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海外ビジネス コラム

その他 2015年06月30日

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【食ビジネス特集】次々と進出する日本食レストランに勝機はあるのか

但野 和博(Accounting Porter Co., Ltd.)

日本と変わらない食生活レベルを享受できる都市・バンコク

タイ、特にバンコクに住んでいる日本人にとっては当たり前ですが、自国以外の国で日本とほぼ変わらないクオリティ、価格で日本食を日常的に食べることができる都市が世界にどれだけあるでしょうか。それくらい食については日本と変わらない生活レベルを享受できる都市になっています。

既にタイ全土で7千店くらいあると言われている日本食レストラン。大きく分けるとタイの大資本で日本食に近い日本食を提供するレストランと日本人が直接関与し日本人プロデュースにより提供するレストランに分かれます。タイの人にとって日本食がブームではなく完全に定着しているのは、このようなタイ大資本による貢献があったからでしょう。日本人からみたら及第点レベルの店も多々ありますが、大きなデパートには必ず入っているチェーン店などの功績は大きいです。カツ丼や天ぷら、ラーメン(特にとんこつ味)を知らないタイ人はもはや見つけるのが難しいくらいです。バンコク都心であれば刺身ですら普通に食べられる人も結構います。

そんな状況の中、それでも日本食レストランは次から次に進出してきており、日本で名の知れた店舗はほとんど出揃ってきており、日本と同様、競合店との競争に晒されています。当然撤退するところも出ており、各店は工夫を凝らしてこの競争に勝ち残る必要があります。郷土料理を謳った店や日本人によるイタリアン、はたまたメイド喫茶まで出てくるなど手を付けていない分野がないくらいにバラエティーも豊富です。

価格帯は日本食居酒屋で一人2~4千円と思いのほかリーズナブルな価格設定で、その気になれば3食日本食で済ますこともでき、実際そういう日本の方はたくさんいらっしゃいます。工業団地内でも日本食弁当のデリバリーがあるくらいです。

このように日本食レストランとしてタイに進出することは、既に現地での仕入・配送ルートなどの供給及びインフラも整っていることからさほど難しくないためか、安易に進出を考えてしまう人も中には散見されます。

タイ進出時の落とし穴と成功のポイントは?

本業の会計事務所の立場で言わせてもらうと、タイでは思いのほか経理処理が煩雑で現地会計がおざなりになっている会社に限って1年せずに撤退の憂き目にあいます。

また、タイでは外国人事業法の規制により、飲食業はサービス業のカテゴリーになるため規制の対象となり、独資での進出は原則としてできません。そのためタイ現地の人や法人と合弁にするか、既に進出している日系でタイ現地法人と合弁にするのが一般的です。ほとんどが経営に口を挟まない形の合弁が多いですが、そのため最初の段階で株主の権利などをよくよくパートナーと取り決めておく必要もあります。これを怠ったが故に後日トラブルになるケースは非常によく聞きます。

このようにタイだから進出しやすいとか、日本人が多いから成功しやすいという方程式はもはや当てはまらない中で、食ビジネスとして成功をするためには、日本国内と同様、現地で受け入れられる嗜好などの分析をはじめとしたある程度のフィージビリティスタディが必要だと思われます。

これは私見も入りますが、多店舗展開して成功していると思われるお店の特徴としては個性的であること、タイ人スタッフの教育が行き届いていること、日本人向けに妥協のないクオリティを提供することが結果的にタイ人顧客層のリピーターにつながっていることなどが見られます。 

以上ですが、上記が今後、タイへ食ビジネス関係での進出を考えている皆様の参考になればと思います。

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但野 和博

(Accounting Porter Co., Ltd.)

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