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海外ビジネス コラム

時事 2015年05月07日

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マレーシア人の日本への送り出し制限施策とは?

鵜子 幸久(桜リクルート社(マレーシア))

アジア人の大学生を新卒で採用しようという企業が増えている

 
日本企業の東南アジア進出は相変わらず旺盛な感がしますが、その動きを先取りした形で、日本でまずアジア人の大学生を新卒で採用しようという企業が増えています。企業側からしたら、進出を計画しているアジアの若者を日本で教育し知識や経験を積ませることで、進出時に即その人間を駐在員として送り出せすぐにオペレーションが開始できるというメリットは当然としてあります。
ここ数年、人材紹介業をやっている当社のもとにも日本の企業から問い合わせがたくさんあります。また協業を前提として在日本の大手人材紹介会社からも送り出し要請のコンタクトを受けています。

この要望は今後さらに高まってくると思いますが、ここで認識しておかないといけないこととして、東南アジアと言っても色々な国があり、それぞれに国策が異なるということです。その国が現在発展途上状態だとすればですが、その国は国策として国民のスキルアップと外貨獲得のために国あげて日本に送り出そうとするでしょう。ベトナムやインドネシアなどは技能実習制度システムで多くの国民を政府自らが日本に送っています。しかし反対に、このマレーシアのように、国のステータスがある程度の先進状態になった場合、国としては税収や基幹産業の維持の観点でむしろ海外への人材流出をよしとしない状況が生まれます。

海外への現地人材流出をよしとしないマレーシア

マレーシアの場合は現在確実に後者の状況が押し寄せています。学歴の高いものはすでに給与水準の高く英語がそのまま使える欧米やシンガポールなどに流出してしまい、国内の先進セクターでは慢性的な人材不足が起こっています。例えばITや通信セクターでは有用な人材の給与は日本円換算で30~60万円ほどになっており、それでも人が見つからないというような問題となっています。

マレーシア政府は4年前から「タレントコープ」という外郭団体を立ち上げ、海外在住の有用なマレーシア人をインセンティブ付きで国に呼び戻すというアクションも始めました。反対に、我々人材紹介会社が仮にマレーシアの優秀な人材を日本に紹介しようとする場合には、個人ごとに送り出しライセンスを取得する必要があるばかりでなく、高額なボンド(保証金)を国に払わないと許可が出ない状態で実質ストップをかけられているような状態です。

さらに厳しいことを書くと、経済発展の裏返しで平均給与が25万円ほどになってしまっている現在のマレーシア国民は、在日本企業がたいして変わらない給与オファーをしたとしても魅力を感じないばかりか、日本語という世界有数の難しい特殊言語をわざわざ勉強しなくても、英語がそのまま使えるシンガポール・豪州や欧米に自ら行ってより高い報酬を狙いたいという志向が顕著です。

このような背景がマレーシアでは強まっているため、たとえば日本語不要で給与は欧米レベルを出してでもハントしたいというよほど思い切った戦略を打てる在日本企業でない限りは安易な採用は難しいように思います。日本人はとかく一元的に「東南アジア」とか「アセアン」という言葉でくくってしまいますが、古い固定観念を持ったままの人を大変多く見かけますので、しっかり勉強していただきたく思います。

このコラムの著者

鵜子 幸久

鵜子 幸久

(桜リクルート社(マレーシア))

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