・運営を手がける『株式会社アンビション』の海外進出成功事例をご紹介します。

2013年より国内タイトルを海外向けにカルチャライズしたコンテンツ配信をスタート。2015年には初の海外拠点となる子会社をベトナムに設立。2018年には成長著しい現地ゲーム市場へのコンテンツ展開を目的とした現地法人を中国に立ち上げ、いまや海外売り上げ比率が20%を超えるまでになった同社。

中国現地法人である「Ambition China」の代表を務める大和拓矢さんにお話をうかがいました。

世界に向けて幅広いジャンルのゲームコンテンツを提供

弊社は、2005年よりモバイルゲームを開発、制作、運営しており、代表作として「ネバーワールド」「萌えCanちぇんじ!」「擬人カレシ」「虹色カノジョ2d」などを発表してまいりました。近年では「文豪ストレイドッグス-迷ヰ犬怪奇譚-」などがあり、美少女系、乙女系、RPG系など、幅広いジャンルに渡ってゲームコンテンツの提供を続けております。

また近年は、私たちの企業理念にもある「遊びの文化」を、日本のみならず世界中の皆様にお伝えすべく、海外への配信にも力を入れており、2013年より累計10タイトルほどを配信および運用。現在では海外売り上げ比率が20%を超えるほどの成長を実現しています。

海外拠点としては、2015年にグラフィック生産を行う子会社「アンビションベトナム」を設立することで生産力を強化。2018年にはさらなるマーケットの拡大を視野に入れた「アンビションチャイナ」を設立いたしました。

2015年にベトナム、2018年に中国にそれぞれ進出

弊社の海外事業の概要としましては、2013年より、自社開発したアプリゲームを海外向けにローカライズした配信を行うことでスタートしました。

2017年からはそれまでの海外配信にてつちかってきたノウハウを活かし、他社様のアプリゲームをお預かりし、弊社がインフラ周りや運営等を行う「海外配信サポート」も開始。配信国の内訳は、おもに英語圏が主力ではありますが、今後は先述の中国法人である「アンビションチャイナ」を拠点とすることで、中国現地への配信にも注力してまいります。

また、2015年に設立した「アンビションベトナム」はグラフィック生産を行う拠点となっており、2DグラフィックやLive2D(※2Dの質感を活かしたシームレスアニメーション技術および映像表現のこと)の外注制作も承っております。

上記を含めた弊社の海外事業の略歴は以下のとおりです。

2013年:「萌えCanちぇんじ!」英語版リリース
2014年:「擬人カレシ」英語版リリース
2015年:「虹色カノジョ2d」英語版リリース
     「アンビションベトナム」設立
2016年:「星彼Days」英語版リリース
2017年:「あっきのじかん」英語版リリース
2018年:「エイリアンのたまご」英語版リリース
     「バンドリ! ガールズバンドパーティ!」英語版リリース
     「アンビションチャイナ」設立

ベトナムと中国の2国に海外進出した理由とは…?

先述のように、弊社は現在ベトナムと中国の2国に海外拠点を配置しています。以下で、それぞれの国へ進出した理由とその背景についてご説明します。

■ベトナム進出の理由と背景
2014年頃から、他のアジア諸国と同様に、ベトナムにおいても、日本のアニメ・漫画が一般レベルにまで浸透し始めるようになりました。その結果、プロ・アマ問わず、日本風のイラストを描ける人材の数も比例して増えていきました。

ただ、現地のコンテンツ業界を見渡してみると、日本風のイラストを取り扱っているコンテンツ企業はベトナムにはまだまだ少なく、そこに進出すれば、弊社の持つリソースを活かしつつ、先行者利益の獲得というメリットも享受できると判断し、進出に至りました。

■中国進出の理由と背景
2017年頃から、中国において、日本のアプリゲームや現地の企業による日本風のアプリゲームが台頭し始めました。そのような状況から、弊社が抱えているコンテンツにも勝算があると考え、中国現地に子会社を設立しました。

他の分野同様に、コンテンツマーケットにおいても中国の成長は著しく、いまやアメリカを凌ぐ世界最大のゲーム市場となっています。さらに、そのような状況の中でも、日系のゲーム企業の数はまだまだ少ないという現実が、この度の進出を後押ししたという背景があります。

進出前の短期間で徹底的な情報収集を実施

進出までに実施した施策として、両国に共通するのは、ベトナム・中国ともに、短期間で徹底的な情報収集を行ったことです。

■ベトナム進出までに実施した施策
現地の同業他社や専門学校への訪問を積極的に行いました。その訪問の中で、現地の人々の生活文化や志向性に加えて、日本のサブカルチャーがどの程度まで浸透しているのかを調査。さらには現地の人材獲得ルートやコンテンツを周知させるPR方法などの調査も、現地子会社の設立初期に集中して実施しております。

■中国進出までに実施した施策
中国に関する情報収集を目的に、日本国内の企業や、既に中国に進出した日系企業、さらには中国との関わりがある弁護士など、設立前より多岐に渡るヒアリングを徹底的に行いました。また中国に精通しているコンサルティング会社と契約をし、複数回にわたる現地視察に加えて、現地の展示会であるゲームイベントなどにも積極的に出展。情報のみならず担当者自らが現地のマーケットを体感する事を重視しました。

