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海外ビジネス コラム

時事 2013年03月26日

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【特集 各国の治安状況】韓国は身近でもやっぱり外国。進出時に注意すべき日本との違いとは?

黄 泰成(株式会社スターシア・インベストメント)

日本との違いはわずかだが、それなりの注意は必要

最近、海外で日本人が命を落とす重大な事件・事故が立て続けに起きています。特に、出張や駐在等で海外を訪れる機会の多いビジネスマンにとっては、訪問先の国がどのような治安状況なのかを事前に把握しておくとともに、日本にいるときとは違う緊張感を持って行動することが必要となります。

韓国は、もともと文化的に日本に似ていることもあったり、気軽にいけることや韓流ドラマなどでより身近な存在になっていることから、ややもすると外国に来たという緊張感を持つのが難しいかもしれません。しかし、いくら身近な国とはいえ、外国であるということに変わりはありませんので、それなりの注意が必要です。

 

1.治安について
韓国の治安は比較的良いと言われています。実際にソウルで生活をしている中で、身の危険を感じるような事件に出くわすことは滅多に無いと言えます。2012年度のデータは未発表ですが、2011年度の主な犯罪の発生件数は以下のとおりとなっています。

殺人 強盗 性犯罪 窃盗 暴力
427 3,994 19,489 281,362 311,944

単純に比較することは難しいかもしれませんが、2011年度の日本の殺人事件が1,051件であることを考えると殺人事件の発生率はほぼ同程度といえます。したがって、命を落とすような犯罪に遭遇することは普通の生活を送っている以上ほとんどなく、それほどナーバスになることはありません。

一方で、性犯罪や暴力事件は日本よりも頻繁に発生すると言われています。特に夜の繁華街では、アルコールの影響もあり喧嘩がよく発生するため、飲みすぎて喧嘩を売ってしまう、もしくは、喧嘩に巻き込まれないように注意することが必要です。また、深夜の女性の一人歩きや深夜のタクシーに女性一人で乗車することには細心の注意が必要です。決して女性を一人にしない心がけも必要かと思います。

ただ、これらの注意事項は、日本でも同じことが言えると思いますので、必要以上に神経質になることも無く、路地裏の暗いところには入らない、ガラの悪そうな飲屋街には立ち入らないといった普通の注意をしていれば充分と思います。

 

2.交通について
韓国の交通事故による死亡者数は5,229人(2011年)と日本よりも多くなっています。これは日本に比べて自動車を利用する頻度が高いことにも原因があるとは思いますが、運転自体が荒いことや道路の舗装状況等が悪いことから、事故の発生率も高くなっているものと思われます。タクシーに乗る場合には自分でコントロールできない部分もありますが、あまりにもスピードを出しすぎていて怖いと感じる場合には、スピードを緩めてもらうように運転手に声をかけることも必要です。もしくは、運転マナーが相対的に良い「模範タクシー」を利用することも事故から身を守る方法の一つです。

自分で運転する場合には、以下に挙げる項目をチェックしてからハンドルをにぎると良いと思います。

–    右側通行に慣れていること
米国等で運転した経験のある人であれば比較的違和感なく運転できると思いますが、日本から行って間もない人は、しばらく慣れるまでは運転しない方が良いと思います。

–    ハングルを瞬時に判別できること
韓国の道路標識は複雑です。信号がどのような状態のときに左折(日本でいう右折)していいのかが信号の下に比較的小さな文字で書かれています。いくつかのパターンがありますが、そのパターンを瞬時に判別できないと後ろの車に急かされたりします。

–    車庫入れがスムーズにできること
韓国の駐車場は日本に比べて余裕が無く、車庫入れの技術が要求されます。車庫入れが苦手な人は駐車の度にストレスを感じることになりますので、縦列駐車をふくめ車庫入れの練習が不可欠です。

–    坂が多く、舗装状態も良くないことを認識しておくこと
ソウルは坂道がとても多い都市です。大通りはまだしも路地に入るとかなり急勾配の狭い坂によく出くわします。特に降雪の後は雪が氷に変わり何日も解けない状態が続きますので、運転しないのが得策です。また、道路の舗装状態も良くないところが多いので、オートバイの運転は避けた方がいいでしょう。

 

3.その他
(1)   反日デモ
昨年は、中国での反日デモが大きな話題となりました。韓国でも反日の動きを憂慮する声をよく耳にしますが、日本で報道されているほど反日運動は活発ではありません。たしかに、何かの集会や大会で反日を声高に主張している場合もありますが、一般市民が暴徒化するようなデモは今の韓国ではあまり起きません。

ただし、日本大使館前やタプゴル公園(独立宣言が行なわれたソウル市内の公園)など、場所によっては反日感情が高まる場合もありますので、周りの様子を見てなるべく日本語で話さないといった注意は必要でしょう。また、独立記念日(3月1日)や光復節(8月15日)には、反日イベントが開かれるところが多いので、普段よりも行動に気をつけたほうがいいと思います。

 

(2)   北朝鮮
ミサイル実験や核実験、さらには休戦協定を白紙化すると表明したりと、北朝鮮の挑発行為が活発化しています。これらに対して、ソウル市民の反応はそれほど敏感では無いように見受けられます。北朝鮮は脅し行為はするものの実際にソウルに向けて攻撃を仕掛けてこないだろうとほとんどの人が思っています。危機意識が希薄と言えるかもしれません。とはいえ、最近の北朝鮮の言動は一線を超えてしまっているようにも見受けられますので、万一のときに備え、日本への脱出方法を考えておくことは必要かも知れません。

 

(3)   その他
ソウル市内では、各種デモがよく開かれます。今でこそ催涙弾が飛ぶようなデモは滅多に見られなくなりましたが、デモ隊がいつ過激化するかは分かりません。デモが行なわれている場合には、興味本位で近づくことはせずなるべく離れていた方が無難です。

また、ホテル周辺や観光地で日本語の流暢な見知らぬ人に声をかけられる場合があります。全てが悪い人とは言えませんが、売春のあっ旋やぼったくり屋のぽん引きであったりします。軽い気持ちでついて行くと警察の摘発にあったり、身ぐるみはがされたりするかもしれませんので、軽い気持ちでついて行くことは決してしないようにすべきです。

 

韓国では、普通に常識的に生活をしていれば、特に凶悪犯罪に出会うということも滅多にありませんし、夜、普通に出歩いても問題ありません。過度な冒険心や好奇心が出て人気の無いところに足を踏み入れるといったことさえしなければ、安全な国ですので、韓国での生活を思う存分楽しんで頂ければと思います。

 

このコラムの著者

黄 泰成

黄 泰成

(株式会社スターシア・インベストメント)

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