生活・文化 2014年08月28日
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【ベトナムの真実】ベトナムで考える日本企業の交渉力②
交渉力を、双方の利害(本質的な利益)を調整して、より良い合意を導き出すための、『論理的思考力・アナロジー思考力・コミュニケーション力+人間力(胆力)』という風に捉えると、ベトナムでは朝から晩まで自分の交渉力の有無やレベルを意識させられることになります。シャワーの出が悪いからどうにかして欲しい/タクシーで○○まで行きたい/社員と会議をする/サプライヤーと交渉する/何かお土産を買う・・・全部、交渉力が問われてきます。
日本に居る時にはそんなに意識していなかった“交渉力”が、ベトナムに来ると、どうしてこんなに重要になってくるのでしょうか?やはりベトナムが新興国で、当たり前のビジネスのやり方が発達していないからでしょうか?そういう風に捉えて、ベトナムや新興国や海外の国・企業を悪く言う日本人も見かけます。でも、本当にそうでしょうか??
元リクルートで、企業のリスクマネジメントの専門家である秋山進さんが面白い本を出しました。“「一体感」が日本を潰す”(PHPビジネス新書)という本で、『先輩たちが必死に築き上げてきた強い仲間意識・愛社精神・忠誠心の強い部下・あうんの呼吸・明確な指揮命令系統・厳格なルールとマニュアル・スムーズな会議・・・が〈子供病〉の症状で、日本を潰す』というのです。
この本を読んで、秋山さんと話をして、今までの問題意識とつながって、日本的一体感が交渉を潰す/交渉力が育まれない土壌=日本的一体感だという風に整理ができて、頭の中がすっきりしています。日本では、上からの指示命令や根回し・妥協はあっても、なかなか “交渉”は行われないのです。
私自身はコンサルティング会社にいきなり入って、会議等で自分の意見を言い、先輩やマネジャー、お客さんとの交渉の中でより良い方向に議論を向けていくのが当たり前でしたし、それをしないと付加価値ゼロと言われて育ちました。
でも、“第2の創業支援”で企業の中に入り込んで、「本当に議論しないな/社内外と本当の意味で交渉しないな」と強く感じました。触媒として入り込む異質の人間としては、排除されないようにしながらも “交渉力”をしたたかに発揮することで、強い影響力を獲得することが比較的容易だと感じています。
『ベトナムは親日国で、交渉相手も自分に好意を持っているように見えるから、きっと交渉もうまくいくに違いない』と勝手に思い込む、日本の特異な“当たり前”の中で生きてきた交渉担当者が、最終的には非常に厳しい条件を飲まされる。そんなことがベトナムのあちこちで起きているような気がしてなりません・・・
続きは次回、ヘンカップライ!
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