商習慣 2013年03月08日
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欧米、日中韓企業が工場建設ラッシュ――拡大するブラジル市場の実態と可能性
ブラジルの失業率は大きく改善の見込み
今回はブラジル市場の特徴を自動車、電機メーカーを例に紹介させて頂きます。
まずブラジルの物価についてです。食べ物や飲み物などの生活必需品は比較的安価な値段で購入できますが、輸入品やブランド品などは関税の高さも影響し、かなり高級な商品となっております。日本から輸入する場合は、関税だけでなく輸送コストもかかり、電化製品など物によっては日本で販売されている価格の2~3倍の価格になってしまう場合もあります。
ブラジルの基本政策として、関税を比較的高く設定し、ブラジル国内への工場誘致を促し、国内の雇用を確保するという狙いがあります。そのため、自動車メーカーや電機メーカーは、まず輸入品で市場導入を図り、同時に工場建設を検討し、工場建設後の国内生産品にて本格的に市場開拓を図るという流れが一般的となっております。
ブラジルの近年の失業率は7~8%前後で推移しておりますが、ブラジル地理統計資料院(IBGE)が2012年12月に発表した雇用統計によると2012年の失業率の見通しが5.6%を下回る見通しであることが分かりました。背景にはブラジル経済の堅調さと国際的なビッグイベント(サッカーワールドカップ、リオデジャネイロ五輪)に向けたインフラ需要拡大での雇用増、自動車、電機などの工場進出が好影響を与えていると考えられます。
ブラジルは既に世界トップレベルの市場だ
近年、日本、韓国の自動車メーカーがブラジルに工場を建設し、さらに、2013年以降、中国、ドイツのメーカーも工場建設を発表しております。なぜ、各社が工場建設に踏み切るのかという点については、関税の高さ、国産品への税制優遇ということも一因となっておりますが、それ以上にブラジル市場の大きさに魅力があると言えるのではないでしょうか。自動車の国内販売台数は2012年実績では380万台と中国、アメリカ、日本に次ぐ、世界第4位の市場となっております。自動車だけでなく、テレビ(世界第5位)、携帯電話(世界第4位)、冷蔵庫(世界第4位)なども上位を占めており、市場の大きさを物語っております。
前回のコラムにも書かせて頂きましたが、IBGEのデータによりますと、2009年のブラジルの人口は約1億9200万人となっており、そのうち30歳以下の人口比率が55%以上を占めています。そのため、市場の規模は今後20~30年のスパンで拡大が期待でき、今後のブラジル経済の下支えとなると思われます。
また、魅力的な市場であるがために、欧米、韓国、中国、日本企業が工場建設を行い、市場開拓を図っており、群雄割拠の状態になっています。ブラジル市場での占有率を確保し、市場での存在感を示すためには、激しい競争を戦い抜かなければならないということも付け加えさせて頂きます。
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