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- 商談獲得から交渉 ・ 決済 ・ 貿易まで「おまかせ」 株式会社STANDAGE
海外進出支援企業のSpecial Interview
「おまかせ貿易」で海外進出の門戸を開く
大手商社出身の足立彰紀氏(現・代表取締役CEO)と大森健太氏(現・取締役副社長COO)により設立されたスタンデージは、ブロックチェーン技術を基盤とした貿易決済システムを開発し、特に金融インフラが十分に整備されていない新興国と日本企業との取引をサポートすることから事業をスタートしました。
「創業まもない頃、あるお客様から『そもそも当社には貿易の知識を持つ人材はいないし、大手商社はこんな小さな会社など相手にしてくれない。いくら決済システムが優れていても、それだけで貿易を始められるわけではありません』という率直なご意見を頂きました。事実、海外ビジネスで成果を生むまでには、外国語による自社製品のPRから商談、契約締結、販売、決済までの様々なことを自社で行わなければならず、それを相談できる相手さえいない中小企業は少なくありません」と足立氏は説明します。
そこで同社では、貿易の経験や、海外ビジネスを推進するための体制、ノウハウを有しない中小企業でも、自社の商品を安心して国外で販売できるパッケージ支援サービス「おまかせ貿易」を開発しました。「常にお客様と伴走し、ビジネスを成功に導くためのあらゆる支援をご提供します。当社が営業マンとなり、お客様に代わって海外の展示会への出展や商談を行います。さらに、外国語による営業ツールの制作・配布、海外のECサイトへの出品、クラウドファンディングの利用、さらにはSNSのアカウント取得・運用、電話営業、メール、リモートでの商談まで、お客様の商品に一番合ったアプローチ方法を選定して実行。お客様と一緒に『貿易を作る』ことを行います」(足立氏)。
そのためスタンデージでは、IT系と貿易商社出身のスタッフを社内に充実させ、自らが海外ビジネスの最前線で取引が行える体制を整えています。海外の拠点についても「アメリカ、ヨーロッパ、アジア、中近東、アフリカに自社拠点を構えているほか、共に海外展開を支援していただける協力パートナー体制を各地に整えています」と足立氏は話します。
「社外の商社部門」としてノウハウの蓄積にも貢献
大森氏によると、「貿易支援を行う業者として、主にコンサルティング会社と商社が挙げられます。前者は『戦略を作って商談の設定やECサイトの構築までは行いますが、その先は自社でやってください』というスタンス。後者はお客様の商品を購入して海外で販売までしてくれますが、大手商社は基本的に大企業しか相手にしません。
地域の商社なら中小企業の商品を扱ってくれるかもしれませんが、そこで蓄積した情報やノウハウは全て彼らのものとなり、お客様には共有されないのが普通です。当社はその間をとり、戦略作りから商談や実際の販売までを行い、取引上の情報もすべてガラス張りにてお客様に開示しています」。
実際、コンサルティング会社や商社に事業を託して思うような結果を得られなかった企業を改めて支援し、成功に至ったケースも少なくないそうです。「当社はお客様にとって『社外の商社部門』という位置づけになります。ですから、貿易を経験して得たノウハウもどんどんお客様側に蓄積されていきます」と大森氏は話します。
あらゆる商品に貿易チャンスを拓く、STANDAGE のサポート事例
うなぎ
うなぎのかば焼きやタレを扱う老舗が、スタンデージとシンガポールの料理教室が共同開催するイベントに出展。うなぎに合うメニューも
提案したところ大好評で、日本国内より高い価格で抜群の売れ行きを示す。手応えをつかみ、シンガポールでの出店準備を開始。
チーズケーキ
冷凍チーズケーキを海外展開にしたいが、販路拡大に要する時間や人材、商談や冷凍物流などのノウハウがない菓子メーカーが、スタンデージの手配によりシンガポール
での展示会に出展。現地有名カフェとの引き合いを獲得し、毎月の定期購入の確約に至った。
