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時事 2013年04月24日

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【日本のTPP参加 特集】ブラジルとのFTAにも影響? 進出成功のために知っておきたい『メルコスール』

萩島 貴(アヴァンテ株式会社)

TPP参加をきっかけに日本とブラジルのFTAは進むのか?

ブラジルが参加している諸外国との貿易の枠組みはメルコスールが中心となっております。メルコスールは、自由貿易市場の南米での創設、具体的には域内での関税撤廃と域外共通関税を実施することを目的として、1991年にパラグアイのアスンシオンでアルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイ、ブラジルの4ヵ国が調印、1994年12月には4ヵ国首脳がブラジルのオウロ・プレットに集まり最終議定書に調印し、1995年1月に発足しました。現在はこの4ヶ国に加え、ベネズエラを含めた5ヶ国が加盟国となっております。

メルコスールとして、域外共通関税を創設することを目的としているため、例えば日本がブラジルと関税撤廃に関して交渉を行う場合は、ブラジルと交渉をするというよりも、メルコスールと交渉をする形になります。

日本とメルコスールの関係としましては、2011年6月、アスンシオンで開催された第41回メルコスール首脳会合に日本が初めて招待され,松本外務大臣(当時)がスピーチの中で、成長戦略の柱の一つである経済連携の推進の重要性を表明するとともに、日本とメルコスール間の経済関係緊密化の可能性を探る場として、日・メルコスール経済対話の立ち上げを提案しました。

 

ブラジルの自由貿易事情はどのようになっているのか?

メルコスールと既に自由貿易協定を結んでおり活発な取引を行っている国はメキシコです。ただし、双方で自由貿易に向けて締結された協定は自動車分野に限定されております。

メキシコ以外との自由貿易協定の進捗状況は以下のようになっております。

  1. メルコスール・イスラエル間の自由貿易協定(FTA)

2009年6月に締結。2010年4月に発効。

  1. メルコスール・エジプト間の自由貿易協定(FTA)

2010年8月に締結。2012年12月30日時点で各国の批准待ちで未発効。

  1. メルコスール・パレスチナ間の自由貿易協定(FTA)

2011年12月に締結。2012年12月30日時点で各国の批准待ちで未発効。

上記のように、メルコスールと域外の国との自由貿易協定という視点では、締結相手の国は決して大きな国とは言えないため、まだまだ、メルコスール域内の貿易自由化のための関税同盟という意味合いが強いと言えます。現在は、メルコスール・EUの自由貿易交渉が継続中であり、今後の動向を引き続き注視していく必要があります。

現時点において、日本企業がメルコスールの制度を活用することを考えますと、中南米地域における開発、輸出拠点としてのメリットが挙げられると思います。市場規模としましては、加盟国5ヵ国に準加盟国5ヵ国(コロンビア、エクアドル、ペルー、ボリビア、チリ)を加えた約3億8000万人の人口と、更にメキシコを加えた5億人近い市場がメルコスールの影響を及ぼす経済圏となります。

ブラジルや他の南米諸国への進出を検討する際には、進出する国だけを市場と捉えるのではなく、他の南米諸国、メキシコ、また今後はヨーロッパへの展開まで視野に入れて検討をすることにより、新たなビジネスチャンスの広がりが期待できるのではないでしょうか。

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