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海外ビジネス コラム

法律・制度 2015年06月04日

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【模倣対策】摘発ってなに?模倣対策の流れを簡単に教えて!

島田 敏史(株式会社LIO)

模倣対策は「模倣業者に対して経済的な打撃を与え、模倣行為から利益を上げづらいと認識させ、停止を促す」というのが全体骨子になります。その流れについては、大要以下のとおりです。

①権利登録

②調査

③エンフォースメント(権利行使)

それぞれについて、簡単にご説明します。

①権利登録

模倣業者と戦うにあたっては、まず、“武器”が必要です。これを作り出す手続が権利登録です。

模倣品は一般的に外観が真正品同様につくられるため、権利者の商標が付されている場合が多いです。そのため、これを捉えて商標権を行使するというのがシンプルで有効です。後述のエンフォースメントに際しても、権利侵害の認定が比較的容易であり、また、行政機関による摘発という手段がとりやすいのも魅力です。したがって、まずは、商標権の登録を実施しましょう。

【ポイント】

・模倣業者と戦う“武器”を作ることが先決

・商標権の登録が最優先

②調査

権利化が済んだ場合であっても、模倣業者は誰で、どこにいるのかわからなければ、何ら手段を講じることはできません。この点を把握するべく、次に、調査が必要となります。

なお、調査については、その後のエンフォースメントの内容と連動してその方法や調査項目が変わりますので、注意が必要です。例えば、警告目的であればオンライン調査のみ、摘発目的であれば訪問・潜入調査が、訴訟目的であれば別途合わせて公証手続が必要となります。無用な調査で費用が高額化してしまうというトラブルがよくありますので、この点については、調査会社側とよく話し合って、確認するようにしましょう。

【ポイント】

・戦う相手(=模倣業者)の特定が必要

・調査仕様については要確認

③エンフォースメント(権利行使)

調査で十分に証拠が出揃えば、最後に、模倣業者への打撃=エンフォースメント(権利行使)を行います。

権利行使の方法については、複数ありますが、(a)警告、(b)摘発、(c)訴訟の3つが代表的です。(a)警告については、費用が低額で実施が容易というメリットがありますが、そもそも業者側に対して打撃とはなっておらず、模倣行為を停止するか否かが業者側の意思に委ねられるという点で実効性が低くなりがちです。 実施方法に相当の工夫が必要でしょう。(b)摘発については、当局担当官が直接業者所在地に踏み込んで、権利侵害品を強制的に押収するものです。手段が直接的であり業者側に与えるインパクトが比較的大きく、また、没収・罰金等の行政罰を通じて経済的な打撃を与えることができるという点で有効かつ一般的な手段です。(c)訴訟については、自らが直接当事者となって行うものであるため、その進行の合理的な管理が可能であり、適切に進められれば業者側に多額の賠償等が請求できるというメリットがありますが、相当の時間と費用がかかってしまうという難点があります。

弊方の経験上、(b)摘発を頻繁に繰り返すという手段が一般的である印象ですが、必ずしも成果が出るとは限らず、むしろ、目的や相手に合わせてうまくこれらの手段を組み合わせていく必要があるものと思われ、ここでどれだけ優れた戦略立案をできるかが、調査会社の腕の見せ所だと思われます。

【ポイント】

・警告、摘発、訴訟が基本メニュー

・戦略立案の出来が、調査会社の腕の見せどころ

(参考)LIOナレッジコンテンツのご案内

中国知財・模倣対策や中国調査等に関する弊方の知見やノウハウをナレッジコンテンツとして、配信しています。

上記の模倣対策の流れやエンフォースメントに関する詳細についても、「簡潔明快!5分でわかる中国模倣対策の基本」という記事の中盤以降で紹介していますので、もし、よければ、ご参照ください。

このコラムの著者

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島田 敏史

(株式会社LIO)

中国調査・法務サービスの専門家

LIOは、中国に関する調査サービス、法務サービスを提供しています。

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