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その他 2012年07月04日

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『「丸ごと買収するぞ」・・・にならないために』 

堀 明則(Hopewill Group)

「丸ごと買収するぞ」

この言葉、2012年6月25日の日本経済新聞電子版の記事の中で見つけました。
以下がその記事になります。

<2012年6月25日 日本経済新聞電子版より>
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「丸ごと買収するぞ」 シャープが震える鴻海の圧力
対等なパートナーと言っていたはずなのに・・・・。
シャープと台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業グループの資本提携発表から間もなく3カ月。
当初の想定とは違って、具体策を詰める交渉では、シャープがホンハイに揺さぶられる姿が目立っている。
シャープは経営の主導権を守り続けることができるのか。

会議室に響き渡った怒声

5月9日、堺市。
シャープの液晶テレビ用パネルの最新鋭工場である堺工場。
会議室に怒気を含んだ声が響きわたった。
「今のおたくの株価なら、うちはシャープ本体を丸ごと買収することだってできるんですよ」
その男がこうすごんで見せると、居並ぶシャープ幹部は一様にたじろいだ。

震える声を絞り出し、必死にひとりの幹部がこう切り返した。
「話が違うじゃないか・・・・。あれだけ、われわれは対等なパートナーと言っていたじゃないか。それなら、この話は無理だ」。

シャープ幹部にすごんだ男の名は郭台銘(テリー・グオ)。
2兆円台のシャープをはるかにしのぐ売上高約9兆円の企業、ホンハイを董事長(代表)として率いる実力者だ。
シャープとホンハイが3月27日に発表した資本提携は、ホンハイグループが2013年3月末までにシャープ本体に約9.9%出資して筆頭株主となり、堺工場の運営会社シャープディスプレイプロダクト(略称SDP)に郭個人がシャープと同率の46.5%を出資することが柱だった。

「われわれとシャープが組めば、サムスンに勝てるんですよ」。

米アップルのiPhoneやiPadの大量受託生産で知られるホンハイ。
そのトップである郭の誘い文句で始まった提携劇。
「戦略的なパートナーシップ」「日台連合」「友好的な関係」・・・・。
前向きな言葉で語られがちだが、提携の裏側を探ると、両社の足並みは早くも大きく乱れている。

5月9日の会議では、両社の関係者が提携の具体策を話し合ったが、その日の郭は、それまでとは明らかに様子が違っていた。
昼食に大好きな大手チェーンの牛丼をほお張る姿はいつもと同じだったが、一向に煮え切らないシャープの態度へのいら立ちをもう隠しはしなかった。
出資の在り方などを巡る議論で、どんどん結論を急ぐ郭に対し、細かな手続きやメンツにこだわり、なかなかピッチの上がらないシャープ。

「なんで物事を決めるのに、こんなにいちいち時間がかかるんだ」。
郭は声を荒らげた。

「だったら、丸ごと買うぞ」

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人材を豊富に抱える日本経済のトップランナーである大企業シャープ。
その企業ですら、アジア企業を相手に大苦戦です。

しかし、これはシャープに限ったことではありません。
レナウン、少し形式は違いますが三洋電機の家電下請けから始まったハイアール。

日本企業とアジア企業の技術提携・資本提携において、日本企業の負け戦が多く見られることは、やはり「日本の常識」でもって、アジア市場・世界市場を捉える傾向に、その原因や要因を見出すことができるのではないかと考えます。

また伸び盛りのアジア企業、その多くがオーナー企業です。
オーナー企業は良くも悪くもワンマンです。
しかしこの力強い即断・即決・即行動のオーナー経営が、混沌の時代に勇敢に立ち向かうためのモチベーションを支えているわけで、これらオーナー企業から見ると、日本の大企業経営陣の思考は理解ができないことなのかもしれませんね。

中国を中心とするアジアへの日本企業の直接投資。
実は有力なパートナーを持たない自力投資で「稼げている企業」はほんのわずかです。

2012年6月14日のメールマガジンで「香港から中国への「ビリヤード型進出」のすすめ 」と題して、アジアにおける日本企業の進出成功の秘訣は「パートナーシップにあり」と書かせていただきました。
http://www.digima-japan.com/column/according/131.html

超大手企業が難儀するアジアでの提携。
「丸ごと買収するぞ」・・・にならないためにも、「日本の常識」が通用する相手で、かつ「アジアの常識」を熟知しているパートナーとの事業推進は、日本企業には不可欠な「アジア戦略」であると考えます。

皆さんはいかが思われますか?

このコラムの著者

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堀 明則ほり あきのり

(Hopewill Group)

幅広い事業範囲を武器に

日本企業、個人に対し、香港・シンガポールをハブとした、『日本からア

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