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海外ビジネス コラム

商習慣 2013年02月04日

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「企業が海外進出で成功を収めるパターンは、2つしかない!」吉越流・海外進出成功の秘訣

吉越 浩一郎(吉越浩一郎事務所)

海外進出は常にカントリーリスクと隣合わせである

今回は、私が考える海外進出成功のためのポイントを述べます。

まず、「どこに進出するか」についてです。
注目せざるをえない国はなんといっても「中国」ですが、今の状況ではそうも言ってられません。新興国は急速に成長する分、何かしらの問題を抱えやすい事は頭に入れておかないといけません。特に中国のような共産党一党独裁の国と今回の尖閣のような問題が表面化してきた際、とにかく相手になっていてはダメです。むしろ、サッカーと同じように考えてやればいいと思うんです。日本にとっては、点を取ると言うことよりも、国際世論というレフェリーと観客を味方に付ける事が目的になります。足を掛けられたら大げさに転ぶ。ひどい国だな、ということでレフェリーは、笛を吹く。結果、少しずつでも日本は有利になります。蹴飛ばされたら蹴飛ばす、では駄目なのです。そんな事をしていたら、エスカレートするだけです。
ですから国際法に則ってと言う日本の主張は正しいと思いますし、こうなった以上、国際司法裁判所に判断してもらうのが一番正しい選択肢だと思います。その結果がどうであれ、従えばいいのですから。

「日本の中国に関する投資額を見てください。最近、こんなに伸びているんです。中国にはこれだけの金額が入ってきているのにこんな事態になっては両国にとっても良くないと思いませんか?」
これは、9月末のウォールストリートジャーナルの1面に載っていた野田総理大臣のコメントですが、確かに正しいと思います。データも示していて、説得力があります。

ただ、常にこうしたリスクがあるのが、海外ビジネスだということです。そこで、私がここでお伝えしたいのは、リスクを分散させる意味でも、一国だけに集中するのは良くないということ。
中国一辺倒ではまずいということは、私自身トリンプ時代10年前から考えておりましたし、生産面でも一部を他の国に移したりして、実行していました。

「海外進出して何をしたいのか?」を明確にせよ

さて、もう一つ考えたいのが、「海外進出して何をしたいのか」ということです。国内需要の縮小を埋めるための進出なのか、リスク分散なのか、事業拡大なのか、目指すべきものがあるはずです。
ただ、一つだけ断言できるのが、日本での商売が危ういので海外に行こう、という考えでは、ほぼ間違いなく失敗するということです。分野を問わず、海外進出が初めから順調にいくことは少なく、事業が軌道に乗って利益を上げるまでには相当時間がかかります。足元が厳しい状況で挑戦しても、会社の寿命を縮めるだけです。

企業が海外進出で成功を収めるパターンはほとんど2つしかありません。1つは、国内市場で継続的に売り上げを伸ばし、それなりのシェアを取っていて、さらに海外にも積極的に進出しようというケース。もう1つは、従来の海外取引が順調に伸びてきているので、それをベースに本格的に拡大するケースです。こうした場合なら積極的に海外進出を考えるべきですが、それ以外は、海外に打って出るべきではない、と思います。そうした場合は、まずは日本の事業を立て直し、体制固めをし、体力作りをすることが重要です。実はそれこそが海外進出の一番のポイントなのです。いろんな会社や個人が、海外に目を向けることは非常に良いことですし、そのために進出を前提に海外のことを勉強しておくのです。その上で、足場を固め、満を持して海外に出ていく。それをできるだけ早く実現していくことが求められている時代です。

しかし、片や、日本の若者がハーバード大学に行く数が減っているという統計が出ています。こういった日本が閉塞感に覆われている時にこそ、ハングリー精神をもってどんどん増えていって欲しいものです。やはり、日本にずっといるのと、海外に出て色々なことを経験してくるのでは、人間の大きさに大きな差になってきますからね。

それでは、次回は実際に海外のことを知っていただくということで、海外の人材について私が見聞きしたものをお伝えします。

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吉越 浩一郎

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