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海外ビジネス コラム

法律・制度 2014年08月26日

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「イスラム市場」は日本にとっての重要市場(1)

堀 明則(Hopewill Group)

観光立国を目指す日本の課題は「イスラム市場」

「チャイナプラスワン」と言う言葉もすっかり定着し、多くの企業が東南アジアに目を向けるようになってきました。その中でも進出に関する多くのお問い合わせをいただく地域が、マレーシア、インドネシアといったイスラム圏です。

日本政府観光局(JNTO)によると、昨年度の外国人訪日観光客数(推計値)は前年比24%増の1036万3900人を記録しました。この伸び率を支えたのが、東南アジアからの訪日客でした。その中でも、マレーシア、インドネシアといったイスラム教を国教とする国からの訪日客は、それぞれ35.6%、34.8%と、高い伸び率を記録しました。

観光立国を目指す日本の課題として、ムスリムを受け入れるためのインフラ整備が挙げられます。日本の風景や文化に触れることを楽しみに来日したにも関わらず、イスラム教の戒律に沿った食物がなく、お祈りする場所も見つからず、観光中に大変苦労されるムスリムの方々がとても多いという現状です。海外のホテルでは、ムスリムをもてなす様々な取り組みが行われています。

マレーシアにあるグランドブルーウェーブホテル・シャーアラム(GBWHSA)では、ムスリム・ニーズの高まりを受け、ハラル認証を受けたレストランを持つだけでなく、コーランの貸し出し、室内へのキブラマーク(メッカの方向を示したマーク)の設置、お祈りに必要なマットや女性専用フロアの設置等、そしてその他にも、多くのハラル・フレンドリー設備が整備されています。

ホテル内におけるアルコールの提供が行われないのはもちろん、プールやジムは男性用・女性用で分かれており、祈祷室やスパも男女で使用する施設が異なるようです。東南アジアだけでなく、中東からも旅行客が訪れるこのホテルは、ムスリム・フレンドリーのレベルを評価するクレセントレーティング社から、最も高い評価であるレベル7を獲得しています。

イスラム市場に対し、優位性を持つ日本

日本のホテルにここまでのレベルを求めることは現状難しいでしょうが、実行可能な部分から一歩ずつ準備を進める必要があるのではないでしょうか。宗教観のない日本人にはハードルが高いことのように感じられがちですが、実は日本文化とイスラム文化には親和性が高い部分があります。

清潔を好み、礼節をわきまえる精神はまさにその一例と言えます。NHKの連続テレビドラマ小説「おしん」がイスラム圏で大ヒットした理由も、おしんの家族を思う心がムスリムの共感を誘ったからではないでしょうか。

また、イスラム市場という観点から見れば、宗教対立を背景にイスラム社会と「文明の衝突」を続けている欧米に比べ、日本は天与の優位性をもっているのかもしれません。我々日本人がムスリムの方々を観光客として誘致し、喜んで頂くためにはまずイスラム教という宗教を正しく理解せねばなりません。

本連載では複数回に分けて「イスラム市場」についてレポートしてまいります。お付き合いいただけますと幸いです。

このコラムの著者

堀 明則

堀 明則ほり あきのり

(Hopewill Group)

幅広い事業範囲を武器に

日本企業、個人に対し、香港・シンガポールをハブとした、『日本からア

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