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時事 2014年03月18日

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【海外進出白書2013年版 解説】ミャンマー現地視点からの分析

池田 尚功(株式会社セールスモンスター)

「ミャンマーと近隣諸国の動向」

今回は、【出島白書 2013 年版】をふまえ、ミャンマーおよび近隣諸国の動向について、ふれてみたいと思います。

【出島白書 2013 年版】冒頭の、国別問合せ推移グラフからしましても、ミャンマーに限らず、各国についてのお問合せが、10月に増加している事が読み取れます。

実際に、弊社に頂いた各種お問合せも、9月~11月は割と増加傾向にございました。世間一般的に、下期始めでもあり、中には次年度(2014年度)に向けた、リサーチや視察、事業展開の検討着手によるものと感じています。

ミャンマーは、昨年 「SEA GAMES – South East Asian Games -」(東南アジア競技大会)と呼ばれる大会のホスト国でしたので、2013年の秋頃から現地や近隣諸国では注目はされていましたが、日本での広告やメディアの取り扱いがそれほど多くなかったことからしても、問合せ件数の増加には、あまり影響はなかったと思います。ちなみに、昨年2013年の場合は、良い悪いは別にして、注目を集めるという観点からしますと、同時期10月に発生した、ヤンゴンや各地での「爆弾事件(Traders Hotel含)」を扱うメディアの影響を受けているかも知れません。当時、現地に滞在していましたが、様々な情報が飛び交い、現地で移動や行動をする際に、私自身も、いつもよりは多少緊張感を持っていたことを思い出します。

尚、一般的に10月は雨季も終わりかけの頃で、気候的にも視察には良いタイミングだと言われます。最近は世界的な異常気象の影響か、10月終わりまで、豪雨となっています。
ちなみに、10月に限った事ではございませんが、昨年から最近にかけ、弊社へ頂く各種お問合せの内容からして、キーワードは以下が挙げられます。

● 貿易(輸出、輸入)
● 飲食店展開
● 協業候補先探し、政府関連機関等との取次ぎ
● 文化交流
● 他国との連携や有効活用(シンガポール、タイ、ベトナム等)

現地での法人設立や現地視察につきましては、近年、弊社同業他社も相当数増加している事と、各種情報が普及し、直行便も就航されたが故、独自で対応される場合が増えてきており、自社への案件は減っている様に感じます。

製造業よりも小売・サービス業に関する案件が多い?

【海外進出白書2013年版】における、国別進出業種割合の「ミャンマー」について、製造業が26%と最も高い割合です。日本以外の欧米・近隣他国からミャンマーへの事業展開からしても、製造業は需要なキーワードに違いないと思いますが、実商談・実展開としては、小売・サービス業に関する相談や引き合い、現地からの協業打診が多かった印象を受けます。

製造業につきましては、ティラワSEZもしかり、政府間の関係・交渉、日本政府機関等からの無償資金協力も多少なりとも影響しますし、電力やインフラの整備状況、必要機械等の輸出入の取り扱い、関連する法や規制の整備不足に対する懸念、場所(拠点)や協業先探しの難航等があり、製造業の拠点・事業展開候補先としての問合せは増加したものの、実際の投資・展開決定には至らないケースも多々お見受けします。もちろん、ご相談頂く方は、他の候補国や、中国・ベトナム等の既存製造拠点と比較される場合が多いようですので、日本側としましてもミャンマーである必要性があるとは言いきれず、他国での展開を決断される事も少なからずございます。

実際には、「場所の費用(賃料)」「人件費」が、皆様の想像以上に嵩む現実を目の当たりにされた方も多いかと。
もちろん、現地特有のCMPも有効な手段であるものの、現地パートナとの交渉も容易ではないため、全てが上手く行くわけではございません。完全に日本流の商談スタイルでは、現地側も抵抗を示す場合が多く、費用負担や技術支援等への取組み、単価など、現地側が求める条件と折り合いがつかない場合も少なくありません。

更に、現地側としましては、日本からだけではなく、自らも他国へ協業を打診しますし、他国からも好条件での協業を持ちかけられますので、「日本」「日本から」である必要があるわけでもなさそうです。現地側との交渉にはご注意されることお勧めします。商談の際のポイントが、幾つかございますので。

ミャンマーは既に販路拡大先の市場へと移行しつつある

最後に、海外進出の目的として、【海外進出白書2013年版】に記載されているとおり、主なものは、「①コストダウンを狙った製造拠点」「②販路拡大先の市場」の2つが挙げられていますし、同感です。

ただし、ミャンマーにつきまして、私自身は、①ではなく、既に ①から②へ移行途中であり、注目すべき点として記載されている、タイやインドネシア等と同様に、「①と②の間に位置する国」であると感じています。

実際に各種案件等で、コストを試算してみますと、「ミャンマー=コストダウン」とは言い切れず、不動産賃料、材料や商品(完成品)の輸出入の税金も含めた費用や必要手続・所要日数、その他の諸経費、工員等の賃金向上動向からしても、むしろコスト高に至る場合も多いです。つまり、ただ単に「①コストダウンを狙った製造拠点」として、ミャンマーを検討される事は、弊社としてはあまりお勧めしておりませんし、短期的な事業展開かと思われます。もちろん、ミャンマーの近隣諸国やASEANへの再貿易や、一拠点としての有効活用等、それ以外の“ミャンマーである”意図があれば、別ですが。

確かに、現地の市場や購買力からしても、表にグループ分けして記載されている欧米や中国の様に、現時点で「②販路拡大先の市場」であるとは言いきれません。
その事からしましても、「①コストダウンを狙った製造拠点」「②販路拡大先の市場」の間に位置している様に思えます。
現地のトレンドや、動向はとても早いです。特に、2011年3月以降、この3年間ですら、当時では、想像も困難な程の移り変わり様です。ただ、まだまだ様々な商機があることは事実です。

いずれにしましても、皆様のミャンマー展開が良い方向に進み、継続してミャンマー側と協業・共存でき、ミャンマーからも、真っ先に求められる「日本」として存在できるよう、「ミャンマーである意義」「ミャンマーである必要性」「ミャンマー流」を念頭に、現地活用や事業展開に共に取り組んでいければ幸いです。

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