時事 2013年08月07日
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【特集 海外ビジネス失敗例】カンボジア進出に立ちはだかる2つの誤解とは?
カンボジア進出における失敗事例の多くに共通する事項を共有させて頂きます。
1. カンボジア進出コストは予想外に高い?
カンボジアの進出に際して、実際に安いのは非熟練労働者に対する賃金だけという認識をされたほうがよいかと思います。カンボジアは貧しい国だから、賃金のみならず、原材料費、オフィス賃料やその他役所に払う申請費用も安いだろうという考えは捨てて下さい。
カンボジアの多くの物品は、海外からの輸入にかなり依存しています。その結果、物価に関しては、タイやベトナム並み、もしくはそれ以上というケースもあります。
オフィスや住宅賃料に関しても、需要に対して供給が追い付いていない状態であり、市内のオフィス、住宅賃料はけっして安いものではありません。
その他、労働者の登録に関する届出や労働許可の取得、更新など様々な登録、届け出制度があり、年間で様々な申請費用がかかってきます。
さらには、カンボジアの法人税率は20%ではありますが、実効税率は20%以上と考えられます。例えば、源泉徴収税の制度があり、不動産・動産賃料にかかる源泉徴収税(10%、事務所や車を借りるのにも10%の源泉徴収税がかかります)、サービスにかかる源泉徴収税(15%、名刺の印刷やタクシーを乗るにも15%の源泉徴収税がかかってきます)などがあり、注意が必要です。カンボジアでは法人税制だけでなく、その他課税制度を十分に理解する必要があります。
2. その分野のプロフェッショナルが常駐しないと戦えない?
カンボジア投資の最大の特徴は、メコン地域では投資家にとって、もっとも進出ハードルが低い制度設計になっていることであり、「国ごと経済特区」などと揶揄されることもあります。
例えば、外資規制がほとんどなく、国内、外国投資家ともに等しく取り扱いを受けます。資本金に関しては、1,000USDから会社設立が可能であり(会社法144条)、費用的にもハードルが低いといわれています。さらには、株主や取締役にカンボジア人の参加やパートナーシップは特に必要とされておらず、外資100%での進出が可能となっています。
したがって、ライバルが進出しやすい投資環境にあり、進出分野のプロフェッショナルがカンボジアに常駐して、現地で管理、指導、迅速な経営判断を行うことが求められます。特に、近年では日系のサービス業や飲食業の進出が相次いでおり、ローカル、非日系外資のみならず日系企業同士の競争も激化しています。
カンボジアは、「何をしても安いだろう」「カンボジアはまだまだ発展途上の国だからライバルは少ないだろう」などという安易な気持ちで進出した場合は、痛い目をみる可能性が高いです。
カンボジアには若くて優秀で、安価な労働力、各種優遇措置、進出ハードルの低い法設計、高度成長で高まる内需といった良好なビジネス環境があります。
現地での事前調査を十分に行い、実情を十分に理解した上、覚悟を持たれてカンボジア進出を検討される必要があるかと思います。
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