法律・制度 2014年05月10日
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気になるカンボジアでの「労働仲裁」についてQ&Aで解説
今回は、カンボジアの労働仲裁(Labour Disputes Resolution)に関する法制度をQ&A方式でご紹介させて頂きます。
1 どのような組織が労働仲裁を取り扱っているのでしょうか?
カンボジアでは、2002年に「仲裁評議会」(Arbitration Council)が設立され、当評議会により集団労働争議に関する仲裁が行われています。当評議会の特徴は労働者側、雇用者側、労働省の三者間で任命される人物から構成されるところにあります。それらの三者は相互に独立・中立・不干渉の立場を守り、仲裁評議会を運営していく必要があります。
2 「仲裁評議会」はどのような組織で構成されているのでしょうか?
仲裁評議会内の労働者側、雇用者側、労働省の三者で任命される人物から「労働仲裁委員会」(Arbitration Panel)が結成され、実際の仲裁が実施されています。この委員会の判決は紛争両当事者のみならず、その他の全ての紛争に対しても、法的かつ拘束力の有るものとして効力を生じる、と規定されています(労働法第312条)。
3 労働仲裁はどのように進行していくのでしょうか?
労働仲裁委員会は労働省から紛争を受託してから15日以内に判決を下し、紛争当事者にそれを通知する必要があります。また、協議に日数を要する紛争の場合については、紛争当事者に判決を下すまでの期限を延長してもらうよう要請することもあります。協議の末、委員会が判決を下すと、その判決の結果は労働大臣の名で仲裁評議会より紛争当事者に通知されます(労働省第313条)。
4 「労働仲裁委員会」の判決に紛争当事者が同意しない場合はどうなるのでしょうか?
紛争当事者は委員会が判決を下す前に、その判決結果について拘束力が有するのか、否かを選択するように委員会より要求されます。
もし、紛争両当事者が拘束力の有る判決を要求していた場合は、両当事者はその判決結果に対しては以後、異議を述べることは許されず、その判決結果がそのまま有効となります。
他方、紛争両当事者が拘束力の無い判決を要求していた場合は、委員会が下した判決に対して、両当事者が異を述べない場合は、その判決がそのまま有効となります。しかし、紛争両当事者あるいは一方が判決結果に異議を述べることもでき、その場合は、紛争両当事者は当判決に拘束されず、裁判所に付託するなどの別の方法で、紛争処理にあたることが出来ます。
以下、労働仲裁の流れをフローチャート式にまとめましたのでご参照ください。
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