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海外ビジネス コラム

時事 2014年06月05日

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その海外進出に「志」はあるか?進出先で、本当に求められているものを考えよう

大久保 秀夫(株式会社フォーバル)

グローバル化する社会の中で、日本企業の取るべき戦略はどういったものなのでしょうか? また、中小企業の生き残る道は? 「Digima〜出島〜 コラム」では、官庁などを巻き込みながら日本の中小企業の海外進出支援体制を構築してきた株式会社フォーバル代表取締役会長・大久保秀夫氏に、海外ビジネスの成功のポイントについてご執筆頂きます。

フォーバルが日本企業の海外進出支援事業を立ち上げたきっかけ】

これから6回にわたって日本企業の海外進出を成功させるためのポイントについて連載をさせていただきますが、初回で私が伝えたいことは、「海外進出の志」についてです。というのも、「志」を持っての海外進出はうまくいく可能性が高い。私自身の経験からもそう感じています。

そもそも私がフォーバルという会社で日本企業の海外進出支援事業を立ち上げたきっかけは、遡っていくと「カンボジアの子どもたちの支援」にありました。以前から50歳になったときに社会貢献したいと思っていました。25歳で起業しているので、四半世紀も経営すれば、少しは自分が得たものをお返しできるのではないかと考えていました。

実際は50歳からすぐにスタートできたわけではありませんが、たまたま弊社の顧問をやっていた方が、カンボジアで社会貢献活動をしていました。その彼が病気で手術をしたこともあり、もうカンボジアに行けなくなってしまい、その活動を引き継いでくれないかと相談されました。地雷の撤去や子供を預かる施設などを作ってらっしゃったんです。

そこで、これはひとつのチャンスだと考えカンボジアの地を踏むことにしました。そして、当時、在カンボジア特命全権大使をされていた篠原さんとカンボジアでは何が一番求められていることなのか、という話をしていたら「教育」というキーワードが出てきました。カンボジアは特にポル・ポト政権での粛清で教職者がいなくなってしまっていた。日本人の支援は、残念ながら学校の建設ばかりで、教えられる人がいないという問題が残っていたのです。教育者、教科書、教え方、これがなければ学校がいくらあっても意味がありません。

現地や日本で求められていることを見つけた

その話を聞いて、私は「国境なき教師団」を組成して、日本から優秀で経験豊富な先生を連れていき、学校の先生になるための教員養成校を支援しようと考えました。そこの力がつけば、卒業生はみんな先生になっていくわけなので、一番効率がいいのではないかと思ったんです。

そうして支援活動はスタートを切ったのですが、カンボジアの「教育」の課題としてもう一つ、勉強に対するモチベーションが上がっていないということがありました。カンボジアでは、例えば国費留学生として日本に行っても、戻ったら通訳かガイドしか経験を活かせる仕事が無かったのです。そのため、雇用の部分が足を引っ張り、勉強のモチベーションが上がっていませんでした。これは大きな問題です。

そこで、私は、自分の会社がまず進出し、若い人を雇用しようと思いました。そんなことを考えているとまたしても偶然なのですが、ちょうど日本商工会議所の方から、「日本はこれから少子高齢化の中で海外進出していかなければ雇用を確保できない。そこで、中小企業の海外進出を支援するべく経産省が音頭をとって動き始めた」という話を聞きました。

そして、「中小企業国際化支援委員会」を発足させるので、初代の委員長になってくれないかという依頼が来ました。政府のメンバーに私が入り、海外進出支援の大綱をつくったわけです。それと並行して海外進出を進めていたフォーバルですが、更に多くの企業を海外に連れて行って、みなさんに雇用を与えてあげようということになり、日系企業の海外進出を応援すべく、現地で許認可申請から人材の採用・教育まで一気通貫のサービスを提供することにしたのです。

これは、うまく行きました。いろいろな縁が重なり、現地に求められていることを実現させられたのだから当然の結果と言えます。「志」があり、現地に必要なことをやれば、成功は必ずついてきます。

さて、次回以降は、海外進出時に苦労することや、現在の実際の市況などを述べていきたいと思います。

引き続きよろしくお願いいたします。

 

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大久保 秀夫

(株式会社フォーバル)

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