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海外ビジネス コラム

営業戦略 2015年06月30日

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海外で販売パートナーを見つけよう(3)「販路開拓のプレーヤー」

大澤 裕(株式会社ピンポイント・マーケティング・ジャパン)

日本人が誰も答えられない質問

みなさんに質問です。

日本には「代理店」「問屋」「商社」といろいろな言葉があって、「うちは海外に代理店がありますので」とか「商社さんが海外にいます」などとよく耳にされるでしょう。では、代理店と商社はどう違うのでしょう? また問屋と商社は? 

答えをお教えしましょう。

正解は、「誰も知らない」です。

なぜなら日本においては、そういった販売仲介業者の明確な定義づけができていないからです。

英語では「セールスレップ」と「ディストリビューター」という言葉があり両者には歴然とした機能の違いがあります。
※セールスレップは「セールス・レプリゼンタティブ(sales representative)の略で、「セールス・エージェント」と呼ばれる場合もあります。

問題は日本語で「代理店」「問屋」「商社」といった言葉について、明確な違いが定義されていないために、英語の「セールスレップ」と「ディストリビューター」も同じようなものだろう、と思われる方が多いことです。

実際、海外と取引がある商社の方でも、このセールスレップとディストリビューターの違いを明確に理解できていない人は珍しくありません。というのは、商社マンであっても自分で海外に販路を作った経験のある人というのはひと握りしかいないからです。

しかし、両者には明確な違いがあります。それをよく理解しておくことが、海外の販路網構築で成功するカギになるといっても過言ではありません。

今回は、このセールスレップとディストリビューターの違いを説明していきます。

ディストリビューターとセールスレップの違いとは?

まず単純にいって、メーカーは海外顧客に製品を送って代金をもらいたいわけです。その日本の会社と海外の顧客を結び付けてくれる存在として「ディストリビューター」と「セールスレップ」があります。いずれの場合も、「顧客」は、製品が産業材なら企業の工場や研究所かもしれませんし、消費財であればチェーン店かもしれませんし普通の個人かもしれません。「製品を送って代金がほしい」という構造は同じです。

では、「ディストリビューター」と「セールスレップ」で何が違うのかといえば、売る製品の「所有権をもつ」か「所有権をもたない」かという点です。商社、問屋、代理店、Xマーケティング、Y販売……等々、どんな名前がついていても、どちらかに分類されます。

詳しくは後述しますが、自社で購入し所有した状態から再販するのが「ディストリビューター」であり、自社では製品を購入せず販売の代行だけして成功報酬のコミッションをもらうのが「セールスレップ」です。

ですから極端に言えば、販路網を構築する方法は次の3つしかありません。

・ ディストリビューター活用
・ セールスレップ活用
・ メーカー(またはその販売子会社)からの直販

つまり海外販路網の構築は、この3つをどう組み合わせるか、という問題になります。もちろん、3つが混在するパターンもあり得ます。次回はそれぞれについてさらに詳しく見ていきましょう。

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このコラムの著者

大澤 裕

大澤 裕

(株式会社ピンポイント・マーケティング・ジャパン)

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