Digima〜出島〜

海外進出に関わる、あらゆる情報が揃う「海外ビジネス支援プラットフォーム」

海外進出に関わる、あらゆる情報が揃う「海外ビジネス支援プラットフォーム」

海外ビジネスサポート企業はこちら

検索フィルター

検索コンテンツを選ぶ

検索したいコンテンツを選んでください

国を選ぶ

検索したい国を選んでください

業種を選ぶ

検索したい業種を選んでください

課題を選ぶ

検索したい課題を選んでください

海外ビジネス コラム

商習慣 2013年02月21日

  • share

インドネシア進出問答集⑭「投資条件編-2 インドネシア進出の本来の目的は何か」

小野 耕司(インドネシアビジネスサポート)

本連載では、インドネシア進出に関する問答集という形で、実際によくいただくご質問をご紹介しています。今回は、インドネシア市場に関する問答集となっております。そもそもインドネシア進出の本来の目的を考えてみましょう。

 

【社長】:取引先のメーカーからインドネシアに進出して欲しいと言われています。日本国内での仕事量は徐々に減って来ており、会社として生き残るにはインドネシアへの進出が大きな機会であることはわかっています。しかし、進出するために借金を増やして、日本での事業を縮小することに何のメリットがあるのか、納得のいく解答が見つけられずに悩んでいます。

【小野】:複雑な考えを整理するために、会社が価値を生み出す要素を、四つのプロセスに分けてみましょう。

1番目は調達・生産・納入からなるサプライチェーンプロセスです。

2番目は企画・開発・設計からなるデザインチェーンプロセス。

3番目は交渉・販売・契約からなるカスタマーチェーンプロセス。

4番目は分析・創造・発信からなるマーケティングチェーンプロセスです。

貴社ではこれまで、どのプロセスで価値を作り出し、利益を生み出して来たのですか?

 

【社長】:我が社は他所ではできない独自の加工技術を開発して仕事を得て来たので、2番目のデザインチェーンプロセスが価値を生み出す核になっていたと言えます。

【小野】:インドネシア進出に伴って、サプライチェーンプロセスとカスタマーチェーンプロセスは現地にシフトしますが、デザインチェーンプロセスとマーケティングチェーンプロセスは日本に残せるのではありませんか。

 

【社長】:なるほど。しかし、売上がインドネシアにシフトしてしまい、日本ではお金がなくて何も出来ない状態になってしまうのではないのだろうか?

【小野】:そうとも限りません。インドネシアは海外送金が原則自由な国ですから、配当やロイヤリティー、技術援助料といった形で、利益を本社に還元して、進出投資の回収に当てるだけでなく、デザインチェーンプロセスやマーケティングチェーンプロセスの活動資金に回すことで、商品の競争力をさらに高めることができるのではありませんか?

 

【社長】:しかし、商品の競争力を高めたとして、インドネシアには買ってくれるところがたくさんあるのでしょうか?

【小野】:インドネシア国内での新たな取引先候補はこれからますます多くなると思われます(http://www.digima-japan.com/column/according/741.htmlを参照)。それに対応するために、カスタマーチェーンプロセスを現地にて強化すれば良いのです。

 

【社長】:日本の得意分野である『ものづくり』が海外に流出してしまい、産業の空洞化に拍車をかけているようで、なにか後ろめたい気がしないでもないのですが……。

【小野】:生産現場における狭義の『ものづくり』という観点では確かにそうかもしれません。しかし、『ものづくり』上記の四つのプロセスで観た場合は、必ずしも空洞化ばかりではなく、国際分業という形で『ものづくり』そのものが生き残り、そしてさらに大きくなる可能性を持つと考えて良いのではないでしょうか。

それに、インドネシアは色々な面で日本とは補完関係を築ける国であると思います。進出することによってインドネシア経済の発展に寄与し、雇用機会を生み出し、そして人材の育成に貢献している事実は、日本の本社にとっても価値あるものを、必ずやもたらしてくれるものと信じられるはずです。

 

このコラムの著者

小野 耕司

小野 耕司

(インドネシアビジネスサポート)

コラムニスト詳細

ジャンル別 新着コラム