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海外ビジネス コラム

その他 2015年09月04日

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【ニッチ産業特集】自転車? 個人情報? タイの狙い目ビジネスを予測

但野 和博(Accounting Porter Co., Ltd.)

洪水があっても、デモがあっても、クーデターがあっても、そして最近では爆弾テロ騒ぎがあっても、日系企業の進出が引きも切らない、それがタイです。

このコラムでも何度か触れていますが、最近はサービス業での進出が目立っている実感があります。タイに赴任してきた駐在員の方にとっても、日本の生活レベルとほぼ同じ環境で過ごすことができる世界都市の一つになってきたと言えるでしょう。

そんな中で、タイでビジネスを提供して3年しか経っていない私が言うのもおこがましいですが、自分なりに今回のテーマであるニッチ産業について、タイではどういったものが既にあり、どういったものがこれから受けるのかという考察を、主に生活サービス面からしてみたいと思います。

日本人をターゲットとしたタイのニッチ産業

まず、タイには日本人在住者数が、在留登録されているだけでも6万4千人(2014年10月時点)となっています。また、毎年5~10%程度のペースで増加しおり、2000年からの15年で実に3倍にも増えています。そのため、日本人向けに特化したビジネスとして成り立つようなものも数多く存在します。例えば、漫画喫茶、レンタルビデオ屋、クリーニング屋、古本屋、日本人向けフリーペーパーなどは、客層及びターゲットがほぼ完全に日本人です。日本人向けなのでタイ全体からみれば当然マイノリティ-であり、ニッチ産業です。ただ、今後はタイローカルマーケットにも受け入れられるよう展開していく可能性があると思います。

また、当初はニッチだったと思われるもので、今ではメジャーになったもの、あるいはこれからメジャーになっていくのではというものとしては、以下のようなものがあります。日本の漫画、日本のお菓子、日本酒、寿司、日本向け旅行、オンライン英会話、スマホゲーム、LED照明などです。

上記はBtoC向けの視点ですが、BtoBの観点で探してみると、次のようなものが思い当たります。オフショア開発、浴場付サービスアパート、人工雪レジャー施設などです。

自転車? 個人情報? 今後タイのニッチ産業となりうるものは

ただ、生活水準はバンコク都市部にいる限りは不便を感じないのが現状です。例えば日本への一時帰国の際にあえて日本から持ってこようと思うものが少ないと感じるのは、タイ現地で日常生活品始め一定の水準を満たすものは一通り入手可能だからです。私が持って帰ってくるものも、タイで入手できるが少し高くなる新書などの本や雑誌、タイよりも進化しているカップ麺などの保存食くらいになっています。

さて、これまでの話の流れで、結局のところニッチ産業で、今後狙えるものはないという結論はやはり寂しいので、あえて探してみました。

タイでもインターネットなどを使ったソーシャルネットワーキングの発展は日本と同様でFacebookやLineを使っているのが日常です。そんな中で続々と便利なアプリが活用されつつあり、最近では世界中で浸透してきたAirbnbやGrabTaxiなどアプリを使ったサービスが徐々に浸透しているように思います。その一方で、便利なサービスがあっても使っていないタイ人のほうが多い気もします。BTSなどの電車内ではゲームをしている人のほうが目立ちます。クチコミで済むものはクチコミで、という気質的なものがあるのか、あるいは初めてのものに対して敬遠しがちな気質なのかもしれません。ですので、先述のSNSと便利なサービスを連動させることができれば、可能性はあるかもしれません。

また、これはインフラ寄りの話になってしまいますが、タイでは都心部でも道が凸凹で歩きにくいです。自転車文化がタイでも流行の兆しがありますが、まだまだ車優先社会なので安心して走れるところが少ないです。こういったところを解消できるサービスなども欲しいところです。

さらに、タイでもポイントサービスなどをはじめ、顧客情報の蓄積や活用が進んできておりますが、個人情報保護法がなく、概念としても情報の秘匿性や価値に対しての認識が薄いです。そこで、データマイニングなど、データを活用したサービスの提供が進む前に、情報を収集しやすい現段階で、動けることはたくさんあろうかと感じています。とはいえ、タイでも最近TSUTAYA監修のT-Pointが使える店が出てきたので感度の高い法人は既に動き出しています。

最後にこれは前半にも少し挙げたように日本への旅行などはじめとしたインバウンド系のビジネスは、これからは間違いなくタイでも進むでしょう。タイ国内でも頻繁に旅行博や日本の地方特産品などのプロモーションはじめ、日本に関係するイベントが開かれています。そういったタイ側の働きかけに加え、日本からも地方から積極的にタイに進出しようという元気な地方や会社も多数あり、自治体の補助金などの支援も充実してきており可能性を感じます。

いずれにせよ、近年タイへ進出されようとお考えのお客様でやはりインバウンドに絡めたサービスの展開を模索していることが多くなっていると実感しており、きっとその中でもまだまだニッチなサービスが眠っているのではと踏んでおります。

このコラムの著者

但野 和博

但野 和博

(Accounting Porter Co., Ltd.)

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