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海外ビジネス コラム

営業戦略 2015年07月07日

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海外で販売パートナーを見つけよう(4)「選ぶ際のポイント」

大澤 裕(株式会社ピンポイント・マーケティング・ジャパン)

ディストリビューターは価格が自由に決められる卸売業


改めて、ディストリビューターとセールスレップについて詳しくみていきましょう。

ディストリビューターはメーカーから製品を買います。いったん自分のモノとしてその製品を購入したのちに、それをエンドユーザーである顧客に再販します。このエンドユーザーはモノによって、一般個人かもしれないし企業かもしれません。

メーカーの立場から言うと、ディストリビューターに製品を売って代金を回収した時点で、取引は終了します。「100万円の商品を売りました。代金を受け取りました。ありがとう」と、それだけです。その100万円で買った商品を、ディストリビューターが最終的に誰にいくらで売ったのかという情報はメーカーには入ってきません。

仮になんらかのきっかけでメーカーからディストリビューターに売った価格の何倍も高い価格でエンドユーザーに販売していることが分かったとしても、それに対してメーカー側はディストリビューターにどうこう言える権利はもちません。一方で、メーカーにすると早期に売上がたつメリットがあると言えるでしょう。

なお、ディストリビューターには独占ディストリビューターと非独占ディストリビューターがあります。その地域における独占販売権を、メーカーが与えるか与えないかの違いです。

多くの場合、ディストリビューターは、その地域における営業努力が報われるように(自社が飛ばされないように)独占権を求めてきます。ただし、大きな国で独占ディストリビューターに長期間任せると、権利だけもらって販売努力をしないといったリスクがありますので注意しましょう。

独占権を与えない場合は、非独占のディストリビューターということになるわけですが、この場合は特にディストリビューターとして任命せずに、発注があるたびに通常の売買契約を結ぶだけで大丈夫とも言えます。そういったかたちで、メーカーの知らない間に日本製品が輸出されていることもあります。

セールスレップは成功報酬型の販売代行業

それに対してセールスレップはメーカーから製品を買うわけではありません。「買わないとすると何の裏書きがあるのか?」というと“合意”があるのです。

「我々はカリフォルニア、ロサンゼルスでさまざまな医療機器を販売しているセールスレップです。あなたの会社(日本メーカー)の医療機器、当地域でも需要があると思います。ぜひ、我々に販売代理を任せてください。ついてはカリフォルニア州で我々が売り込みに成功したら、売上の15%をくださいね」といった成功報酬の約束です。

その合意をもって、セールスレップは医療製品の販売活動を始めます。具体的にはカタログやビデオやサンプルをもって、カリフォルニアの病院や研究所等を回り始めるということです。もちろんホームページでも宣伝します。

それでUCLA附属病院が「この製品、面白そうじゃないか。手始めに1台購入しよう」ということになったとします。その商談はセールスレップが行うのですが、商談がまとまった時点で、製品は日本のメーカーからUCLA附属病院に直接に送られます。

そして、ここが大事なのですが、代金はUCLA附属病院からセールスレップを経由せずに、日本メーカーに直接に送られます。

日本メーカーは代金受け取り後に「セールスレップさん、ありがとう。おかげさまでUCLA附属病院に無事1台が納入できました。我々は代金の1000万円を受け取りました。約束どおり、成功報酬として15%の150万円を支払います」とお金を振り込むのです。

ポイントは何かというと、この一連の取引の中で、セールスレップはそのメーカーの商品を自分では一度も所有していないということです。彼らは、まさに販売の代行だけして、その手数料を成功報酬してメーカーから受け取ったのであって、ディストリビューターのように自分が買って誰かに売り、その差額で儲けたわけではないのです。

このように「売る製品の所有権をもつか、否か」がディストリビューターとセールスレップとの定義上の差異というわけです。それだけのことですが、これがさまざまな違いを生み出し、自社の製品や体制に合った販売代理店を選ぶ際のポイントにもなってきます。

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このコラムの著者

大澤 裕

大澤 裕

(株式会社ピンポイント・マーケティング・ジャパン)

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