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海外ビジネス コラム

時事 2013年01月18日

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【特集2012年総括2013年予測】飛躍を続けるカンボジア経済を読み解く3つの要点

山本 貴宏(RIKUYO (CAMBODIA) CO., LTD.)

当コラムをご覧の皆様、新年明けましておめでとうございます。
本年も何卒宜しくお願い申し上げます。

余談ですが、実はカンボジアでは3種の新年が存在します。

ひとつは西暦による正月(1月)、さらには旧暦による中華正月(2月)、最後がカンボジア暦によるカンボジア正月(3~4月:毎年変動)です。

 

さて、今回のコラムのテーマであります「2012年におけるカンボジア経済の総括、2013年予測」についての私見を述べさせて頂きます。

-カンボジアにとって2012年は大きな飛躍の年だった-

【ASEAN議長国に】

理由の一つとして挙げられるのは、東南アジア諸国連合(ASEAN)会議の議長国を務めたことです。ただ、南シナ海における領有権問題で、カンボジアにとって最大の債権者である中国の肩を持つスタンスをとった為、他のASEAN諸国ならびに日米からの批判に晒されました。

以前のコラムでも述べましたが、同国は中国との領土紛争が存在せず、かつ1992年以降続く政府無償資金援助と優遇借款により多大な恩恵を受けており(約21億ドル)、民間企業による直接投資も他国を圧倒しているためです。

 

【カンボジア証券取引所開設】

また、韓国証券取引所の支援によりカンボジア証券取引所(Cambodia Securities Exchange, CSX)が開設されたこともその理由です。

オープン初日から買い注文が相次いで上々の滑り出しとなりました。当証券取引所の資本の内45%は韓国証券取引所が保有をしています。現在の上場企業はプノンペン上水道公社の一社のみとなっていますが、CSXのCEOであるHong Sok Hour氏は「5年以内に20社の上場を目指す」としており、実際には政府系公社2社に加えて民間企業数社が上場申請中となっております。2013年は民間企業による上場申請数が大幅に増加する見込みとなっており、国内経済のさらなる発展に寄与するでしょう。

 

【日系企業の進出が更に加速】

日系企業進出の増加も目立ちます。2011年の進出企業(商業省登録ベース)は86社、2012年は100社を超え、カンボジア日本人商工会会員企業・団体も100社を超えました。

製造業で目立った企業としては、ミネベアや住友電装がプノンペン経済特別区にて本格生産を開始し、矢崎総業はコッコン経済特別区にて工場を完成させました。

小売業ではイオンモール・プノンペンの着工が開始し、2014年春に開業予定となっております。イオンの岡田社長は「カンボジア国内で5店舗程度までの展開を考えている」と述べており、カンボジアの内需に目を向けた企業の進出も2013年以降は更に増加してゆくでしょう。

 

-2013年も好調を維持するカンボジア経済 4つのエンジン-

【カンボジアの今後】

安価な人件費、若く豊富な労働力、高い経済成長率、都市部における内需の急拡大、税制優遇、参入障壁の少なさなどの理由から近年にわかに世界の注目を集めるカンボジア。

同国経済の4つのエンジンと言われる「観光」「縫製」「農業」「建設」分野は好調に推移することが予測され、実質GDP成長率は6.5%と見込まれています。

また、2015年までに実施が予定されているASEAN域内の関税撤廃が実現すれば、ASEAN統合市場へのアクセスというメリットを享受できるという点でも、ASEANの巨大マーケットを狙う企業にとって同国は非常に魅力的な進出先となるでしょう。

一方で「脆弱な電力供給」「割高な電気料金」「高い物流コスト」「熟練労働力の不足」「原料調達率の低さ」といった克服すべき課題が存在するのも確かです。これらの課題に官民一体となって取り組むことが今後のカンボジアにとって重要な鍵となるのではないでしょうか。

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山本 貴宏

(RIKUYO (CAMBODIA) CO., LTD.)

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