進出にあたって苦労したこと

また両国への進出にあたって苦労したこととしましては…

■ベトナム進出で苦労したこと
進出当初は、日本の常識にとらわれてしまい、ベトナム人スタッフとの仕事の向き合い方でうまく行かないことも多くありました。

しかし、いったん日本での仕事に対する常識を捨てることで、ベトナムという国の習慣や常識、さらにはベトナム人ならではの仕事との向き合い方を理解し、それらを受け入れることで、潤滑に業務が進むようになりました。

今では「日本人の仕事に対する考え方を理解したい」と、ベトナム人スタッフの方から歩み寄ってきてくれるようにまでなりました。

■中国進出で苦労したこと
私自身、中国ならではのビジネスの仕組み、および現地の法律には苦労しております…。また、新しい法律制度やそれらが改定されるスピードも速く、公的機関の対応に関しても、その担当者によって度々変わるのが、なかなか難しいところだと実感している次第です。

しかし、日本と比べて、ビジネスの展開スピードも非常に速いこともあり、うまくタイミングを図って事業を現地化し、上手くアジャストできた場合は、非常に魅力的な市場となっていくことも、まさに中国ならではの醍醐味だと思っています。

アメリカを抜き世界最大のマーケットに成長した中国ゲーム市場

グローバルな視点でゲーム市場を俯瞰してみますと、やはり中国、アメリカ、日本が群を抜いています。

それら3国間においては、一昨年より中国がアメリカを抜き、世界最大の市場となりました。特にスマートフォン向けゲームの成長が著しく、2021年にはゲーム市場の売上の約半数がスマートフォン向けゲームになると予測されています。

また弊社は、2013年より英語圏を中心に海外展開しており、着実に売上を伸ばしておりますが、今後は日本コンテンツをより多くの世界の皆様に届けられるよう、中国への配信にさらに注力していく所存です。

海外事業成功のポイントとは…?

僭越ながら、弊社の海外事業成功のポイントを自己分析いたしますと、下記の2点がございます。

1点目は、企画、開発、運営、サポート、マーケティングの全てを自社で実施しているので、仮説検証が早く、ノウハウが溜まりやすい体制であること。

2点目は、コンテンツに「日本らしさ」を残すのを明確に意識していること。私たちがターゲットとしているのは、各国で一定数存在する「日本が好きなユーザー」です。そのため、過度のカルチャライズは日本らしさを失うことに繋がり、それらのユーザーに刺さらなくなってしまいます。

いわばローカライズの絶妙なバランス感覚こそが、大きな成功ポイントのひとつとなっていると考えています。

成長著しい新興国ならではの情報速度の速さ

海外展開において大切なことは、当たり前ではありますが、進出先の文化や風習、税制、法律、物価や地価などをしっかりと調べることです。

また海外視察など、実際の進出前に必ず現地を訪れることも重要です。そしてさらに大切なのは、それらの施策に時間をかけすぎないこと。なぜなら、これは中国やベトナムだからかもしれませんが、両国ともに情報のアップデート速度が目まぐるしく、ほんの少しのタイムラグで、ネットやコンサルティング会社から仕入れた情報との乖離が生まれてしまうケースが多々あります。

したがって、あるひとつの情報だけに固執せず、柔軟に対応していくことが非常に大切だと思っています。

「あそびの文化」を通じて世界中の生活者に夢を与え続ける

今後の事業展開としましては、既に進出しているエリアでは、より多くのユーザーにコンテンツを届けられる体制作りを強化していく予定です。また未進出エリアでは、パートナーシップなどを通じて、現地の地盤作りを実施していきます。

この度の海外事業を通じて、世界には、日本でまだ配信されていない数多くの優良コンテンツが存在していることが分かりました。それらのまだ日本に伝わっていない海外コンテンツを紹介するような新しい挑戦にも取り組みたいと思っています。

弊社は創業当初より「あそびの文化を通じ多くの人に夢を与え続ける」という理念を掲げています。いまや全世界の携帯電話普及率は100%を超え、世界の人々にコンテンツを届ける地盤はすでにできていると考えています。

それを実現するためにも海外事業をさらに強化し、確実に結果を残し続けることで、先述の弊社の理念に少しでも近づけるよう、今後も海外での事業に邁進していきたいと思っています。

企業名株式会社アンビション
業種・業態エンタテイメント
進出国
事業内容

ソーシャル・WEB・モバイル系ゲームコンテンツの開発・制作・運営

法人設立年2005年4月
海外進出時期2015年10月:ベトナム 、2018年7月:中国
日本法人所在地東京都豊島区東池袋3-4-3 NBF池袋イーストビル
海外所在地

■Ambition Vietnam(ベトナム)
4th floor, ACM building, 96 Cao Thang St., Ward 4, Dist.3, HCMC, Vietnam

■Ambition China(中国)
No. 18 39C, Cao Xi North Road, Xuhui District, Shanghai
Shanghai industrial building

代表者代表取締役:福島公則
資本金4,000万円
電話番号03-5960-0575
URLhttp://www.ambition.ne.jp
依頼したサポート内容

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