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海外ビジネス コラム

生活・文化 2014年07月11日

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思わぬ壁に? 新興国ビジネスと特許の関係

金城 拓真(津梁貿易株式会社)

あるプロジェクトで特許の問題が噴出

僕たちはある程度の規模のビジネスも行っています。

そういったビジネスの場合、自社でどうこう出来る事はほとんどありません。行政や他社と協力してビジネスを進めていくことが求められます。今回、日本に帰国した際にそのための会社回りもしました。

簡単に書くと、タンザニアの中で政府主導のプロジェクトを内々に立ち上げ、そのプロジェクトの根幹部分のシステムを日本の企業から購入しようと考えていたのです。

ところが、思わぬ壁が突如顔を出してきます。僕としては、タンザニア側でできる準備はほとんど終了しており、断られる理由なんて全くないと思っていたのですが、まだまだ甘いですね。

実は、そのシステムは特許の絡む製品で、その特許に関する部分をまずクリアしないと該当国に設置することが出来ないとのことです。アフリカでずっとビジネスをしている僕からすると、全く頭になかった考え。自分自身の甘さを痛感です。

真似されることは承知の上でビジネスを行った方が健全?

ちょっとだけ背景を書くと、アフリカというか、振興国ではいろいろな国が入り乱れてビジネスを行っています。そこに特許を振りかざして事業展開をしても潰されること間違いなしです。実際にそういった企業はもれなく撤退していっているように見受けられます。「特許なんて関係ねーよ!」ってビジネスマンばっかりですからね。

新興国でビジネスをしている人間で、この部分に反論する方は誰もいないんじゃないでしょうか。

では、どのような形にするべきなのか。一度、とある東欧の企業と話をしていて言われたことがあります。ちなみにこの企業はITシステムを開発してアフリカのいくつかの国にそのシステムを普及させた企業です。

「いくら真似をされると言っても、それまでにタイムラグがある」
「そのタイムラグで稼げるだけ稼いで、その資金で新しいシステムを開発するんだ」
「一度いいシステムを開発したからと言って、そのシステムを使い続けていこうなんて、ただの怠慢だね」

社会の進歩や企業の発展という観点から見ると、この企業の言っていることは至極当然のように感じます。真似されることは承知の上でビジネスを行った方が健全だという考えですね。

技術革新なりを行っていくほうが、既得権益を守るより大切。努力の方向性を守りから攻めに転じることこそ、今の日本企業に求められていることだと感じています。

個人的には、せっかく頑張って得た特許を守りたいというお気持ちも理解できるんですけどね……。

このコラムの著者

金城 拓真

金城 拓真

(津梁貿易株式会社)

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