海外ビジネス コラム

営業戦略 2017年03月28日

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現地に溶け込み、有益で正確な情報を手にすることが成功の鍵

永井 政光(NM AUSTRALIA PTY LTD)

ビジネスを行うにあたって、成功するための必要不可欠な要素はいくつかありますが、そのトップ3には必ず「正確な現地の情報を把握する」という条項が入ります。特にオーストラリアに限らず海外では日本と異なる商法、現地ルール、文化や言語なども複雑に絡み合うので、正確な情報なしで現地に飛び込むことは自殺行為だと言えるでしょう。

我々日本人は残念ながら、オーストラリアについて十分に正確な情報を手に入れているとは言えません。その大きな理由は二つ考えられます。

一つは認識の違いです。前回もお伝えしましたが、日本人はまだまだ、情報がタダだと考えてしまう場合が多く、情報を得るために対価を支払う認識が他の国に比べて少し低いと感じます。情報を提供する側からすれば、きちんと情報の価値を理解して、それに対する対価を支払ってくれるほうを優先するのが、ビジネスとして当たり前です。タダで手に入る情報は、すでに遅れた情報か、それとも重要な情報でない場合が多く、対価を払いしぶる日本人は必然的に、「ビジネスに直結する有益な情報を他社よりもいち早く手に入れる」近年の情報戦線に遅れを取ってしまうことになります。

より早く情報を手に入れることが可能なツールとして、インターネットがあるではないかと指摘を受けてしまうかもしれませんが、インターネット上で溢れる情報は初期段階では有効性は高く、そして手軽で、安易に手に入れられるものですが、そこはやはりフリーソースなので、信頼に値するものから、そうでないものまで玉石混交になります。その中から正しい情報を拾い上げると言う、また別の能力も必要になります。

時間と労力を掛ければ、最終的に欲する情報にたどり着ける可能性がないとは言えませんが、やはり行きつくところまで行けば、その方法も限界があると言わざるを得ません。

重複してしまいますが、世界はものすごい速さで動いています。極端な話今日は十分な利益を上げ、魅力的な可能に飛んだ商材や計画でも、1か月後には意味をなさない可能性も低くはありません。正確で有益な情報は、現在のビジネス界に置いてはお金よりも大事だと言えるでしょう。

それともう一つの問題は、言葉の壁です。近年英語を話せる日本人が増えてきたとはいえ、まだまだ他国の人間と比べると、日本人の英語力は不十分です。もう少し正確な表現をしますと、純粋な英語力もさることながら、モノ怖じせずに現地の人間の輪に溶け込んでいく社交能力が足りません。コミュニケーション力と表現しても良いと言えます。余談ですが英語が堪能なだけでビジネスが大成功になるのであれば、英語がネイティブな人であれば全員大成功になってしまいます。英語力はコミュニケーションと言う名の大枠の、ほんの一部分にすぎない事を忘れてはいけません。社交をすっ飛ばしてインターネット上から拾う情報も無意味なものとは言いませんが、やはり情報はその道に精通した人間から直接耳にするのが一番です。

イチ地方工場だった本田技研を “世界のホンダ” に育て上げた故・本田宗一郎氏は、まだ第二次大戦の戦禍が残る時期、外貨持ち出し制限と大きなハンデがある中、果敢にも単身渡米し、現地の飲み屋などで、ろくに英語が話せないのにも関わらず、自社製品の話や海外はおろか、母国日本でも知名度が高くないにも関わらず同時に自社製品のセールスまでしたそうです。日本人が未だに抜けきれていない白人コンプレックスなどどこ吹く風。この行動力とモノ怖じしない性格が、今日のホンダを作り上げた原動力だと言えます。

客観的に見て、南米や南ヨーロッパの人たちも、英語が上手いとは、正直思えません。来豪当初の語学力は日本人と大差はありません。ただ大きく異なるのは、彼らはどんどん前に、前に出て現地に溶け込もうとします。現地の人間と交流を持ち、友人関係を築き上げれば、より多く、より深く、現地の人間しか知り得ない情報が手に入ります。またその際の副産物として、現地の人間とコミュニケーションを取ることにより、語学力が上達します。「有益な情報をいち早く、正確に手に入れる」――このためには、現地にいかに早く溶け込むかが、最大の鍵となります。

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永井 政光

(NM AUSTRALIA PTY LTD)

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