海外進出事例集

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製造業

電動小型モビリティー開発で注目のベンチャーテラモーターズ社の海外進出事例

テラモーターズ株式会社

日本では、電動の小型モビリティに特化した会社として2010年にスタート致しました。電動のバイク、シニアカー、三輪車を中心に製造・販売を行っています。日本では既にNo.1の地位を固めておりますが、バイクに関しては、もともと日本の市場が小さいため、設立当初から世界に向けて事業を行っています。現時点で、既にベトナム、フィリピン、インドに拠点を構えており、さらに海外展開を加速していく予定です。

2014年6月1日

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日本では、電動の小型モビリティに特化した会社として2010年にスタート致しました。電動のバイク、シニアカー、三輪車を中心に製造・販売を行っています。日本では既にNo.1の地位を固めておりますが、バイクに関しては、もともと日本の市場が小さいため、設立当初から世界に向けて事業を行っています。現時点で、既にベトナム、フィリピン、インドに拠点を構えており、さらに海外展開を加速していく予定です。

海外ビジネスの概要

ベトナムは、東南アジアのメイン市場と位置付けていますが、さらに製造拠点としての役割も担っています。東南アジアのバイクは3人乗り、4人乗りが当たり前で、また道路環境も悪いため、日本と違うオリジナルの製品を投入する必要があるためです。今後は、ベトナムで製造したバイクを、他の東南アジア各国へ販売することも予定しています。

進出理由と背景

先述のように我々は創業段階から、海外への展開を前提としていました。日本のバイク市場は、世界市場のたったの2%。一方ベトナムやインド、インドネシアを中心とするアジア諸国が、世界市場の半分以上を占めています。ですので、我々は日本で一番になるのではなく、第二のソニーやホンダとなり世界で一番になるべく、最初から世界を向いて闘っているのです。

ベトナムに関しては市場規模が年間300万台と、日本の30万台の約10倍に達するのが大きな理由です。また交通インフラの不整備から、市民のバイクへの依存度が高い、ということもあります。ベトナムの電動バイク市場は、2007年頃から中国製のものが大量に流入しましたが、品質やメンテナンスが悪く、普及には至りませんでした。我々は、日本製の安心感とブランドで、ガソリン車からの乗り換えを狙っています。

進出までに行ったこと

マクロな調査については、書店やAmazonでベトナムに関するあらゆる書籍を購入し一通り全部を読みました。また良い本の著者には、コンタクトを取り直接情報交換をする機会を作りました。日本には、東南アジアのバイク市場を専門にしている研究者の方もおられますので、そうした方々へのアプローチも同時に行いました。

またミクロな調査については、当初は、現地でとにかく多くのベトナム人と繫がりを持つことを心掛けました。最初の2週間で100人以上のベトナム人に会いましたね。消費者に近い人々の感覚を探ったり、顧客候補にインタビューを重ねることで、市場への理解が深まります。同時に競合店へ実際に足を運んでみて、客層を観察したり店員の方から情報収集したりも行いました。

海外進出にあたり苦労したこと

最初のうちはモチベーションの維持に苦労をしましたね。ベトナムでは一人で事業を始めたため、孤独に耐える強さも必要でした。本来は150%の力を出していかなければならないのに、7割や8割の力しか出せない期間があり、ストレスを感じてしまっていたことは事実です。しかし空回りをしてパンクをしてしまってはいけないので、そうした自分を受け入れ、その上で乗り越えることを目指しました。

他にもベトナム人のマネジメントには苦労しました。我々の会社は極めてクレイジーなベンチャー企業のため、求める要求水準も自然と高くなります。ベトナム人は、日本人と違って上からの指示に盲目的に従うわけではないので、フレキシブルに業務を振ると、彼らにとってはストレスになることもあります。結果、こちらの要求水準に満たなかった従業員の、試用期間後の入社を断らざるを得なかったのは、つらい経験でしたね。

今後の展開

電動の二輪及び三輪をメインとして、アジアでの展開を加速していきます。私の担当範囲としては、2014年6月からベトナムでの製品販売をスタートしていくと共に、カンボジアでの事業も同時並行で進めていきます。いずれアジアからガソリン車を排除して、我々のクリーンで経済的でサステイナブルな製品を広めていく予定です。Appleやソニーが行ったように、私たちは乗り物の分野でイノベーションを起こしていきたいですね。

海外展開成功のためのアドバイス&必要なこと

企業のトップ、つまり社長や役員が、先陣を切って現場に来なければならないと思います。東南アジアはオーナー企業が多いため、彼らは即決が出来ます。一方で日本の企業は、いちいち案件を本社に持ち帰る必要があったりと、スピード感に欠けます。いわば日本の企業だけ、ひとつカルチャーが違うようなものです。本当に東南アジアで攻めるのであれば、こちらのカルチャーに合わせる必要があると思います。

また私個人的には、日本の企業は若い人材にもっと権限を与えても良いのでは、と思っています。ベトナムの平均年齢は約26歳、カンボジアは約23歳です。感覚的にも日常の話題的にも、40や50歳の方よりも、20代の若手社員の方が適していると思います。人事制度として、ある程度経験が豊富な社員に任せる手法も理解できますが、アジア展開に関しては、もっと若い人材に任せてもよいのではないでしょうか。

企業名テラモーターズ株式会社
業種・業態製造業
進出国
事業内容

電動小型モビリティに特化した電動バイク
電動三輪の開発・設計・製造・販売

法人設立年2010年4月
海外進出時期2010年
日本法人所在地東京都渋谷区宇田川町34番5号サイトービルⅢ5階
海外所在地

ベトナム・フィリピン・インド

代表者代表取締役  徳重 徹
資本金16億676万円
電話番号03-6674-9558
URLhttp://www.terra-motors.com/jp/
依頼したサポート内容

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