商習慣 2013年04月21日
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インドネシア進出問答集㉒「なぜこれをすべきなのか(Why)を徹底的に理解させることが大切」
本連載では、インドネシア進出に関する問答集という形で、実際によくいただくご質問をご紹介しています。今回は、人材資源に関する問答集となっております。社内で人材育成を行う時の秘訣は何でしょうか?
【社長】:うちは日本においても人材が限られるので、インドネシアの工場は社長として日本人を一人常駐させるだけで、あとは全てインドネシア人で回るようにしたい。これは実現可能でしょうか?
【小野】:可能です。日本の本社も一緒になって、そうなるような人材の育成に努力すれば良いのです。秘訣は全ての従業員に対して、何をすべきか(What)、如何にすべきか(How to)だけでなく、なぜこれをすべきなのか(Why)を徹底的に理解させることです。
【社長】:それは生産現場で働く作業者に対しても同じでしょうか?
【小野】:もちろんです。彼らの多くが生まれ育った環境と、日本企業の環境とでは、我々が考えも及ばないような違いがあります。それに対して、やみくもに規律や作業方法を教え込むのでは、彼らにとっては教えられるのではなく、押し付けられたと感じると思います。特に高校卒業の場合は、企業の仕組みとか目的、そしてその中での自分の役割を理解している人はほとんどいないと考えても良いと思います。例えば5Sを実践する場合でも、それをすることで自分にどんなメリットがあるのかを、繰り返し、根気良く説いて上げることが大事なのです。そのうち彼らの中から、キラリと光る人材が頭角を現すはずです。
【社長】:なんか嬉しくなって来ましたが、例えば大学を卒業したマネージャークラスの人達に対しても同じようにすべきでしょうか?
【小野】:教育の内容は違ってもWhatやHow toだけでなく、Whyを重視することは全く同じです。一番避けたいことは、WhatやHow toだけを厳しくするあまり、結果として日本人の指示待ちとなり、自分で考えなくなってしまうことです。そうなると、日本人からは『言われたことしかやらない』と思われてしまうといった、お互いに不幸な関係になってしまいます。Whyを教えることで自分でも判断出来て、応用する力も付いて来るのです。
【社長】:一生懸命育成しても、突然他社に引き抜かれる心配はありますよね?
【小野】:給料が極端に安いとその心配はありますが、本当に自分のことを大事にしてくれている会社に対しては、日本人以上に愛着を抱いているはずですよ。
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