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海外ビジネス コラム

商習慣 2012年07月26日

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世界中でWIN-WIN関係を構築する! 海外販売代理店との上手な付き合い方

大澤 裕(株式会社ピンポイント・マーケティング・ジャパン)

海外代理店の気持ちに鈍感な日本企業

日本の製造企業は、「我々は物づくり一筋でいく。販売はプロである商社や代理店に任せる」と考えているようなところがあります。
自分達はこんな素晴らしい製品を作ったのだから、販売方法を考えるのは自分の責任ではない、と思っているかのようです。
また海外市場には詳しくないので任せるという謙虚な気持ちもあるのでしょう。

ところが、現地の商社や販売代理店候補は「任せると言われても困る」と思っている場合があります。
今の日本製品は技術セールスが必要で販売に時間がかかります。
やっと現地市場がたちあがってきたら、エンドユーザーはネット経由でメーカーに直にコンタクトをとります。
大口注文するから販売代理店を外して安くしろというのです。
実際にそれで痛い目にあった販売代理店も珍しくありません。

我々が以前に接触したシアトルの生活用品ディストリビューターは「二度と日本のメーカー製品を扱いたくない」と明言していました。
何でも一生懸命に販路を構築して、大口顧客と取引が始まったとたんに、その大口顧客とメーカーが直に取引を始めてしまったそうです。
そのディストリビューターからは「扱ってほしかったら、ブランド名を製品から外してこい」と言われました。
確かにブランド名が製品に入っていなければ、大口客もインターネットでメーカー名を調べる事ができないので飛ばされる心配がなくなります。

そういった飛ばされる心配をせずに販売に専念してもらうためにも「セールスレップ」の考え方があります。
予め、地域や期間を決めておいて、その期間はその地域からきた注文はすべて、その販売代理店(セールスレップ)を通すと予め約束することによって、安心して販路開拓してもらうのです。

しかし日本の会社はたとえ一定期間・一定地域でも「独占」という条件を代理店に与えるのを嫌がります。
「その代理店が機能しなければどうなるのか? またもっとよい販売先が見つかったらどうするのか?」というのです。

その代理店が機能しないとう事は確かにあります。
しかし通常の場合、セールスレップ契約ではメーカー側の固定経費は発生しませんから、売れなくとも損はしません。
また「もっとよい販売先が見つかればどうするのか?」という質問に関しては代理店の立場を全く考えていないと言わざるえません。
大口販売先を見つければ独占販売を一定期間得られるという条件があって初めて、販売代理店は先行投資としての市場開拓ができるのです。

セールスレップ契約では、地域・期間・コミッション率を決めておく他にも、2つ以上の代理店が同一案件にかかわってしまった場合の利益分配方法や、アフターケアの役割、すでにメーカーと直接取引がある地域顧客への対応方法等、すべて予め合意して契約します。
それらはつまり、代理店に安心して販売に専念してもらうための約束事であり、結局はメーカーのためでもあります。

安くて良い標準製品は、現金と一緒です。
製品の流動性(回転率)が高くて、在庫をもつことに躊躇する必要がありません。
かつての日本製品はそうでした。
しかし、今の日本メーカーが売り込もうとしているのは高価格の新製品です。
極端に言えば、まだ市場があるかどうか分からない、といった製品も多いのです。
そういったモノを売り込んでくれる販売代理店の立場をもっと考えてあげて、世界中でWIN-WIN関係を構築しましょう。

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大澤 裕

(株式会社ピンポイント・マーケティング・ジャパン)

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