商習慣 2013年03月31日
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インドネシア進出問答集⑲「現地サプライヤ選びは、日本式の尺度で評価しないこと」
本連載では、インドネシア進出に関する問答集という形で、実際によくいただくご質問をご紹介しています。今回は、サプライチェーンに関する問答集となっております。現地のサプライヤと取引する際に注意することは何でしょうか。
【社長】:コストダウンや納期短縮を実現するために、現地調達を進めなくてはいけないと思うが、ローカルサプライヤと取引する際に注意することは何でしょうか?
【小野】:インドネシアで製造業を営んでいる地場産業のほとんどは、華僑と呼ばれる中国系インドネシア人がオーナーであることをまず理解しておいて下さい。その数はたくさんありますが、外国資本のメーカーから長年鍛えられた経験のあるところでも、品質、納期、コストについての意識は、日本のサプライヤに較べて甘いという前提で付き合う必要があります。
【社長】:今まで日本企業と取引の無いところに仕事を依頼するに当たり、特に注意することは何でしょうか?
【小野】:とにかく日本企業と取引があることを看板に掲げたい一心で、品質、納期、コストの全てについて、安請け合いをする傾向にあることです。それを真に受けてしまうと、多少の不良品は目をつむって使ってくれないかと泣きついてきたり、不良品の手直しに予想以上の時間がかかったので納期が遅れたと言い訳をしたり、材料の歩留まりが悪く赤字になるので価格を上げて欲しいと言ってきたりします。
【社長】:事前にその辺りを見極めるための上手い方法はありませんか?
【小野】:難しい問題ですが、日本式の尺度で評価しないことだと思います。設備が最新式である、工場が綺麗である、改善活動のポスターが工場内に貼られている、福利厚生施設が充実している、等々の形だけ日本式を導入している姿に騙されないことです。それよりも、常に工場の中に目を光らせている人物がいるのか、その人物はどんなことを考えているのかを、直接会話して尋ねてみることです。経験上、オーナーの身内または親友で、もの作りに入れ込んでいる華僑の人が担当しているところは、時間さえかければ期待に応えてくれると思います。
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