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海外ビジネス コラム

生活・文化 2021年10月24日

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海外起業家が感じる”海外進出でありがちな失敗”その2

荒島 由也(株式会社スター・コンサルティング・ジャパン)

今回の記事では、

前回の記事に引き続き、海外進出を試みる企業が陥りがちな失敗についてご紹介していきます。

 

海外進出に成功するかしないかは、実際に挑戦してみないとわからない側面も大きいですが、

企業の貴重な予算を投入する以上、事前に予見できる失敗は、可能な限り防ぎたいですよね。

 

「自社の製品やサービスを海外展開していきたいと考えているが、失敗しないか不安だ」

「海外ビジネスで失敗している事例も多い中で、事前に失敗の要因を把握しておきたい」

「地方自治体の担当者として、地域の産業を活性化させるために、海外進出を促進していきたいが、どのようにアドバイスしたらいいかわからない」

 

そのような疑問に、ベトナムで、ゼロから料理教室や洋菓子製造・販売会社を創業し、

スターバックスやセブンイレブンと取引するまでに成長させてきた筆者がお答えします。

自身の実体験や、ジェトロアドバイザーとして様々な企業を支援する中でみてきた実例を踏まえた、リアルな情報です。

 

5分程度で、海外ビジネスを失敗させないためのエッセンスを掴めますので、ぜひ最後までご覧ください。

 

 

ありがちな失敗その2:マーケティングにお金をかけなさすぎる

 

いきなりですが、

「日本で売れたものであれば、マーケティングに力を入れなくても、海外の人々も欲しがるだろう」

と思っていませんか?

 

こうした思い込みにより、海外進出にあたって、

マーケティングにほとんど予算を投入しない企業をたくさん目の当たりにしてきました。

 

しかしながら、マーケティングにお金をかけなさすぎる企業は、多くの場合、失敗します。

それはなぜか、3つの理由をご説明します。

コラム1

 

 

理由①:日本人にとっての”高品質”は、海外の人にとって価値があるわけではない

例えばですが、日本人である皆さんにとって、スーパーで売られているようなキムチと、

モンドセレクションを受賞するような、高級キムチの違いを判別するのは容易ではないでしょう。

実際に、店員が味の違いを説明したとしても、「酸味がある、深い味わいのキムチを食べたい」「高品質なキムチ以外は、キムチではない」

などの価値観や、こだわり、ストーリーへの共感がない場合、高級なキムチに価値を感じて、手に取ることは少ないでしょう。

 

この例からわかるように、たとえ日本人にとって高品質な商品・サービスであったとしても、
①その商品と他の商品の違いをユーザーに刺さる形でわかりやすく伝えること、
②違いに価値を感じてもらうようなストーリーを伝えること、
なくして海外の消費者に、伝わりません。

 

よく、日本製品は過剰品質と言われますが、

海外の人々、特に新興国の人々にとって、高品質な商品やサービスは、

決して当たり前ではないため、売る側の努力なくして、価値を感じてもらいづらいのが実情です。

 

したがって、海外の消費者に、価値を感じてもらうためにも、そ

の国の人々に刺さるようなブランディング・プロモーションであったり、

消費者とのコミュニケーションを通じて価値を伝えていくことが重要になってきます。

 

理由②:観光客に人気があっても、現地で売れるわけではない

日本を訪れる外国人観光客には人気がある商品であっても、現地で売れるとは限りません。

観光客は、自国にはないような「日本らしいお土産」を求めて、買い物をすることが多いと思いますが、

日常の暮らしの中でそれらを欲しがるとは限らないからです。

 

コラム2

そもそもですが、日本人と海外の人では嗜好は違います。

例えば、筆者は、ベトナムで洋菓子事業を展開していますが、

日本人が乳脂肪分が多い、濃いめの生クリームを好むのに対し、

ベトナム人は乳脂肪分が低い生クリームを好むことに驚かされました。

 

したがって、たとえ、外国人観光客に人気がある商品であっても、

現地の人の嗜好や価値観の違いを把握した上で、

本当に商品やサービスのニーズがあるのかを見極めることがとても重要です。

 

理由③:小売店に卸したり、代理店に委託すれば売れるわけではない

日本では、マーケティングに予算をかけずとも、小売店や代理店の力で商品やサービスが売れていたかもしれません。

日本はそれだけ小売側の売る力が強いです。

しかしながら、海外ではそうとは限りません。

特に東南アジアの代理店の中には、輸入業社として商品を右から左に流すだけで、

商品を売るべく積極的に動いてくれないところもありますし、

店舗としての販売力が低い小売店も多く存在します。

 

実際に、筆者がジェトロアドバイザーとして、ベトナムに進出する様々な企業をサポートする中で、

代理店に任せっきりで商品がほとんど売れないようなケースも目の当たりにしてきました。

 

したがって、代理店や小売店を適切に見極めることや、

デジタルマーケティングを通じて代理店などに依存しない形で商品やサービスを売っていく努力も重要になってきます。

海外進出で失敗しないためにも、マーケティングに力を入れよう

コラム3

 

 

今回の記事では、海外進出で失敗しないためにも、マーケティングがいかに重要かをお伝えしていきました。

そして、マーケティングにおいては、現地の人々の趣味嗜好をリアルに把握すること、

その上でのブランディングからプロモーション、力量のあるパートナー選定などが重要であり、

そのためにはある程度の予算が必要になってくる場合が多いです。

 

大企業のように、高額な予算を投入できない場合であっても、

日本政府の補助金を活用しながら、企業にとって可能な範囲で予算を確保することはできるかもしれません。

また、facebook広告など、低予算で効果の高いマーケティング手法を選んでいくことも可能です。

 

今回の記事が、海外進出にあたりマーケティングに予算を確保する必要がないか、

それが可能か、そして予算をどのように使っていくべきかについて、模索いただくきっかけになれば嬉しい限りです。

 

筆者のYoutubeでは、今回ご紹介した、海外進出における失敗事例の他に、

ベトナム人の食文化や嗜好、ベトナムでマーケティングを成功させている企業などを紹介しています。

 

ベトナムに限らず、マーケティングに力を入れていく上でも、

参考になる動画がたくさんありますので、よろしければぜひご覧ください。

 

また、筆者が代表を務める株式会社スター・コンサルティング・ジャパンでは、

ベトナムにおいて、食品分野でビジネス展開を希望される企業様の無料のご相談もお受けしています。

ぜひお気軽にお問い合わせください。

 

このコラムの著者

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荒島 由也

(株式会社スター・コンサルティング・ジャパン)

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