非常食
日本では廃棄せざるを得ない消費期限が迫った非常食を、ナイジェリアのフードバンクに提供。それを皮切りに、非常食文化が根付いておらず海外販路開拓が困難だった国でも「食べたい時に食
べられるレトルト食品」としての販促方法の確立に成功。
半纏(はんてん)
日本の伝統的な衣料品である半纏を海外にも普及させることを目指すメーカーに対して、まずは背景にある日本の文化を伝えることをスタンデージが提案。クラウドファンディングを利用してストーリーやブランドイメージを丁寧に訴求し、数百万円の売り上げを計上。その後も海外事業を拡大中。
教育玩具
精巧な足の動きを特長とする恐竜の模型などを製造する教育玩具メーカーが、アフリカ諸国への販路拡大にあたり、信頼できる現地の取引先探しにスタンデージが尽力。サウジアラビアでの展示会出展や商談代行の結果、同国の教育省が教材の正式導入を決定。
医療機器
東アフリカに拠点を有する中古医療機器の販売会社が、西アフリカへのフォローに着手。スタンデージの手引きにより、ナイジェリア政府から約8,000万円分の中古MRI・CT・マンモグラフィーを受注し、それを機にアフリカ各国から複数の引き合いを入手。
顧客企業の約半数が年商 3 億円未満の企業
スタンデージの「おまかせ貿易」は、販路の開拓から、交渉・契約、決済、物流までを顧客企業に代わって行うため、その名の通りあらゆる業務を丸投げできることが魅力。だから、まったく貿易が未経験の中小企業でも容易に海外ビジネスを始めることができます。
現在、スタンデージは200数十社と契約を結んでいますが、年商が10億円を超える大企業は全体の15%ほどに過ぎません。「もともと当社には『中小企業の貿易を後押ししたい』という想いがあります。大企業が莫大な費用をかけてブランディングを行う商品と違い、ブランドが確立されていない中小企業の商品をどのようにして海外で販売していくのか。
地道な手法かもしれませんが、着実に成果が生まれるように進めていくのが当社のミッションと捉えています。自社で業務を行うよりも優れたコストパフォーマンスで実行できることが、何よりお客様のメリットです」と大森氏は説明します。
「インバウンドが押し寄せて来ていることからも分かるように、日本という国が海外の人々にとってものすごく魅力的なわけです。そこを狙っていかないのはもったいないと言えます。同じ商品が、国によっては日本での販売価格の数倍で売れることさえありますから」(大森氏)。
海外ビジネス EXPO での未知の分野との出会いが成功を導く
「Digima~出島~のオンラインサービスを利用している中、近年は海外ビジネスEXPOの東京会場と大阪会場にブースを出展しています。セミナーにも登壇させていただいていますが、とにかくものすごい集客力を感じています」と話す足立氏。来場者アンケートでは、同社のセミナーが全体の中でトップの人気を誇っています。「当社のサービスをセミナーでご理解いただいた方々が、ブースにも足を運んでくださるというシナジー効果を得ています。
もちろん大切なビジネスのお話ですから、その場で即決することはあまりありません。その企業様の商品や販売戦略、課題などを伺ったうえで、次の機会にラフプランをお持ちしてお話を段階的に進めていくケースが多いです」と足立氏。海外ビジネスEXPOは同社にとって商談の機会ではありますが、「何より広告宣伝や電話営業だけではお会いすることのない分野の企業様と出会える場です。今年もたくさんの企業様と出会い、海外ビジネスを成功に導くようお手伝いできることを楽しみにしています」と語ります。
海外展開を目指す「熱い想い」をお聞かせください
当社はお客様に投げていただいたプランや課題に対し全力で取り組みますが、一つだけ丸投げから外していただきたいものがあります。それは大切な商品をグローバルに展開したいという「想い」です。
私たちは、お客様と熱い想いを共有しながら、ビジネスの成功へ向かって伴走するパートナーでありたいと願っています。