法律・制度 2013年07月10日
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アメリカ進出成功のための特許法講座 その2「公表された発明であっても特許され得る?no1」
これまでグレースピリオドは102条(b)に規定されていましたが、改正法ではグレースピリオドの内容が大きく変更され、新規性喪失に対する例外として102条(b)(1)に規定されています。
具体的には、新規性の規定(102条(a)(1))によれば先行技術に該当するものであっても、クレームされた発明の有効出願日前1年(グレースピリオド)以内に以下の条件の下で発表されたものについては先行技術として取り扱われません。
1.当該発表が、発明者又は共同発明者(以下、発明者等)によりなされた場合
2.発明者等から直接的又は間接的に当該発表された主題を知得した第三者(以下、発明知得者)によりなされた場合
3.当該発表された主題が、当該発表の前に、発明者等によって、あるいは発明知得者から直接的又は間接的に当該発表された主題を知得した第三者によって公表されていた場合
従来法102条(b)におけるグレースピリオドの起算日は米国における最先の出願日でしたが、改正法ではグレースピリオドの起算日が「有効出願日」となっています。したがって、日本出願に基づく優先権を主張して米国出願をする日本の出願人からすれば、これまで認められてきた「米国出願日前1年以内」のグレースピリオドから「日本出願前1年以内」まで、より広く認められることになります(ただし、日本出願については、特許法第30条の規定があるので、新規性喪失行為が「日本出願前6ヶ月以内」になされていなければ日本出願について新規性が否定されることになります)。
従来法102条(b)では、グレースピリオド中の行為の主体が発明者であるか他人であるかを問題としていませんでしたが、後に述べるように、改正法102条(b)(1)の適用を受けるためには、少なくとも発明者等又は発明知得者による発表が存在しなければならないので注意が必要です。
なお、審査ガイドラインでは、102条(b)(1)における「発表(disclosure)」という用語は、102条(a)に列挙された、刊行物への記載、公用、販売、米国特許や米国特許出願公開公報、国際公開された国際出願における記載などを含む包括的な表現であるとされています。
次回以降のコラムでは、上記1~3の場合についてより詳しく説明いたします。
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