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海外ビジネス コラム

商習慣 2012年08月29日

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中国でこれから成功すると思われる業種No2

川添 英起(株式会社リバーサイドシンク)

今回は、中国の老人ホームのビジネスについてお話します。

中国は現在約14億人の人口を擁しているといわれています。
1950年頃に6億人弱だった人口が、60年間に8億人増加している計算になります。

この間に、政府は人口の抑制政策として1979年には一人っ子政策を取るようになり、人口増加はピークアウトしたものの、毎年1000万人近くの人口増加があるのが現状です。

そしてこの結果、今中国国内では、急速に高齢化が進んでいます。

【老齢人口増加予想】

中国の老齢人口(60歳以上)予想と老齢人口比率予想は下記のようになっています。

年        2010年        2020年        2050年

老齢人口  1億7,000万人     2億4,800万人    4億3,700万人

老齢比率      13%          17%         30%

 

【老齢者介護ビジネスの展望】

上記のように高齢者の人口が急速に進むことにより、中国の老齢介護ビジネスの市場は確実に拡大していくでしょう。

加えて、共働きが多い中国では、直接的に息子や娘が介護に携わることが難しくなっており、この面からも老人ホームの需要は拡大していくものと思われます。
ちなみに、2015年の中国の老齢者介護ビジネスの市場規模は4,500億元(5兆5千億円)となっています。

【老人ホームの現状】

中国の老人ホームの入居者需要は、老齢人口比率の増加とともに急速に高まっており、需給バランスとしては、慢性的な供給不足となっています。

入居待機組みも多く、これらの人のうち、高所得者は多少入居費用が高くても、サービスの質が良く、便利で、体裁の良い(老人ホームに親を入れるという見栄もあり)老人ホームに入居させたいと希望している人も多いようです。

【老人ホームの形態】

中国の老人ホームは多くは政府が運営しているものが多いです。
各地方政府などは老人ホームを民政局の管轄で運営しています。

もちろん民間の老人ホームもありますが、数は多くありません。
不動産ディベロッパーが地域開発の中に老人ホームを計画するという話はよく聞きます。

老人公寓と言う、いわゆる日本のシルバーマンションの建設も盛んです。

また、工場物件やホテル物件などの既存物件を老人ホームに改装するような話もよく聞くようになっています。

【民政局運営の老人ホーム】

私が視察した、上海の中心地から車で30分程のところにある、政府運営の老人ホームの状況をお話します。

中国の政府運営する老人ホームは「狭い」、「汚い」、「臭い」という話を聞いていたので、どんな所かと心配して言ったのですが、実際には、広く、きれいに整頓されており、清潔感もありました。
入居されている老人も表情は明るく、私を歓待してくれました。
ただし、介護のレベルは、介護人の人数はいるものの、充分と言えるような段階ではないように見えました。

責任者である院長も、日本の老人ホームを良く研究しており、日本の老人ホームのサービスを導入したいと言っていました。
今後は、日本の老人ホーム運営会社との提携も視野に入れているようです。

その老人ホームの概要は、約8,900㎡の建物に600床の収容人数を持つもので、介護80名、医療20名で運営されています。

3ベッド1室で、1ベッド1日500元、個室使用するには3ベット分1,500元となります。

介護費用は1人/月で、介護の程度によって下記のとおりとなっています。

3級150元
2級300元
1級480元
全介護1,200元

他に、食事代が月420元かかります。

全介護の人でも1ヶ月2,120元(26,500円)で入居可能で、これは通常の年金平均額2,500元で支払える範囲です。

この老人ホームも入居待ちが多数あり、これらの需要に対応するために、新たな老人ホームをオープンする予定だそうです。

【日本からの老人ホームビジネス】

前述のように、慢性的な供給不足と、サービスのレベルアップ、ユーザーの見栄などから、日本の老人ホームのノウハウを求める地方政府、民間老人ホーム会社などが多くあります。

特に、地方政府(民政局)と提携したビジネスモデルを構築すれば、メリットも多く、各地方政府に広がる可能性のある、有望なビジネスと言えます。

ここ数年でこのビジネスは定着していくものと思われ、早い者勝ちです。

【その他の介護ビジネス】

中国においては、老人介護ビジネスはまだまだ発展段階で、日本のような介護保険制度もなく、これからのような気がします。

日本のような介護士資格制度の導入可能性もあり、介護士養成講座や、在宅介護支援ビジネスなども有望業種と言えると思います。

いずれにせよ、このビジネスは今が決断と実行の時期だと言えます。

次回は「文化」に関する業種についてお話します。

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川添 英起

(株式会社リバーサイドシンク)

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