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海外ビジネス コラム

営業戦略 2022年04月09日

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【事例から学ぶ】海外進出成功のポイント3選〜海外起業家が語る〜

荒島 由也(株式会社スター・コンサルティング・ジャパン)

今回の記事では、スターバックスのベトナム進出事例をもとに、

海外進出を成功させるための、重要なポイント3つをご紹介します。

 

スターバックスは、世界規模で店舗を展開する、誰もが価値を認めるコーヒーチェーンですが、

「なぜスタバは、国籍問わず多くの消費者に評価されているのか?」と聞かれたとき、

意外にも言葉に詰まるのではないでしょうか。

 

スターコンサル図1

 

この記事では、ベトナムで、ゼロから料理教室や洋菓子製造・販売会社を創業し、

実際にスターバックスと商品を共同開発している筆者が、

取引先として関わる中でのリアルな情報も踏まえ、スターバックスが海外進出を成功させている理由を3つ解説していきます。

 

「国内需要が低迷している中で、海外進出は、当社の生命線。ぜひとも成功させたいが、どうしたらよいのだろうか」

「海外進出を検討するにあたり、海外進出を成功させる企業の共通点は何か、理解したい」

「地方自治体の担当者として、地域の産業を活性化させるために、

海外進出を促進していきたいが、どのようにアドバイスしたらいいかわからない」

 

そのような疑問に、お答えする記事です。

 

海外の大企業の事例とはいえ、消費者に選ばれる成功の源は、日本企業、中小企業においても変わりません。

ぜひ最後までご覧ください。

 

 

新興国でも、高いのに売れる!顧客体験を売るマーケティング

 

スターバックスは、物価が安く、非常に安い価格でコーヒーが購入できるベトナムにおいても、

高い価格でコーヒーを売っており、店舗には人が殺到するほどの人気を博しています。

 

例えば、カフェラテGrandeサイズは、日本では420円前後で販売されているのに対し、

ベトナムでは日本円換算360円前後と、同程度の価格で販売しています。

ベトナムの物価は、日本の四分の一程度ですので、

日本人にとって1500円を支払うような感覚で、ベトナム人はスタバのカフェラテを購入していることになります。

 

このように価格が高いにもかかわらず、なぜ人気なのか。それは、スターバックスがコーヒーそのものではなく、世界共通の普遍的な顧客体験を売っていることにあると考えます。

 

図②

 

居心地の良さをこだわり抜いた店舗の内装、心地の良い店員の接客を追求することで、

「家でも職場でも安らげない。スタバで自分の時間をゆっくりと過ごしたい」

「大切な人と、少しおしゃれで贅沢なひとときを過ごしたい」

そのような人々のニーズを満たしています。

 

そのサービスや商品を使うことで、現地の人々のどのような欲求が満たされるのか」

「現地の人々の生活や人生の幸福感はどのように変化するのか」といった根源的な価値は万国共通です。

店舗ビジネスに限らず、商品を売り出していく上でも、パッケージデザインやプロモーションの方法よりも先に、

その根源的な人間の欲求を満たすようなを顧客体験を追求することで

消費者から選ばれる存在になっていくのではないでしょうか。

 

 

世界品質のサービス品質を現地で実現!自発性を尊重した従業員教育

 

スターバックスは、スタッフが生き生きと、

自発的に素晴らしい接客をしていることで有名ですが、ベトナムでもそれを実現しています。

 

筆者は、ベトナムで経営をする中で、

ベトナム人従業員に自発的に動いてもらうことに苦労したため、スターバックスの凄さが、身に沁みてわかります。

 

では、なぜスターバックスは、どの国でも、従業員教育を成功させているのでしょうか。

図③

 

これは、

ルールや管理を厳しくせず、ブランドのビジョンをわかりやすく伝えることで、

従業員が自発的に動きたくなる仕組みを構築しているからだと思います。

これは、放任とは似て非なるものです。

ブランドが実現したい価値などのエッセンスを伝え、徹底させた上で、

どのように実現させるかという細部は任せるというものです。

 

従業員がブランドの価値やミッションに共感すると、

「やらないといけないからやる」から、「本当に素晴らしいと思える仕事だからやる」という動機にかわり、

彼らは自然と自発的になるのでしょう。

 

海外進出において、現地の従業員を採用する場合、

彼らが期待通りに働いてくれるか、さらには事業をより良くしていってくれるかが重要です。

 

日本人は得てして、「日本品質」を実現するために、

現地の従業員に、日本人のやり方や価値観を押し付けがちですが、

そのようなやり方だと、彼らのモチベーションが下がったり、

現場で感じたことを踏まえて自発的に動いてもらうことが難しくなります。

 

スターバックスの事例を参考に、

商品やサービスが、人々にどのように役に立っているのかといった根源的価値を言語化し、

顧客だけでなく従業員にも伝えていくことで、

従業員を自発的に動かす仕組みを構築することが重要でしょう。

 

 

 

現地の人々の嗜好を徹底的に把握する!ローカライズした商品・サービス開発

 

筆者は、ベトナムにおいて、スターバックスと共同でケーキの開発をしておりますが、

全世界に店舗を展開するスターバックスとはいえど、

「スタバであるから売れるだろう」とあぐらをかくことなく、

現地の人々のニーズに合う商品は何か、追求し続けていることにいつも驚かされます。

 

例えば、ベトナム人は、

甘すぎるスイーツよりも、チーズのように酸味が効いた味が好きです。

このような、ベトナム人の味の好みを徹底的に把握した上で、ベトナム独自でスイーツメニューを開発しています。

図④

(筆者がスターバックスと開発した桜チーズケーキ。

チーズの酸味と香草好きのベトナム人は桜のはの香りが気に入っている。)

 

 

このように、こだわり抜くのは、

どんなに店内や従業員の雰囲気が良かったり、ブランドの地名度が高かったりしても、

ケーキがそこまで美味しくないという1点によって、消費者のスタバにおける顧客体験への満足感は損なわれてしまうからです。

 

海外進出においては、このように、サービスや商品をローカライズし、

現地の人々が求めるものを提供していくことが重要になってきます。

商品を完全に変えることができない場合でも、現地の人々の嗜好に合わせて、

限られた予算で変更ができないか、パッケージを工夫できないか、模索してみましょう。

 

世界一のスタバから、海外進出成功の秘訣を学ぼう!

 

今回の記事では、スターバックスのベトナム進出事例から、

海外進出成功のポイント3つをあげましたが、いかがでしたでしょうか?

今回の記事を参考に、海外進出に際して、

何に力を入れるべきか、何を変えないといけないか、議論が生まれるきっかけになれば幸いです。

 

筆者のYoutubeでは、今回ご紹介した、スタバの事例以外にも、

エースコックなど、ベトナム展開を成功させている企業などを紹介しています。

ベトナムに限らず、海外進出を検討する上でも、参考になる動画がたくさんありますので、

よろしければぜひご覧ください。

 

また、筆者が代表を務める株式会社スター・コンサルティング・ジャパンでは、

ベトナムにおいて、食品分野でビジネス展開を希望される企業様のご相談もお受けしています。

企業さまに合わせた具体的なアドバイスをご提供しておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

 

 

このコラムの著者

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荒島 由也

(株式会社スター・コンサルティング・ジャパン)

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