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海外ビジネス コラム

時事 2013年12月27日

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【特集 世界各国の税制度】ブラジルには56種類もの税金がある?

萩島 貴(アヴァンテ株式会社)

ブラジル進出時に留意しておきたいブラジルコストとは?

ブラジルに進出する場合、ブラジルコストと呼ばれる問題に注意を払う必要があります。
主なブラジルコストとして挙げられるのは、計算が複雑で高率の「税金」、労働者寄りの「労働法」、「インフラ」の未整備、「治安、言語」の問題です。

特に、税金に関しては計算がとても複雑であり、ブラジルで実際に商売をしている人でさえ、きちんと理解出来ている人がほとんどいないという現状です。むしろ、理解したくても複雑すぎて簡単には理解できないという言い方のほうが正しいと思われます。

今回はそのブラジルの税金の概要を紹介させて頂きます。

ブラジルには56種類もの税金があり、金額の規模としてはGDPの約37%に達する高負担の税金となっております。ちなみに、この割合はインド20%、日本は30%未満となっておりますので、ブラジルの税金の高さが分かるかと思います。また、税制も頻繁に変更になるため、企業への大きな負担となっています。

法人所得税は、年24万レアル(約1080万円)以下の利益額には15%が課税され、それを超える部分については25%が課税されます。
ブラジルの主な税金を下記に紹介いたします。
<連邦税>
法人所得税 IRPJ =法人税
社会負担金 CSLL =法人税
輸入税   II  =関税
工業製品税 IPI  =物品税
社会統合計画負担金 PIS=年金税制負担金
社会保険融資負担金 COFINS=年金税制負担金
<州税>
流通サービス税  ICMS=付加価値税
中小企業新興基金 FMPE=中小企業支援
<市税>
サービス税 ISS=サービス業への課税

ブラジルで商品の販売を検討する際に留意すべきこととは?

ブラジルで商品の販売を検討する場合、日本、アジアから商品を輸送する場合、地球の裏側まで運ばなくてはならないため、輸送費が高額になることに加え、高めに設定された関税も考慮しなければなりません。また、自動車や電化製品などには工業製品税(IPI)が掛かり、例えば冷蔵庫は15%、洗濯機は20%、自動車(輸入車)は排気量により異なりますが、37%以上の工業製品税が課されます。

輸送費、関税、工業製品税などを考慮すると、ブラジル国内に工場を建設しなければ、ブラジル市場で勝つことは難しい状況となっております。特に自動車などの工業製品メーカーは現地生産を基本としており、ブラジルで高シェアを確保しているメーカーはブラジル国内に工場をもっております。ブラジルでは、連邦、州、市の各レベルで優遇税制が認められており、自動車メーカーなどが工場建設を検討する場合は、各州、市と減税などの恩典交渉が行われ、恩典内容を検討したうえで立地を決める場合があります。

ブラジルに進出する際には、税金に関する知識だけでなく、移転価格に関しても十分に留意する必要があります。ブラジルは1997年より移転価格税制を導入していますが、その税制はOECD移転価格ガイドラインを規範としておらず、日本や米国などのOECD加盟国と異なる移転価格算定方法を独自に設定するなど、国際基準から乖離していることが特徴的です。

今回は税金に関する概要を紹介させて頂きましたが、非常に複雑な税制が存在するということを感じて頂けたかと思います。ブラジルは複雑な税制が存在するため、税理士、会計士、弁護士など税制に精通したスペシャリストも多く存在します。ブラジルでビジネスを展開する場合は、税制に精通した優秀なパートナーを見つけることも非常に重要です。

このコラムの著者

萩島 貴

萩島 貴

(アヴァンテ株式会社)

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