時事 2015年03月13日
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MENASAの鍵を握るインドとUAEの関係その2 労働問題
UAEの移民事情
前回に引き続きインドとUAEの政府間での取り組みをみてみます。1990年代以降ドバイの人口増加は主に外国からの移民に頼ってきました。現在では人口の大半が移民で構成されています。
移民は二通りに分けられます。一部は高度な熟練労働者で、主にイギリス、アメリカ、オーストラリア、カナダ、またその他欧米諸国から来ます。彼らはUAEの石油、ガス関連産業、銀行、金融業等で働き、ドバイの主要産業を支えます。対照的に非熟練労働者のほとんどはMENASA地域から来ています。
UAEのインドコミュニティーは2012年時点で260万人を越え、UAEの人口920万人に対して3割弱を占めます。260万人の人口の内15%は高度熟練労働に就き、その他の20%はホワイトカラー職(ショップ店員、営業マン、会計士等)、そして残りの65%がブルーカラーです。UAE在住のインド人がインドに送金する金額は80億米ドル(8700億円)を越えます。
労働力に関するインドとドバイの関係は?
ただ、最近UAE ではインド人労働者に対する労働問題が多発しています。65%のブルーカラー労働者の中には給料を数ヶ月も滞納され、入国と同時に雇用主にパスポートを取られる等という非人道的な扱いを受けている労働者が多くいます。
そのためインド政府はインド人労働者の環境改善に向け、2006年に労働力供給に関するMOU(了解覚書)をUAE政府と交わしました。内容としてはインド人労働者の採用を増やすための取り組み、就労に関わる手順の明確化、雇用主の責任の明確化、雇用契約の義務化等幅広い内容が盛り込まれています。
人口の限られているUAEは労働力の強化のため積極的に外国人労働者を受け入れ、またインド政府はより多くのインド人をUAEへ送り出して行く事により国外からの収入増加と印僑ネットワークの拡大を行っています。
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