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海外ビジネス コラム

市場動向 2015年09月29日

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アセアンの中心地・タイにおける和食ビジネス その2

水野 聡子(Infinitie Wings BP(Thailand)Co., Ltd)

もともと親日国であるタイには以前から和食店はいくつかあった。ただほとんどが在住日本人向けの価格高め設定店、またはローカル向けのいわゆる「なんちゃって和食店」の二極化した状態であった。

しかし、10年ほど前からの政府間経済協定によって、関税をはじめとする様々な規制緩和が行われた。そして、2013年からの短期訪日ビザ免除により日本を訪れ和食の良い点に接し、タイ人も「本物の和食を食べたい、和食の良い点を日常生活に取り入れたい」という要望が高まったこと、また、日本企業としては国内の少子高齢化で海外へ市場を求めようとする潮流、このほか複数の要因を背景にして現在バンコクには様々な工夫を凝らした多様な和食店が豊富にできている。そこで、そうした事例をいくつか取り上げ、バンコクにおける飲食ビジネスおよび食材ビジネスのチャンスを探りたい。

和食店経営者に聞く、飲食ビジネスおよび食材ビジネスのチャンス

多様な和食店があるということは、言ってみれば競合が非常に多いともいえる。和食店経営者は常に「いつ使ってもらう、誰に使ってもらう、何を楽しんでもらう、どういう風に維持運営する」を意識している。2015年現在の人気店を訪問し長年の人気の秘訣、進出する際に考えておきたいこと、そして店舗運営上重要事項の一つである食材の調達についても聞いてみた。

第2回は大阪料理「菜の花」

「季節を表現する日本からの輸入食材とタイ産でレベルの十分高い食材を合わせてお客様に支持され、当社も利となるものを提供していきたい」という井崎オーナー。在住日本人からも現地の人からも支持を得て毎日忙しく回転する店舗は海外のみならず飲食業として理想形だ。人気の秘訣を伺ってみた。

バンコクで和食ビジネス17年の井崎氏。どのようにして人気店に育てあげたのか

現在の客層について

平日夜8割は日本人ビジネスマン需要、土日夜8割はタイ人需要、ランチは半々。情勢不安などがあると日本人の客足は控えめとなるが、タイ人のお客さんは特に変化はない。現在108席で個室が9室。平日の個室は日本人ビジネスマンの会食予約で満席になることが多い。

提供する食材や飲料について

季節のメニューは、やはり輸入食材がメインとなる。期間限定となるが人気が高い。常夏に住んでいると日常生活では季節感がない。だからこそ食事だけでも季節を求めているようだ。こういう食材を現地で手に入る食材と合わせてどのようにおいしく、そして利益が出るように提供するかを課題としている。

飲料では現地生産している地場ビールと日系ビールや、輸入物の日系ブランドのビールを採用している。日本人はまず最初はビールを飲み、その後焼酎へ移ることが多い。タイ人もビールや日本酒を注文する。日本酒はタイ人の注文のほうが多い。ただしタイ人の食文化として水やフルーツジュースで食事をする人が多いのも事実だ。

人気のメニューや飲み物は?

鍋物は日本人タイ人ともに人気。定番鍋メニューもあれば季節ものの鍋もありどちらも人気だ。鍋はビールでも日本酒でもついつい進む、という感じで消費がある。近頃は日本に行って日本の「食事と酒類が密接に関係する食文化」に触れたタイ人はこだわりでひれ酒を頼んだりすることもある。

他には日本人とタイ人に関わらず、やはり刺身やお寿司が人気。こちらも酒類を伴うことが多い。当社に限らず飲食業は酒類がどれだけ出るかが利益獲得の重要ポイントなのでお酒が進みやすいメニューは何か、どういうメニューに合うお酒を採用するか、も考え所だと思う。

アセアンへの和食浸透をどう見ているか

当地で17年和食店を経営しているが、この数年で急速に浸透してきているように思う。タイの場合関税などの緩和の影響もあり、食材や酒類の輸入兼卸会社のみならず、日本の大手飲料メーカーが当地で生産し販売するいわゆる「地産池消」ということも、ぐっと増えてきた。和食ビジネスがアセアン全体で日系の会社や日本産食材を応援しつつ自分たちの利になるようなWIN-WINの関係ができたらいいと思う。

-新規食材や酒類などの採用について

当社は創業当時から和食の独自性でもある見た目の美しさ、器へのこだわり、酒類との合致、等々を追及しているが、特に食材の持ち味を生かしつつお客さんの需要に細かく対処することを一貫して行っている。新規での食材や酒類ほかに関しては、新規提案が当社が貫いている姿勢を更に明確にできるものでありながら利潤も生みだすものであれば積極的に採用する。材料販売だけでなく提案営業という形で豊かな会話からより良いものを創っていけるのであればなお望ましい。

アセアンで和食ビジネスを検討している人へのメッセージ

知っているのはタイだけだが、国を限らず従業員とこまめにやり取りすること、に尽きるだろう。日本人客も多いし今やタイ人客も多くが日本へ行き、日本のサービスを体験したことがあるのでホールのサービスにも調理場での指導にも気を遣う。何も言わず何も指導せず日本人風のサービスや振る舞いを期待しても無理というもの。指導しつつ期待せず、教えつつ失望せず、言うことは言いながらも忍耐強くあれ、というところか。和食ビジネスに限らず海外で現地スタッフの協力のもとの会社経営とはを今も模索している。

調理場とホールで従業員は現在30名ほど。スタッフの指導には余念がない

このコラムの著者

水野 聡子

水野 聡子

(Infinitie Wings BP(Thailand)Co., Ltd)

<タイ産業調査の専門家>

IWBPではタイの一般市場調査および産業調査、コーディネート業務、メディア対応業務などを承っております。

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