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海外ビジネス コラム

法律・制度 2022年06月07日

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日本企業はどれくらい国連調達市場に参入しているの?日本企業が挑戦しやすい分野・市場拡大が見込まれる分野は?

三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 | PICTURES i チーム(三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社)

本連載では日本企業様の国連調達への参入支援を行っているPICTURES iチームが、国連調達の基本から弊社サービスの特徴まで分かりやすく説明していきます。

初回は「国連調達ってそもそもなに?」という疑問を、新入社員(タケルさん)と先輩社員(トモミさん)の会話を元に解説しました。

今回は、日本企業の国連調達参入状況、日本企業が挑戦しやすい分野、市場拡大が見込まれる分野を解説します。


タケル
「国連調達市場がどういうものかなんとなく理解できたのですが、日本企業はこの市場にどれくらい参入しているのでしょうか?日本製品の品質や信頼性は世界的にも高く評価されていますよね。国連調達市場でも、やはり日本製品はよく取引されているのでしょうか?」

トモミ
「日本製品自体はある程度取引はされているけど、残念ながら日本企業が直接の落札者になっているわけではないんだ。まずは国連調達の案件情報や過去の統計情報が見られるポータルサイトを一緒に見てみよう」

日本は先進国の中でも国連調達に参入できていない?

UN Global Marketplace(国連調達情報プラットフォーム:UNGM)によると、2020年度の調達実績1位は米国(19.3億USD)、次いでデンマーク(10.9億USD)、中国(10.2億USD)となります。

特に中国はコロナウイルスによりPPE(個人用防護具)の調達が増加したことで、2019年度の調達額20位(2.5億USD)から大きく順位を上げてきています。一方、日本は43位(1.1億USD)と国連調達全体の0.5%程の参入実績しかありません。


国連調達_01



タケル
「日本は国連拠出金では世界で3番目に多いのに、うまく活用できていないということなんですかね。なぜ日本はこんなに調達額が少ないのでしょうか?」

トモミ「最も大きな理由は国連調達というマーケット自体が日本であまり知られていないことにあるよ。だから私たちは四半期毎に国連調達セミナーを無料で開催し(※)、日本企業に向けた周知活動を行っているの」

※過去セミナーリンク :
第10回国連調達セミナー | 外務省国連調達セミナー直前企画!今こそ始める国連調達」)

トモミ
「また、国連調達について知っていたとしても、入札参加方法や、煩雑な書類作成などに関するノウハウも十分ではないの。政府機関等による外部支援が限られることも市場参入を躊躇させる要因になっているよ。

でも、国内市場が徐々に縮小していくことが避けられない日本では、多くの企業が新たな販路獲得の必要性に迫られているでしょ? だからこそ今、私たちが提供するPICTURES iサービスで日本企業が国連調達市場への参入を支援することが重要だと考えているんだ。それに国連調達市場はこれまで注目されていなかった分、日本企業の参入余地はまだまだたくさんあるよ」

日本企業が挑戦しやすい調達分野

2020年度の国連調達における日本の調達額は1.1億USDです。その分野内訳をみると「自動車及び部品」が最も多く、次いで「医療機器」、「食料品・飲料品」となります。(※)
※参照:
日本の分担金・拠出金」外務省


国連調達_02



タケル
「PICTURES iサービスの意義がとてもよく理解できました!ちなみにすでにこの市場に参入できている日本企業はどこがあるのでしょうか?」

トモミ
「統計を見ると、日本は自動車関連の調達が多くを占めているね。例えば、トヨタのランドクルーザーなんかは国連が活動用車両に採用したことで一気に知名度が上がり、様々なプロジェクトで調達されている代表格だね。国連で調達される製品は途上国で活用されることも多く、ブランディングやSDGsへの貢献にもつながることはこの市場の大きなメリットだよ」

タケル
「各企業には短期的な売上増だけでなく、長期的な視点による多面的に経営戦略上のメリットがあると捉えてもらえるように広報活動をしていくことが重要なんですね。自動車分野以外で日本企業の強みを発揮できる分野はどこなのでしょうか?」


国連調達_03



トモミ
「例えばCT・MRIや超音波画像診断装置、内視鏡などの医療機器は世界的にみても日本企業のシェアは高く比較優位性はある分野だね。その他ではラボ・試験機器、建設機器等のある程度、技術やクオリティが求められる製品群は先進国参入比率が高いよ。

一方で、食料品や衛生製品(ガーゼや絆創膏など)等の消耗品は、より安いコストで大量生産できる企業に優位性があるため、特筆する特徴がない限り価格面でどうしても勝てないことも多いよ。そのため、新興国・途上国で生産可能な製品は近隣諸国から調達される傾向にあるんだ。ただ、2016年以降は、”Value for Money”の観点が国連調達にも導入され、従来の価格重視から質も考慮されるようになり、日本企業の参入余地は広がっているとも捉えられるね」

タケル
「自社製品の特徴と海外企業の特徴を比較し、どの分野・製品で参入していくのかを見極めることが重要なんですね。」


国連調達_04


市場拡大が見込まれる分野

タケル
「前回、コロナウイルスの影響で医療分野の調達が大幅に増加したという話がありましたが、医療分野以外で今後需要が伸びそうな分野はあるのでしょうか?」


国連調達_05



トモミ
「地球温暖化の影響によって世界各国で自然災害が増加することを見据えると災害や防災分野の将来性は高いと思うよ。特に日本は自然災害が多いために関連分野で素晴らしい製品・技術力を持っている日本企業が多く、国連調達市場においても比較優位性を発揮できるポテンシャルがあると思うよ。

また、2050年のカーボンニュートラル実現を目指す世界的な動きが加速する中で、それに寄与できる製品・サービスの需要も高まりそうだよね。例えば燃焼効率が高く、かつ汚染物質排出量が少ない焼却炉や効率性の高い発電機などがあるね。ただ、そうはいっても国連調達市場は緊急支援や複数年契約の存在からボラティリティが高く、予測通りにはいかないことも覚えておいてね」

タケル
「グローバルな潮流を意識した動きも大事なのですね。日本企業だからこそ参入できる分野・余地がまだまだ多いということがわかりました。国連調達の魅力をより多くの日本企業に知ってもらい、そして興味を持った企業をPICUTRES iを通して支援できるようにこれからもっと勉強していきます」

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