海外進出企業インタビュー

掲載日:2021年7月8日

海外進出企業×支援企業

世界に本物の抹茶を届けたい! 茶道の先生がゼロからはじめた世界進出。コト消費でも販路拡大を仕掛ける株式会社ビーエイチプラス

島津孝枝(茶名:宗孝)

プロフィール

株式会社ビーエイチプラス

代表取締役/茶道裏千家助教授

島津孝枝(茶名:宗孝)

北海道出身。茶道歴30年。1996年 中国天津商業大学裏千家茶道短期大学へ留学。その後、日本が誇る総合文化の茶道のすばらしさを伝えるべく子供から大人まで幅広く指導を開始。東京、神奈川の自宅にて指導。昨年より3人の仲間とともにオリジナル抹茶の販売を開始する。
窪田 遼太朗

プロフィール

GPC Research and Training Pte. Ltd.

MELO!マネージャー

窪田 遼太朗

大阪府出身 同志社大学卒業後、楽天株式会社入社。 新卒配属先が広島となり、中四国地方を2年担当。 後に東京本社にて営業戦略部に異動。 2018年からGPCグループに参画。 2019年よりMELO!事業を起ち上げ。 趣味:散歩(シンガポールの自然保護区域に居住し、毎朝自然の中を散歩しています。)

● 国内事業について教えて下さい

神奈川にて茶道裏千家助教授として茶道教室を開いております。「一碗からピースフルネス」をモットーに活動しています。年長のお子様から小中学生、大人の方々まで、季節のお花を愛でながら、五感をフルに使うひと時を提供しています。

● 海外事業について教えて下さい

まだ、準備段階ではありますが、抹茶の販売、日本文化研修、オンライン茶道講座を行っています。

抹茶の販売に関しては、「WABISUKI MATCHA」というブランド名で、京都宇治100%の抹茶を提供。その年の最初に生育した新芽のみを機械を使わずに手摘みした茶葉を使用しています。茶葉の品種や栽培方法・ブレンドにもこだわり、それぞれ「えにし」「かぐや」「いぶき」という商品名で販売しています。

日本文化研修は、シンガポールを拠点とするコンサルティングファーム「Global Partners Consulting」様から提案され生まれたサービスです。

海外の日系企業に勤務する現地人の方向けに、日本の文化や価値観などを「千利休の教え」と「抹茶を点てる体験」を通して学ぶことのできるプログラムを提供しています。また、オンライン茶道講座も今後提供できるサービスとして、準備中です。

● 海外進出を決めた背景は?

昨年のコロナ自粛中に、たまたまYouTubeにて外国の方が配信されていた「How to make MATCHA」を見て驚いたのがきっかけです。何万回も視聴されている動画を見ているうちに、「本物の抹茶なのか?」「本当に美味しく点てられているのだろうか?」という疑問が湧いてきました。

まず、抹茶そのものが日本産ではないもののように見えたからです。これが「MATCHA」として流通していいのだろうか…と疑問を感じ、正真正銘日本の抹茶を海外へ届けたいという強い思いが湧いてきました。

もちろん、抹茶は外国の方がご自分の好みで自由にアレンジしていいものです。でも、日本で栽培された抹茶、私自身が学んだ美味しい点て方をぜひお伝えしたいと思いました。

● どのように進めていったのでしょうか?

海外展開については、右も左もわからない状況でした。そこで、まず本やWEBで輸出に関することを調べたり海外進出オンラインセミナーを受講することからはじめました。

ちょうどその頃、「海外ビジネスEXPO」が東京の有楽町で開催されるのを知り、専門家によるセミナーに申込み、相談できる会社や商談に繋がる『何か』を求めて足を運びました。

そこで、「Digima〜出島〜」のコンシェルジュの方に出会いました。コンシェルジュの方から、「Digima〜出島〜」のサービスについての説明を聞くうちに、このプラットフォームを使い、抹茶の需要、実際に海外進出できる可能性はあるのかを知りたくなり利用させてもらうことに決めました。

コンシェルジュの無料相談では、まだ定まっていなかった私の構想に親身になって耳を傾けてくださり、具体的にアドバイスいただきました。シンガポールを進出先にしようと決めたのも、コンシェルジュの方との会話がきっかけでした。

また、この内容はA社、この内容はB社と自分で探す苦労なく、具体的な業務をサポートしてくれる企業各社の概要を教えていただきました。さらに、「Digima〜出島〜」に課題を掲載し、サポート企業からの提案を受け付けるための登録のお手伝いをしてくださいました。

その後、すぐに数社からのレスポンスがあり、短期間で多くの企業様とオンラインの打ち合わせをすることができました。メールではなく、「Digima〜出島〜」のマイページ(ログインページ)内のスレッドでメッセージのやり取りができたことで、進捗が一目で確認できたところが嬉しい点でした。

● その中で、なぜ「Global Partners Consulting」さまだったのでしょうか?

担当の方とお話しをするうちに、直感で「この人は正直で信頼できる」と確信をもてたことです。

また、多くの実績があり、「抹茶の需要」「事業の可能性を調査する」という目的に対し、予算内で行ってくれる内容、実際の販売場所が明確であった点が選んだ理由です。

● どんなサポートを受け、どんな効果があったのでしょうか?

今回は「Melo!」というサービスを活用させていただきました。シンガポールの実店舗と越境ECプラットフォームのLAZADAやShopeeでテスト販売をするサービスで、「WABISUKI MATCHA」の販売に取り組んでいます。

一方、「Melo!」によるテスト販売をより効果的にするための提案を、「Global Partners Consulting」のコンサルタント・窪田様からいただきました。「WABISUKI MATCHA」を販売するために一体何ができるのかを、本当に親身になって考えてくださったのです。

窪田様とのMTGで、近年、人々の消費活動は「モノ消費」から「コト消費」に移行していること。単純に抹茶を販売するのではなく、「抹茶を点てる」「抹茶を通して日本文化を知る」という「コト」に焦点を当てることが大事なのではないでしょうか、というアドバイスをいただきました。それをもとに、「日本文化研修」「オンライン茶道講座」というところへ進んできているのです。

「抹茶の需要」「事業の可能性について」などこちらが思っている以上の展開になっていて、本当に感謝しかありません。ここに書かれていることは、すべて「Melo!」のサービスの一環として実施してくださっていることです。

★ GPC・窪田さまからのコメント。

私達の提供する「Melo!」というサービスのコンセプトとして、もともと商品の持っている強みを活かしたいということがあります。そのため、画一的に枠にはめるサービス内容ではありません。と言いますのも、単に商品を置くだけでは売れないことが多いです。そのため、+αの取り組みをほとんどの企業様とさせていただいておりますが、その点で今回の株式会社ビーエイチプラス様はピッタリの商品であったと思います。

まず、商品ラインナップがプレミアム系の商品であり、本当の価値を伝えないと買ってもらえないと感じました。それでは、この商品の価値はなんだろう…と深く考えていくと、商品の価値に加え、島津さん自身も魅力的であることに思い至りました。現在、世界的な消費行動はモノ消費ではなくコト消費にシフトしていっています。一方で、コロナ禍で旅行に行けない状況があります。つまり、体験する機会は減ってしまっており、需要と供給のバランスが崩れているのです。そこで、日本文化研修、オンライン茶道を提案いたしました。

今後の展開としては、ショッピングモールから「ワークショップを開催していって欲しい」とのお声がけもいただいており、私達のスペースに「ワークショップ」を常設していこうとしています。2021年7〜8月には、株式会社ビーエイチプラス様との「オンライン茶道ワークショップ」を企画しています。

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