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海外ビジネス コラム

時事 2013年03月27日

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【特集 各国の治安状況】不確定要素の多い地域へは「進出しない進出」も考慮して

堀 明則(Hopewill Group)

中国・アジア経済は、まだまだ人治、人脈の世界

私は1996年より、香港・中国にて活動しています。足掛け18年、中国、そしてアジアの新興国と付き合ってきていることになります。

私が中国に商社マンとして駐在をはじめた1996年、今では大都市となった中国のシンセン市ですが、そこからしばらく車で走るとまだ山賊がいたような時代です。

タクシーで移動中にドライバーにナイフを出されたり、バイクの引ったくりに物を取られそうになったり、今では思い出になりましたが、物騒なものでした。

1990年代の終わりごろ、シンセンの市中では、人を後方から狙い、注射針でなにやら打ち込み、そのまま連れ去って身包みをはぐ、というようなことも起きていたぐらいです。

中国はいまやアジア新興国の雄。中国を先進国と見るか、新興国と見るか、その貧富の格差ゆえ議論は分かれるところでは有りますが、いずれにしても清濁をのみこみつつ、混沌の中暴走に近い躍進を遂げてきました。

その勢いは、いまやアセアン全域に広がりを見せ、まさに華僑社会、人民元経済圏の到来を予感させるものです。

そこには、日本人が考えるよりももっと深い深い深海の流れのような潮流を感じずにはいられません。中国・アジア経済は法治されているとはいえ、まだまだ人治、人脈の世界です。人脈を持たずにアジアで勝負するのは、武器を持たずに戦場に向かうようなものです。

上述の治安不安、および表面上との法治とは裏腹の読み解きにくいファジーな社会、「日本の常識はアジアの非常識」、このようなことを考慮するとき、進出 におけるひとつの提言が浮かんできます。

それは「進出しない進出」です。

それはいかなるものかというと、アジアで極めて合理的に統治されている地域でのアジア事業戦略の構築を行うということです。

 

ぎりぎりまで進出をこらえながら進出を進めてゆく

ではその地域はどこか?

それはとりもなおさず、香港とシンガポールになります。

イギリス方式で法治される地域はきわめて明快で日本企業には取り扱いやすい地域です。もちろん汚職や賄賂なども極めて少なく、日本と同じ経済活動でアプローチできます。加えて、治安面での安全が確保されています。このような地域に進出し、この地において中国、アセアンの不確定要素の多い地域のビジネスを統括してゆく。これは有効です。

たとえば中国で事業を行うにも、香港会社と中国方パートナーとで香港に合弁企業を設立し、中国はその合弁企業の100%子会社とする。そして中国側子会社のマネージメントは、中国方パートナーにまかせ、協業の契約及び事業統括は香港に集約させる。

あるいはインドネシアで事業を行う場合にも、シンガポール会社とインドネシア方パートナーとでシンガポールに合弁会社を設立する。以下は中国のパターンと同様です。

このようなことを考え、積極的な現地パートナーとの法治地域での協業戦略を考え、ぎりぎりまで進出をこらえながら進出を進めてゆく。これは新興市場がもつリスクをマネージメントしつつ、同時に成長力を取り込み、かつ協業によるローカライゼーション(現地化)を促進してくれるのではないでしょうか。 ぜひ「進出しない進出」を検討してみてください。

このコラムの著者

堀 明則

堀 明則ほり あきのり

(Hopewill Group)

幅広い事業範囲を武器に

日本企業、個人に対し、香港・シンガポールをハブとした、『日本からア

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