Digima〜出島〜

海外進出に関わる、あらゆる情報が揃う「海外ビジネス支援プラットフォーム」

海外ビジネス コラム

商習慣 2023年01月13日

  • share

今の日本人ビジネスパーソンが海外で勝ちきれない理由とは

佐藤 守彦(MRKS International LLC / マークスインターナショナル合同会社)

図1
©123RF

働き方改革…日本で一時期流行った言葉です。「それ○○ハラ発言ですよ!」という指摘を受けないかドキドキする上司。「弊社はコンプライアンスを遵守します」と声高に訴える企業。日本は、とても優等生な国になったようです。

かつて日本がエコノミックアニマルと言われていた時代…多くの武勇伝がまことしやかに語られてきました。

某日本企業の海外営業部の部長が、某国の政治家にやっとの思いでアポを取り、応接室に通されて、一通り話をした後に、「これは日本のお菓子です」とずっしり重い箱を手渡す。そして、数日後、その企業が某国におけるビジネスを受注したという記事が経済新聞に掲載される…といった類の話は、以前は枚挙にいとまがなかったのかもしれません。

図2
©123RF

さて、インドネシア進出のコンサルティングをやっている弊社には、様々な問い合わせがきます。

例えば「BPOM(国家医薬品食品監督庁の略。化粧品、食品、医薬品などは販売にあたって、この機関からの許可が必要)が、申請から一年も経っているのに下りないのですが…」というものがあったり、「インドネシアでは、外資法人の設立は払込資本金が高額過ぎて大手以外には無理なんですよね?」といったものもあります。中々 言いづらいのですが、他で痛い思いをしてきた結果、弊社に問い合わせをしてくるというパターンも多いようです。

例えば、BPOMの申請をとってみても、現在はホームページから申請手続きが可能です。つまり、掲載されている書類を準備し、指定されているステップに従えば、誰でも申請は可能なのです。また、BPOMに限らず、インドネシアのビジネスに関する様々な情報は、ネットで検索すれば、あるいは関連書籍で入手が可能な時代になりました。

しかし、このように巷に溢れる情報(出元がしっかりしたものであっても)に杓子定規に従えば全てビジネスがスムーズに進むかというとそうとも言えないのがインドネシアのビジネスです。

まだまだ、昔ながらの悪習というべきものも多く残っています。日本以上に「村社会」で生きているインドネシア人は、(特有のルールを知らなかったり、英語のみでペラペラ話を進めてくる)新参者に対して融通の効かない対応をしてきたり、状況によってはアンダー ザ テーブルを暗に求めてくる場合もあります。

一方で、対する日本人ビジネスマン(ビジネスパーソン)は というと、もともと真面目という国民性に、近年さらに拍車がかかっています。また、メニュー(プライスリストなども含め)を求める性格も良い方向に働きづらいケースもあります。

図3
©123RF

そのような中、以前から、そして近年なおさらにガツガツとビジネスを進めているのが韓国企業です。

昨今のDrakor(Drama Koreaの略。韓国ドラマのこと)やK-POP人気などにより向上している国のブランドイメージを追い風に、様々な規制をモノともせず、しっかりとしたコンサルを活用し、さながらエコノミックアニマルのように大企業、中小企業問わずに進出・拡大してきています。

図4
©123RF

例えば、自動車産業は、裾野の広い産業であり、数多くの部品メーカーで構成されています。

その自動車市場の7割が日本車と言われるインドネシアにおいて、EV市場では、2022年上半期には台数ベースで韓国車が9割を占めたと言われています。このままEVへ移行が進めば、日本の牙城とも言えるインドネシアの自動車市場は韓国車に負けてしまうことも考えられます。更に、結果として完成品メーカーだけでなく、多くの部品メーカーが撤退を余儀なくされかねません。


さて、話は変わりますが、年末の風物詩となったM1グランプリで昨年優勝したのは、いわゆる毒舌漫才と言われる芸人さんだったようです。その芸風は、色々と忖度した結果、面白くなくなったとも言われる放送局に対し、アンチテーゼとも言えます。

その芸人さんが優勝したということは、今の日本に対するメッセージと取ってしまうのは、私だけでしょうか。

このコラムの著者

このコラムニストにメールで問い合わせる

佐藤 守彦

(MRKS International LLC / マークスインターナショナル合同会社)

コラムニスト詳細

関連記事

ジャンル別 新着コラム