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海外ビジネス コラム

市場動向 2012年12月03日

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『円高が峠を越す今、考えること。』

堀 明則(Hopewill Group)

衆議院は解散し、総選挙です。
大方の予想では自民党の勝利、そして民主党と第三局がいかに議席を獲得するか、このようなところですね。
しかし空中分解した連携は多くの新党を生み出しました。
どうも見ていると、これは国を考えてと言うよりも、議員生命を考えてとも取られかねない動きが目立ちます。
日本の未来に指針を導き出し、これを強く推進してゆくための国政が、本当に情けない状態ですね。
特に日本の若い人たちが、今の国政の状況にシラケたり、あきらめムードが蔓延したり、こういうことが少しでも食い止められるように願うところです。

自民党の安部総裁は、日銀に輪転機を回そうとけしかけます。
とにかく国債を買い上げて、紙幣を市中にばらまけと。
インフレターゲットを決めるのはよいことですが、旧態の対処では局所へのバラマキになりかねませんね。
また安部総裁は声高に訴えます。
「日本の株価を持ち上げる!」
東証と大証が合併し、日本証券取引所が立ち上がる日本。
そのようなときに株価低迷とはいただけませんが、
・サムスンの時価総額は1857億ドル
・パナソニック229億ドル
・ソニー211億ドル
・シャープ66億ドル

日本の電機メーカー3社が束になってかかっても、サムスンには到底かないません。
このような状況でいかに株価を本質的に押し上げる好条件を見出すか。
マネーゲームではない、日本経済の実業の部分で本当の強さを取り戻さねば、何事も一過性のお祭り騒ぎになってしまいますね。

サムスンはいち早く新興国に乗り出し、そしてブランドを作り上げ今では世界のサムスンになり上がりました。
韓国勢が粛々と世界戦略を進める中、日本企業は日本市場の小さなパイの取り合いでガラパゴス化し、そしてレッドオーシャンは企業に疲弊をもたらしました。

為替チャート的には、
2011年10月31日の75.35円で円高は終了し10年単位の長期の円安となるという予測もあります。
短期的には2007年6月22日の124.16円がターゲットになると・・・。
ファンダメンタルズでの転換点とも思える出来事もありました。
それは今年9月の経常収支の赤字転落です。
これまでも貿易収支は赤字でしたが、「所得収支」
つまり外国から得た利子・配当や賃金などの投資収益が赤字になったということです。
経常赤字になったのは第二次オイルショックの1981年以31年振りとのことです。
貿易収支赤字幅も上期ベースで1985年以来で最大と報じられています。

これまでも「円高」がもたらす日本経済へのダメージとともに、「円高」がもたらす優位性についてお伝えしてきました。
輸出企業にとって円高は痛手となるわけですが、輸入企業にとっては優位性があります。
何よりも、円を資産・資金の中軸とする日本企業や日本の個人にとっては、海外にうってでるまたとない好機というわけです。
1ドル=80円で日本から外に向かい挑戦するのと、100円で挑戦するのとでは、すでに20%の差があるわけです。
これを含み益とみてもよいわけですし、あるいはリスク低減効果とみてもよいわけです。

少子高齢化、内需減少、経常収支赤字化にともなう円実需低下、国の借金の肥大化、増税経済、これらのどれをとっても、いったん円が安めに走り始めると、そう簡単には円高に向かう要素は見出せません。

しかし世はグローバル化です。

日本の中だけで事業を、あるいは資産管理を完結させる時代は忘却のかなたに過ぎ去ろうとしています。
グローバル化に立ち向かってゆくためには、まずもって日本企業からアジア企業に、日本人としてアジア人に変化をしてゆかねばなりません。
この変化を有効に優位に進めてくれる追い風の一つが「円高」であるわけです。

円高が峠を越す今、考えることとは。
動くリスクとおなじ程度に、動かざるリスクを考えることではないでしょうか。

日本が、そして日本人が、国際化を優位に進めてゆくための好条件、そういつまでも目の前にはぶら下がっていてはくれないかもしれません。

皆さんはいかが思われますか?

このコラムの著者

堀 明則

堀 明則ほり あきのり

(Hopewill Group)

幅広い事業範囲を武器に

日本企業、個人に対し、香港・シンガポールをハブとした、『日本からア

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