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- ビジュアルコミュニケーション事業を展開するブイキューブの東南アジア進出事例
進出理由と背景
日本のマーケットの成長には限界があるため、アジアが今後伸びる前に、積極的にシェアを確保していこうという思いからです。アジアの市場は、日本から見て5年遅れていると言われているので、今のうちに基盤を固めておく必要があります。
また、我々が提案しているのは「ワークスタイルの変革」です。社長が上場前の1年間を、海外で過ごした会社は我々が初めてではないでしょうか。これを実現できるのは、自社のWeb会議といったコミュニケーションツールがあるからですが、こうした働き方を海外で実証していくのも、我々の重要な使命と考えています。
海外ビジネスの概要
現在は中国や東南アジアを中心に、Web会議をはじめとするビジュアルコミュニケーション事業を拡大させています。これは海外展開をされる日本企業様のサポートをしていった結果という側面と、成長するアジアの市場を今のうちから押さえに行くという側面の二軸があります。
また現在10ヵ国にデータセンターを設置し、専用ネットワークで繋ぐサービスも提供しています。アジアでは国際間でのインターネット回線が弱いため通信が不安定になりがちなのですが、我々はデータセンターを設置することによって「アジアで最も繫がりやすいサービス」を提供することを目指しています。
海外のオペレーションは、基本的に現地に設立した現地法人に任せています。ローカル市場を開拓するには、現地の人達の活用が必須なためです。中国、マレーシア、インドネシアなど、社員のほとんどがローカルの人材です。我々のグローバルでの競合はアメリカ企業ですが、言語が非英語圏では、彼らもアウェーです。むしろアジアでは、ビジネスやコミュニケーションの方法が日本に近いので、我々にアドバンテージがあると思っています。
進出までにやったこと
東南アジアでのビジュアルコミュニケーション事業は、まず2009年にマレーシアに拠点を設けました。英語が通じ、ある程度のマーケット規模があり、投資コストも比較的低かった、というのが主な理由です。
シンガポールを第一候補とされる企業様も多いですが、我々の事業を行うにはコストが高い、競争が激しい、国内マーケットが小さい、との理由から、まずはマレーシアを選定しました。また東南アジアを飛び回るのであれば、マレーシアはハブ空港を保持しているので、シンガポールと同様の利便性があります。
現在シンガポール拠点では、東南アジアの統括機能、グローバル開発機能などを保持しています。開発拠点をシンガポールに設けているのは、各国の優秀な人材が集まってくる、というのも大きな理由ですね。当社のシンガポールオフィスには、シンガポール人はもちろんのこと、ベトナム、インド、フィリピンなど複数の国出身の開発者がいます。彼らは優秀なだけでなく、それぞれの国の事情を理解しているので、グローバル開発を行うには適した環境であると感じています。
海外進出にあたり苦労したこと
日本のようにビジネス環境が整っていないので、物事が想定通りに進まない、という側面があります。スケジュールがずれることは日常茶飯事ですが、これに対しては、想定通りに進まないことを前提に仕事を進めることが大切だと考えています。
あとは我々が提案する製品は、東南アジアではまだ認知されていないため、代理店様に頼るのではなく、我々自身の直販部隊をもって根気強く拡販していく必要があります。市場にとって新しい製品は、売りにくい製品でもあるのです。ですので、直販部隊に力を入れ始める前は、我々も海外では相当手こずりました。
今後の展開
海外展開の定義でいうと、まだまだ始まったばかりです。アジアを中心として、マーケットを広げていくことが最優先です。展開国を広げていくこともですが、同様にそれぞれの国での利用シーンも増えていくと思います。主な対象はやはりアジア圏ですね。日本のカルチャーが近いところは、競合に勝ちやすいと思っていますので。アジアNo.1のコミュニケーションプラットフォームを目指していきたいと思っています。
海外展開成功のためのアドバイス&必要なこと
社長、または社内のトップクラスの人間が、直接現地に乗り込んでくることだと思います。日本の会社が海外に支店を開いただけ、という状況では本社は本気にはなりません。いかに本社を本気にさせるか、我々はこれを「本社のグローバル化」と呼んでいます。そしてそのためにはトップが自ら乗り込んでくることが、一番大切なことなんですね。
社長が海外から直接指示を出せば、本社も動かざるを得ない。ただしこれを上手く運用するには、適切な役割分担の体制と、円滑なコミュニケーションが必須です。幸いにも我々は、Web会議というツールを使って遠隔でも仕事ができる環境が整っているので、コミュニケーション面で不自由を感じることはないですね。実際に1年間こうした体制で運用した上で、上場も果たせたので十分に実用可能だと考えています。
企業名 | 株式会社ブイキューブ |
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業種・業態 | 情報サービス |
進出国 | |
事業内容 | ビジュアルコミュニケーションツールの企画・開発・販売・運用・保守、企業などへのビジュアルコミュニケーションサービスの提供 |
法人設立年 | 1998年10月 |
海外進出時期 | 2003年 |
日本法人所在地 | 東京都目黒区上目黒2-1-1 中目黒GTタワー20F |
海外所在地 | The Gardens South Tower, 59200 Lingkaran Syed Putra, Wilayah Persekutuan Kuala Lumpur |
代表者 | 間下 直晃 |
資本金 | 1,847,075,800円 |
電話番号 | 03-5768-3111(代表) |
URL | http://jp.vcube.com/ |
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