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海外ビジネス コラム

時事 2013年03月28日

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【特集 各国の治安状況】ミャンマーの治安は東京よりもいい!? モラルの高いミャンマー人たち

池田 尚功(株式会社セールスモンスター)

2013年も、早いもので3ヶ月が経過しました。昨年に続き、今年もミャンマーを訪問される方は、増加傾向のようです。お陰様で、弊社へのご相談や、お問い合わせも増えてきております。ありがとうございます。

 

ミャンマーの治安は東京よりも良い?

さて今回は、ミャンマーについて必ず問われる質問「現地の治安は?」に関して触れてみます。現地にこれから渡航されるご予定の企業様および個人の方からも、ミャンマーに興味をお持ちでまだ現地渡航予定の無い方からも、ほぼ全員から質問を受けます。

皆さまは、「ミャンマーの治安」について、どのようなイメージでしょうか。

最近でこそ、各メディアや、渡航者・関係者の増加で、現地に関する情報も普及し、ネガティブ情報先行の傾向は払拭されつつあるとは感じます。しかし、欧米を中心とした経済制裁下での前軍事政権時代の情報や、約5年半前の2007年9月27日に、軍事政権に対する僧侶・市民の反政府デモの取材中に、不幸にも犠牲者となられた日本人ジャーナリストの方に関する報道など、未だに、治安という観点では、決して良い印象をお持ちでない方も少なくないでしょう。

あくまで、個人的な見解ではありますが、私は「東京よりも治安は良いと思いますし、実感しています」と、現地治安状況を聞かれるたびに、答えさせて頂いております。もちろん、我が日本の首都でもある東京を、悪く言うつもりではないです。

ミャンマーでは、ほぼ置き引きはないですし、必ずとは言いきれませんが、タクシーなどに忘れた携帯や、鞄などの遺失物も、大体そのまま手元に戻ってきます。

また、日本で車の運転中や乗車中に、クラクション(警音器)を鳴らしたが為、当事者同士や近隣住民や関係者との喧嘩、車両などの破損、場合により命を落とす事件にまで至る場合があるのは事実です。ところが、ミャンマーでは、今までその様な状況は、発生していないようです。

 

ミャンマーで目撃した「珍しい」喧嘩

もちろん、喧嘩などが全く無いわけではありません。先日、ヤンゴンの渋滞のひどい交差点で、運転手同士の「いざござ」に遭遇しました(我々の車の、直前の車同士での出来事で、我々もその渋滞の影響をうけていたので、日本であれば、自分自身もクラクションを鳴らすなり、文句を言いたくなる位のレベルでした)。

運転手が降り、相手の車を蹴ったり、相当な言い合いをしていました。どう見ても、蹴られた方の車が、無理やりな左折をしたため、道を完全にふさいでしまい、混雑する時間帯でしたので、いつも以上の大渋滞を引き起こしてしまったのです。

補足しますが「左折で渋滞?」と思われた方もいるとは思います。現地は右側通行です。また、日本の中古車も相当増えていますので、「右ハンドル+右側通行」となり、「ミャンマーでの左折」が、日本でいう所の「左ハンドル+右折時」と同じような状況です。

ちなみに、道をふさいでいた側の運転手は、車から降りることが出来ない状況でしたので、殴り合いの喧嘩にはなりませんでしたが、その「いざござ」の光景を、共に目の当たりにした現地スタッフや関係者も、「あれは、喧嘩になって当たり前。ただ、とても珍しい。あそこまで人前で怒りをあらわにするのは」と言っていました。私も同感です。治安というよりも、モラル(moral)に起因するかもしれません。

 

外国人自身による治安悪化の可能性も危惧している

さて、日本の場合はどうでしょうか? 傷害や殺人、窃盗、詐欺などの犯罪や自殺などのニュースを見聞きしない日は、とても稀な気がします。

もちろん、現地・ミャンマーでもその様な犯罪や事件は発生しています。しかし、稀に見聞きする程度で、日本の頻度と逆の状態とも言えるかと。もちろん、報道手段や規制の関係も少しはあるかもしれませんが、それだけの理由ではないでしょう。

確かに、ミャンマーの各地方や国境沿いなどで、日本でも報道されている紛争が、頻発しているのも事実です。全てが全て、治安が良いとは言えません。足を踏み入れれば、命の保証が無いエリアも未だにあります。

ちなみに、治安とは、「国家・社会に異変がなく、秩序が保たれていること」「秩序とは、物事の正しい順序・道筋。社会などが整った状態にあるための条理」と、某国語辞典に記載があります。

尺度はいろいろあるとは思いますが、ミャンマーはある意味、前軍事政権時代も含めた昔から、例えミャンマー流だとしてでも、それなりに治安は維持されているとも言える気もします。各種デモや、様々な紛争はありますが、なによりも「功徳」の心は、今に始まったわけでもなく、ミャンマーの方々の心に根差していますので、基本的に穏やかですし、現地を訪問すれば、我々も心から穏やかになれます。良い意味で、国家・社会に異変が生じ続けていますから、「治安」という言葉の定義からすると、ミャンマーに対して、「治安」という連想ですら、不適切なのかも知れません。

尚、最近は、更に様々な国の方々が、ミャンマーを注視し、現地入りされているせいか、現地の方々も、多くの国の方と接する機会が増え、善悪を問わず情報を得たり、体験をしています。そういった意味で、外国人による治安悪化も懸念事項です(実際に、現地で、ミャンマーの方々が「功徳」に反するため決しておこさないような事件を、外国の方がおこしています)。

ミャンマーの方々も染まる訳ではないでしょうが、「治安維持」が今まで以上に重要視されることになるでしょうし、一つの起因材料として治安が悪化するかもしれない、とミャンマーの方々自身が心配しているかもしれません。

是非、現地に興味がおありの方は、現地で自ら、ミャンマーの治安について実感してください。くれぐれも、ミャンマーの方々に愛想をつかれないように、「穏やかな心」と「言動」と共に。ますます、ミャンマーへの興味が増すでしょうし、好きになって頂けると思います。

 

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