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時事 2013年12月11日

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【特集 世界各国の税制度】日本は韓国の付加価値税制を見習え?

黄 泰成(株式会社スターシア・インベストメント)

日本で話題となっている消費税の増税問題ですが、正式に2014年4月から消費税率8%となることが決定しました。消費税は増税の議論が出る度に、国民の注目を集めることが多いですが、隣の国、韓国の付加価値税の場合でも同様の議論が起こっているのか、どのような制度となっているのかなどについて、日本の消費税制度と比較する形でお話したいと思います。

 

韓国の付加価値税制度のなりたち

韓国の付加価値税は1977年、朴槿恵大統領の父である朴正煕大統領の時代に施行された税制です。日本で最初に消費税が導入されたのが1989年であるため、日本より10年以上先行して導入されています。また韓国でも日本のように徐々に付加価値税率の増税が行われているかというと、韓国では付加価値税導入後、一度も税率は変更されておらず、導入当初からずっと10%となっています。ただ、導入前は税率を13%とするか10%とするかで大きな議論が行われたようですので、税率を制定する際や変更する際に生じる問題は日本も韓国も同様のようです。

そして現在も日本で議論が続いている軽減税率ですが、韓国では品目に応じて免税制度が導入されております。免税対象品目としては米、野菜、肉類、魚類などの加工されていない食料品や医療保健役務、教育役務や図書、新聞、雑誌などがあります。

 

付加価値税制度の具体的な運営方法

次は日韓の付加価値税(消費税)の運営の違いについてお話したいと思います。

まず、大きな違いとして挙げられるのは、韓国がインボイス方式を採用している点です。インボイス方式とは、納付すべき税額を、個々の取引に関するインボイス(税額が明記された請求書)に基づいて、算出する方法です。具体的には、売上に関するインボイスに記載されている税額の合計額から、仕入に関するインボイスに記載されている税額の合計額を差し引いて納税額の計算を行います。韓国で採用されているインボイスを税金計算書と言い、必ず記載しなければならない記載事項として、提供する事業者の登録番号と氏名または名称、提供を受ける者の登録番号、提供価額と付加価値税、作成年月日などがあります。

また2011年からは法人事業者は電子税金計算書の発行が義務付けられています。電子税金計算書は国税庁の「e-sero」というサイトを通して発行することができ、店舗の端末と国税庁のシステムが繋がっており、発行した電子税金計算書のデータは全て国税庁で管理することができるようになっています。また、先ほど少し触れました軽減税率を採用する場合には、インボイス方式の導入が不可欠だとする考え方もあります。

次に日本の消費税制度との違いとして挙げられるのは、韓国の付加価値税制度では申告の時期が一年間に四回あるということです。どのような仕組みかと言うと、第一期の課税期間が1月~6月でその予定申告と確定申告を4月と7月に行い、第二期の課税期間が7月~12月でその予定申告と確定申告を10月と翌年の1月に行うという仕組みになっています。また、申告の際には、売上先別の税金計算書合計表と仕入先別の税金計算書合計表を提出しなければなりません。

最後になりますが、このように韓国の付加価値税の制度はインボイス方式による納税額の計算の単純化や電子税金計算書を用いた国税庁との連携でデータがガラス張りとなっており、非常にわかりやすい仕組みとなっています。日本の消費税制度についても韓国を参考に簡素化を進めていけばいいのではないかと思います。

 

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