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時事 2016年01月04日

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【特集2015年総括2016年予測】ミャンマーのトピックを総ざらい!

迫川 敏明(株式会社VACコンサルティング )

皆様、新年明けましておめでとうございます。
旧年中は大変にお世話になりました。本年もよろしくお願い申し上げます。

ミャンマーの2015年を振り返ってみますと、まさに歴史に残る激動の1年と言ってよかったのではないでしょうか。ミャンマーでは2011年の総選挙後に民主化の流れが始まりました。世界からの注目・関心を集め、多くの外国企業がミャンマーへと押し寄せてきました。そして2015年11月8日の総選挙ではアウンサン・スーチー女史率いるNLDが圧倒的勝利を治め政権交代を果たしました。まさに民主国家ミャンマーのスタートであったといえます。

弊社は2012年1月にヤンゴンに事務所を開設し2016年1月で丸4年になります。私自身は5年近くミャンマーの動向を見てきました。この特集ではミャンマーの2015年を振り返り、2016年の予測をとのことですので私個人の私見も交え、その動向を述べてみたいと思います。

ミャンマーの2016年を振り返って

【政治動向】
何といっても2015年11月8日の選挙でしょう。アウンサン・スーチー氏率いるNLDの大勝によりついに政権が交代することになりました。2016年1月~3月の間に国会召集から各担当大臣の指名を行い、4月の水かけ祭りあとからは本格的に新政権での国家運営が行われてきます。まさにミャンマーは民主国家として名実ともに突き進んでいくことになります。現地の状況から今回は政権交代が順調になされるのではないかという感じもします。そうなるとアジアのどの国よりも民主的な国家運営が行われるかもしれないと個人的には非常に期待をしています。

【経済動向】
経済に目を移していきますと、これまでに高騰し続けてきた不動産価格も2015年1月をピークに下落基調になっております。これまでが異常と言えば異常であったので少しずつ市場価格に近づいてきたと言えるのではないでしょうか。来年は多くのオフィス・アパートが立ち上がりますので、より一層下落していくものと考えられます。日本企業のミャンマー進出の足かせの1つがオフィス・アパート費用の高額な負担であったのでこの点は大いに歓迎すべきことです。

また9月23日にティラワ工業団地が開業し、ミャンマー初の国際的工業団地に日系企業も含め多くの製造業が進出を予定しています。これを起爆剤として製造業のミャンマー進出に弾みがつけばと思います。

反対に通貨チャットに関してみてみますと、こちらはこの1年でかなりの下落となりました。下落率でいうと50%近くになっています。理由は貿易収支の輸入超過にありますが、こちらは当分の間は改善の見込みはないだろうと思います。ミャンマーでは製造業が育っておりませんのでどうしても資材を中心に輸入に頼らざるえないのです。しばらくはチャットの下落を止められないのでないかと考えています。その影響として物価高がすでに起こっており、一般市民の生活を直撃しています。これが社会不安につながらなければいいと心配しています。

【経済動向(日系)】
2015年は日系企業の進出ラッシュの年でもありました。2012年12月はヤンゴン日本人商工会議所会員数80社弱だったのが2013年12月に130社弱、2015年12月には270社と倍々ゲームで増えています。進出企業の内訳は建設関連企業・サービス関連・製造業の駐在委事務所がもっとも増加しています。ただ、業績を見てみるとまだまだ投資の段階にあり、事業として利益があがるのはまだまだ先であると見受けられます。

2012年・2013年に多くあった視察に関しては一服感が出ています。また、進出の際に不動産などの投資コストが高額であるため中小企業の動きは極めて低いといえます。

ミャンマーの2016年を予測する

【政治動向】
2016年の政治面での注目は何といっても年初に行われる組閣だといえます。総選挙で大勝をしたNLDではありますが政治手腕が未知数の為、どのような国家運営をおこなっていくか注目を集めております。また、軍関係との駆け引きもあり他民族国家ミャンマーを安定的成長へと導くためには政治の安定は不可欠です。まさにアウンサンスーチー氏の手腕が試される1年になると考えられます。

【経済動向】
もっとも注目はアメリカ企業の動向です。2012年から表立った動きはありませんでしたがアメリカは水面下で経済制裁完全撤廃の準備を進めてきています。アメリカ企業も虎視眈々とミャンマー市場を目指してきていますので、今回の政権交代でアメリカがどう動くのか注視したいところです。反対に前政権と近かった中国は巻き返しに動くものと考えられます。政権交代で大幅な規制緩和があるようであればミャンマー進出に一段の弾みがつくことでしょう。

東南アジア諸国連合(ASEAN)経済共同体(AEC)発足によるアセアン経済の一体化は後発国ミャンマーにとっても大きなファクターの1つになることは間違いありません。次の10年はアセアンの時代と言われますが、ミャンマーがアセアン地域でどのような役割を担っていくかを占う大きな年となると思います。

【日系動向】
さて日系企業のミャンマーへの進出同行ですが、ここ最近は選挙の様子見もあり進出が落ち着いている感じが現地ではします。特に日系中小企業がミャンマーに進出するにはまだまだ敷居が高い状況に変わりはありません。そのため引き続き大手企業の進出はあるかもしれませんが中小企業がこぞってミャンマーを目指す動きが2016年にでるとは考えづらい状況ではあります。

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