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海外ビジネス コラム

法律・制度 2014年09月03日

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マレーシアで就労可能なビザその3 レジデント・パス (RP)

鵜子 幸久(桜リクルート社(マレーシア))

マレーシアで長期間働く外国人にための新しいタイプのビザが登場

3年前に当地で長期間働く外国人にとって新しいタイプのビザが登場しました。それがレジデント・パス(RP)です。前々回とりあげたエンプロイメントパス(EP)=いわゆる「就労ビザ」との違いは、雇用主ありきで、かつ原則2年更新でいつまで延長できるか保証されず、転職したら新しい雇用主にまたイチから取り直してもらわないといけないEPとは異なり、RPはいわば個人が取得する資格的なビザで、雇用主には関わりなく、10年間のマレーシア滞在と好きな会社での就労が保証されるという、申し分のない在留資格です。

きっかけは、国内で高度な学歴を持っていたり、高い技能を持っているマレーシア人の海外流出が加速したことに政府が危機感を持ち、国民の海外流出を食い止めるために「タレント・コープ」という外郭団体を立ち上げたことによります。タレント・コープは同時に、2020年の先進国入りという大目標に向けて、国家に貢献する外国人を引き留めたり誘致するミッションを持ちました。そうして創設された資格がこのRPです。
 

RPのメリットと申請するための資格

RPの利点は大きく以下の2点です。
(1) 最長で10年間のマレーシア滞在+自由な就労が可能(配偶者や家族含む)
(2) EPとは異なり、勤務先が変わった場合でもパスの変更や新規申請が不要

ただし、このRPを申請するためには下記の資格保有者となります。
・大卒以上で、国家の経済発展に貢献すると見なされる優秀な人材であること
・国内で5年以上滞在し、EPの資格で3年以上継続就労中であること
・年収が14万4000リンギ(約460万円)を超え、2年以上所得税を払っていること

申請から審査はすべてウェブサイト上で行われ、役所に出向く必要もありません。また認可も2週間~1ケ月以内と、とってもスピーディに行われます。
RP制度が創設されて以来、日本人はじめインド、英国、米国、ドイツなど先進国の出身者が多数取得をしており、現在も毎月50~60人ほどが新規取得しているという話です。かくいう私も昨年取得できました。政府は国策として当面この制度を継続していくようですので、資格のある方で今後ともマレーシアになんらかの貢献をしていきたいという人は是非取得されたらいいかと思います。

このコラムの著者

鵜子 幸久

鵜子 幸久

(桜リクルート社(マレーシア))

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